『ラストパーティ』脚本⑳

プライズ・メダルゲームエリア「ビリオンパラダイス」
コマキ社の隠し資産が秘密裏に転送されている脱法ギャンブルエリアである・・・!
カジノに入るヴィンツァーとゼリーマン。
エントランスのバニーガールにおしぼりをもらう2人。
ゼリーマン「バニーガールごときに頬を赤らめるんじゃない・・・」
ヴィンツァー「エッチなお店じゃないよね・・・??」
ゼリーマン「これだから中年の童貞は・・・」
ヴィンツァー「童貞じゃないって・・・!リネットとキスもしたし、手だって握った・・・!」
無視するゼリーマン「まず、ミニマムベットを確認しよう。」
ヴィンツァー「ミニマムベットとは?」
ゼリーマン「最低賭け額だ。地道に増やしてから最後に大勝負をする。」
ヴィンツァー「もう全部君に任せるよ・・・」
ゼリーマン「いや、何も知らないあんたみたいなやつの方がビギナーズラックで勝っちゃったりするんだ・・・さて、メドの裏カジノもコマキ社のメダルを使っていたから、ここで使えるはず・・・」
ヴィンツァー「それやっていいの?」
メダルを握るゼリーマン「バレなきゃいいんだ。」

エントランスの監視カメラが2人を捉える。
即座に2人の顔データが顧客リストと照会される。
バックヤードでモニターを眺める白いウサギ。
「ふむ・・・新規客か・・・」
従業員のウサギ「ホワイト様・・・どういたしますか?」
ホワイト「おそらく、最初はミニマムベットのスロットに座るだろう。
台が決まったら設定を変更して、機械割を1000%にしてやれ。
特に、あの真面目そうな甲冑騎士はいいカモになる・・・」

スロットコーナーに行く2人。
ヴィンツァー「これは見たことがある・・・」
ゼリーマン「ここはハイローラー(ハイベッター)のエリア・・・初心者向けは一般的なカジノでは奥にある・・・ついてこい・・・」
スロットに熱中する客の3月ウサギ「がっ・・・がっ・・・勝たねばゴミ・・・負ければ誰かの養分・・・!」
客を見てヴィンツァー「・・・ギャンブルにのめり込む人の気持ちがわからない・・・
お金というのは地道にコツコツ働いて手に入れるものだろう?」
ゼリーマン「地道にコツコツ働いてお前は戦闘宇宙船を買う金が貯まるのか?」
ヴィンツァー「そうだけど・・・ぼくは一生こういうのにはハマらないと思うな・・・」

1時間後・・・
大量のチップを抱えているゼリーマン「おい、もういい加減に移動するぞ・・・」
すっかりハマっているヴィンツァー「いや、まだ放出期は続いている・・・!!」
ゼリーマン「こういうギャンブルは勝ってるうちにやめるのが定石だぜ・・・」
ヴィンツァー「周期的に1万枚負けたら777が揃うから・・・
次のフリーゲームで取り返せるはずだ・・・!」
ゼリーマン「その前にメダルが全部溶けちまうよ!」
ヴィンツァー「ぼくを誰だと思っている?奇跡を起こす勇者スナイデル・ヴィンツァーだ・・・!」

さらに30分後・・・
メダルを全てとかして泣いているヴィンツァー
勇者に肩を貸して、おしぼりで涙を拭いてやるぜリーマン
「気にするな・・・みんなそうやって一人前のギャンブル依存症になるんだ・・・」
ヴィンツァー「うう・・・」

バックヤード
タバコに火をつけるホワイト「な・・・なんてちょろい野郎なんだ・・・」



カウンターで高額メダルに両替してもらうゼリーマン
「ヴィンツァーが大当たりした時に半分以上取り上げといてよかったぜ・・・」
ヴィンツァー「増えたの?」
ゼリーマン「ああ・・・24000ゴールド分のメダルが30万ゴールドになったぜ・・・」
めまいを起こすヴィンツァー「あの短時間で・・・」
ゼリーマン「お前がティルト(熱くなること)しなければ50万ゴールドだったんだよ・・・」
ヴィンツァー「じゃあ、もう帰ろうよ・・・」
ゼリーマン「バカ野郎、ギャンブルはこっからが楽しいんだろ!
これでハイローラーのVIP席に座れる・・・ディーラーとの一騎打ちだ・・・」

