『ラストパーティ』脚本②

回想
朝のキッチンで二人の子どもの朝食を作る泉ヨシヒコ。
卵を割ってフライパンで目玉焼きを焼く。
ヨシヒコ「イチカ、ランドセルに宿題は入れたか?」
イチカ(長女)「パパ~遅刻しちゃうよ、ごはんまだ?」
ヨシヒコ「シリアルを食べて待ってなさい・・・!」
フタバ(次女)「あたしあけてあげるね!親切でしょ?褒めてくれていいよ!」
袋を開けるのを失敗してシリアルを床に全てばらまいてしまうフタバ。
イチカ「なにやってんのよバカ!」
妹を叩くイチカ。
泣いてしまうフタバ「イチカばかじゃないもん!うわ~ん!!」
ヨシヒコ「喧嘩はよしなさい!イチカ、シリアルを拾いなさい」
イチカ「ばらまいたのはフタバだもん!」
フタバ「食べるのはイチカだもん!」
イチカ「なによ、このバカ!」
取っ組み合いをはじめる姉妹。
泣き出すミナギ(長男)「うわ~」
ヨシヒコ「ああっおしっこしてる・・・!おしめ変えないと・・・」
電話が鳴る。
イチカ「はいもしもし泉です・・・パパ、保育園からだよ。」
ミナギのおむつを替えるヨシヒコ「あとでかけなおすって言っといて!」
フタバ「なんか焦げ臭い・・・」
ヨシヒコ「いけない・・・!目玉焼きが炭に・・・!」



喫茶店に入るヨシヒコ
店内で手を上げるスーツの男。
宮本「こっちだ、専業主夫」
気まずそうに宮本のテーブルに近づくヨシヒコ
「そんなでかい声で言うな。」
宮本「コーヒーすっかり冷めちゃったぞ。」
ヨシヒコ「すまない、保育園の道がこの時間帯は混んでて・・・
で、どうだった?」
宮本「あんたが信頼できる人物で、とりわけ優秀なゲームクリエイターなのは各社に伝えた・・・
しかし、いい回答を得られたのはわずか2社だ・・・」
ヨシヒコ「そうか・・・」
宮本「君に最も興味を示したのはGASEだ。ここは書類選考も通ってあとは役員面接だけだったのだが・・・あんたの古巣の妨害工作が入って御破算だ。」
ヨシヒコ「なんだって・・・」
宮本「コマキ社のOBを入社させるのはどのゲーム会社もためらっている・・・
嫌がらせや苦情が入るからだ・・・」
ヨシヒコ「この際、ゲーム業界でなくてもいい・・・IT企業でいいところはないか?」
宮本「ダメだな・・・元コマキという肩書きはとんでもないスティグマ(古傷)らしい・・・
やっこさん、あんたが重要な機密情報を握って退社したと思っている。
実際のところはどうだい?」
ヨシヒコ「・・・バカバカしい・・・」
宮本「友人に隠し事はよくないぞヨシヒコ。
ブラック企業で有名なコマキでも、一退職者にここまでの仕打ちは偏執的だ。
秘密裏になにか大きなプロジェクトを進めているんじゃないか?
特許もいくつかとっているしな。
例えば、これ。“プレイヤーを臨場感あふれる視聴覚環境に移動させる装置”とは何だ?」
ヨシヒコ「キミは転職エージェントか?それとも産業スパイか?」
宮本「コマキと戦え。さもなければあんたに復職の道はないぞ。勇気を出すんだ、ヨシヒコ。
あんたが立ち上がれば、新天堂へ役員待遇でねじ込んでやる。」
ヨシヒコ「キノコを食べて強くなれって?」
宮本「あんたが知っていることは、弱点ではなく強力な武器にもなり得ると言っている。」
周りを見渡し立ち上がるヨシヒコ「わかった・・・場所を変えよう。」
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