ジュラシック・ワールド/炎の王国

 「面白い度☆☆ 好き度☆☆」

 あとがあればね。

 このシリーズは本当に数字順につまらなくなっていくな。つまり毎回最低記録を更新するという。恐竜バイヤーのトビー・ジョーンズさんのエレベーターのシーンだけは許してやろう。あれは不覚にも笑ったwあとは駄作。
 もうさ、子どもの観客も映画がつまらなくて飽きちゃって後ろから席蹴られるし、ひどい目にあったwなんか別の映画見に来た感じ。登場人物が本当に誰にも感情移入できないのが凄い。
 坪内逍遥は小説の真髄は登場人物の心理描写であると言ってたけど、それが全くない。あるのかもしれないけど、一般的な倫理観とは掛け離れているんだよな。そういう人もいるはいるんだが、ほとんどそういう人ばっかりだからリアリティがない。別の世界の話というか。どうでもいい。
 顕著なのが、「人命<恐竜」という危ないイデオロギーの連中をなんとなく善人として描いていることで、これがロストワールドだと保護する側もハントする側もどっちも食べられちゃったりして皮肉が効いてたんだけど、これは、なんかすごいオタクが作った典型的なダメな作品。
 今朝、ガネオ・トカゲさんが『外来種は本当に悪者か?』の書評記事を紹介してくれたんだけど、こんな一文がある。引用させていただきたい。

 ところで、本書は一部の専門家には評判が悪いようだ。例えば「悪書、著者は生き物がそんなに好きではないのでは? 生き物が好きでないなら余計なことは考えず(黙っていてほしい)」「雑な本がわざわざ翻訳されてそれを門外漢が書評する」などなど。

僕は、悪書や雑な本は「第3者による検証が不可能な「新資料」「新事実」に基づいたもので、学問的な実証手順を抜きにして組み立てられたもの」と理解しているが、本書がそれに当たるのだろうか。「著者は生き物が嫌いでは」と言う人はおそらく生き物が大好きなのだろう。しかし、地球は生き物が好きな人だけに任せておいていいのだろうか。


 地球を生き物が好きな人だけに任せた結果がこの映画の結末だよね(笑)。ようこそジュラシック・ワールドへ。ただし、あの個体数だと繁殖はできない気がするけどな。この作品は前半と後半で綺麗に作風を変えるけど、『猿の惑星』路線を考えているのだったらすごい浅はかだぞ。
 一番可能性があるのは、数匹いたコンプソグナトゥスという小さな恐竜で、これはミナミオオガシラとかグリーンイグアナのように根絶不可能な侵略的外来種になりそうw
 ただし、マルカム博士のセリフを引用するならば、恐竜は現代の環境と何から何まで異なる世界にいた動物だから適応なんてできないのかもしれない。ステゴサウルスなんか苦しそうに呼吸しているじゃないか。まあ、生命は道を探し出すとも言っているが。

 ただし!内容とは対照的にこの映画のアクションフィギュアの出来はいい。マテルに権利が移ったんだけど、ティラノサウルスとかアロサウルス(なぜか背中のボタンを押すと開いていた口が閉じて鳴き声が出るギミック)が特にいいよ。
 モササウルスもでかい割に値段が安いのでおすすめ。このサイズなら、前作のインドミナスのアクションフィギュアをつかって例のシーンも再現できます。

 あ、インドミナスで思い出したけど、最初の潜水艇のシーンもさ・・・ああいうハイブリッドな恐竜なんだから組み換えDNAサンプルくらい控えておかなかったのかね。島の外の研究施設とかもあるだろうし。よくわかんね。
 最初は、パーク管理者とは全く関係のない組織が違法に忍び込んでやってるのかって思ったけど(とはいえ大掛かりだが)、ヘンリー・ウー博士がいたしなw
 もっと言えば、インドミナスの死骸が転がってると思いきや、モササウルスが死んでて、インドミナスはまだ生きててどっかに潜んでる・・・とかのほうがずっと怖いと思うけどな。
 結局、実在している恐竜の方をえこひいきしちゃうんだから、だったら架空の恐竜なんか出すなよ、とも思う。全然怖くないじゃんっていう。

 まあ、あれだ。富野由悠季監督か何かが「アニメはアニメオタクが作りだしたらつまらなくなった」とか言ってた気がするんだけど、それだな。恐竜映画を恐竜オタクが作るとつまらないんだよね。知性がなくなるからね。
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