ディーラーゲームエリアを物色するゼリーマン
「バカラ、ブラックジャック、ポーカー、クラップス(西洋チンチロ)・・・
それとルーレットか・・・」
ヴィンツァー「バカラ?」
ゼリーマン「2枚のカードの合計が9に近いほうが勝ちになるカードゲームだよ。
ブラックジャックは21、ポーカーは役がある・・・
カードゲームはやめよう・・・ディーラーはいつでもイカサマができる・・・」
ヴィンツァー「そうなの?」
ゼリーマン「お前はトランプマンを知らないのか?
おい、そこのバニーちゃん!」
バニー「あ・・・はい・・・!」
ゼリーマン「このカジノで最もハイリスクでハイリターンなゲームはどれだ?」
バニー「ちょっと確認しますね・・・(無線連絡をする)・・・アニマリング~おとぎの国の沼~というビンゴルーレットだそうです・・・」
ゼリーマン「よし案内しろ。」
ヴィンツァー「なんでハイリスクなギャンブルを・・・」
ゼリーマン「重要なのはハイリターンということだ・・・」
ヴィンツァー「ぼくはさっきギャンブルの恐ろしさを知った・・・!絶対そんな大当たりは出ない・・・!」
ゼリーマン「お前も少しは賢くなったな。その通りだ。」
ヴィンツァー「じゃあなんで・・・」
ゼリーマン「カジノ側に立って考えてみろ・・・カジノが潰れるような大当たりは絶対に阻止するだろう・・・イカサマというのはな・・・相手が絶対にやってくるとわかれば簡単に見抜けるもんなんだ。」
ヴィンツァー「イカサマを見抜いたら・・・?」
ゼリーマン「いくらでもふっかけれる・・・」
すると、さっきのギャンブル依存症の3月ウサギが話しかけてくる。
「悪いことは言わねえ・・・あのアニマリングはやめるニョ・・・」
ゼリーマン「何だお前・・・」
3月ウサギ「オイラは週7でこのカジノに通っているが・・・アニマリングのイカサマを暴いたギャンブラーはいねえ・・・」
ゼリーマン「なんだ・・・ただのクズか・・・こっちはこのカジノの親会社に恨みがあるんでな・・・
ほっといてもらおう・・・」
3月ウサギ「どうしてもやるってんなら・・・わかったニョ・・・
まずオイラがやってやるニョ・・・それを見てから決めることニョ・・・」
ゼリーマン「お前・・・胡散臭いな・・・カジノ側のサクラじゃねえだろうな・・・」

アニマリングに座る3月ウサギ「姉ちゃん!ベットするニョ!」
バニーガールがルーレットを起動させる。
バニー「ベット額はいかがしましょう・・・」
3月ウサギ「100ゴールドニョ!」
そこそこ当たるアニマリング。
ヴィンツァー「なにも違和感を感じないけど・・・」
3月ウサギ「見てるがいいニョ・・・よし、じゃあこれを全てかけるニョ!」
メダルすべてを突っ込んでしまう3月ウサギ。
バニー「3番ステーション、エクストリームジャックポットチャンスです!
60球のボールが1球でも20番のポケットに入ればジャックポット!
573万枚の獲得です!さあ、スパイラルスロープからボールがやってきました!」
ヴィンツァー「573万・・・」
ゼリーマン「1/25の抽選を60回外し続けない限りはジャックポットか・・・」
全然20番ポケットに入らないボール。
ゼリーマン「ふうん・・・」
3月ウサギ「いけ・・いけ・・・!!!」
最後の2球になってしまう。
3月ウサギ「これがオイラの全財産・・・!星野家の借金はオイラが返すニョ・・・!!」
すると、ボールは綺麗に20番を避けて19番と21番に入ってしまう。
バニー「あ~惜しい!!あと少しでした~!!」
真っ白に燃え尽きる3月ウサギ。そして失禁してしまう。
バニー「きゃあああ!」
3月ウサギ「・・・せねえ・・・」
バニー「・・・え?」
バニーに掴みかかる3月ウサギ「許せねえ・・・!!なんだこのイカサマは~~!!」
醜くバニーガールに八つ当たりをする3月ウサギ。
バニー「ひいい!警備員さん!!」
すると、3等身の可愛い動物キャラ達が現れる。
見た目と裏腹にかなりガラが悪い動物キャラ
「なんだてめえ、毎日遊ばせてやってるのにイカサマだと!?ぶち殺すぞこの野郎!!」
動物キャラ「てめえの舌は何枚あるんだこのやろう!!」
かわいい動物たちに取り押さえられる3月ウサギ。顔がぐにゃりと歪む「うわああ・・・・!!!」
どこかに連れてかれてしまう3月ウサギ。
ヴィンツァー「・・・・・・。」
ゼリーマン「・・・なるほど・・・確かにやっているな・・・面白い・・・」

高級そうな身なりの白ウサギがゼリーマンたちの方へ近づいてくる。
ホワイト「アニマリング・・・お楽しみいただけてますか?
わたくし、このカジノの店長を仰せつかっておりますホワイトというものです・・・」
ゼリーマン「あんた・・・可愛い顔して随分アコギなことしてるじゃねえか・・・」
ホワイト「なんのことでしょう・・・」
ゼリーマン「そう言うなら、そのルーレットの中身を見せてくれねえか?」
ホワイト「それはコマキ本社から禁止されております・・・
物理抽選の操作を疑うのならばやらなければいいだけ・・・ギャンブルはほかにもございます。」
ゼリーマン「あんたら・・・もしかして・・・ヴィーナス・スプリングスの森の仲間たちなんじゃねえか?」
ヴィンツァー「ヴィーナス・スプリングス?」
ホワイト「・・・・・・。」
ゼリーマン「ドリームワールドには、そんな名の7つめの世界・・・かわいい動物や優しい妖精と楽しくお話できる転送エリアがあったそうだが・・・」
ホワイト「何が言いたいのかね・・・」
ゼリーマン「あんたもコマキに住処を奪われて、こんなところで雇われ店長をやらされているクチだと思ってな・・・違ってたら悪いな。」
ホワイト「私は雇われているわけではない・・・コマキと対等な業務提携をしただけだ・・・」
ゼリーマン「そうかい・・・じゃあ、コマキの有り金をすべて奪ってもいいわけだ・・・」
ホワイト「なんだと?」
ゼリーマン「青天井で行こう。20番ポケットに30万ゴールド全ベットだ。」
ゼリーマンを止めるヴィンツァー「ちょっと待った~~!!」
バニーガールたち「ホワイト様・・・!やめましょう!!」
ホワイト「君たちはアニマリングに操作はあると思うか・・・?」
バニーガール「・・・え?」
アニマリングの分厚い説明書をめくるホワイト
「コマキ社の説明書にはそんな機構は書かれていない・・・
つまり、24/25の確率で我々は勝てる・・・」
従業員のウサギ「向こうがゴト行為を仕込んだのでは・・・」
ホワイト「あの2人は抽選器に触れたか?」
バニー「い・・・いえ・・・」
ホワイト「・・・客が落とした金を数えるだけの毎日・・・君たちももう飽きたんじゃないか?
久しぶりにドキドキしたくはないかね・・・」
従業員ウサギ「し、しかし、もし負けたら・・・」
微笑むホワイト「相手がツイていたとコマキに報告すればいいさ・・・
さて・・・イカれたギャンブラーの名を聞こうか・・・」
ゼリーマン「ゼリーマン・・・ただの雑魚キャラさ・・・」

バニーガール「そ・・・それでは、スペシャルミラクルアメイジングジャックポットチャンスです!
20番ポケットにボールが入れば9999万枚のメダルを獲得!
しかし、抽選球はたったの1球!
失敗したら、ゼリーマンさんは1050年地下行きとなります・・・!緊張の瞬間です!ボール発射お願いします!」



ビリオンパラダイスをあとにするゼリーマンとヴィンツァー
ヴィンツァー「ま・・・まだ脚がガクガクしてるよ・・・正直、邪神ニャルラト・カーンと対峙した時より怖かった・・・」
ゼリーマン「これでコマキの汚ねえ金はオレのものだ・・・」
ヴィンツァー「しかし、どういう自信があったんだ・・・?1/25なんて当たるわけが・・・」
ゼリーマン「あの白ウサギも救われたがってたのさ・・・コマキからな・・・」
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