抜けがありそうだけど、この単位のテスト勉強はひとまずこれでおしまい。あと一週間しかねえからな。
時間がないんです!(※アイドルマスターのあいつ)
参考文献:廣石良雄著『情報と職業』
システム要件定義プロセス
要件定義は、企画をシステムという装置の設計図にしていくための重要なプロセスである。ここで定義されたことがシステムとなる。
具体的には、要件定義者は、新たに構築する(あるいは再構築する)業務、システムの仕様を明確化し、それをベースにIT化範囲とその機能を具体的に明示する。また、関連する組織およびシステムに対する制約条件を明確にし、定義された内容について取得者側の利害関係者間で合意することである。
以下の6つのアクティビティで構成される。
①プロセス開始の準備
要件定義者が行う要件作業(システム化の範囲、規模、および複雑さに適合した要件作業の定義あるいは選択を行う作業)の定義、成果物の文書化などを行う支援プロセスの実施、要件定義で使用する組織で文書化された標準、方法論などの選択、適用などを行う要件定義環境準備および、このプロセスのアクティビティ実施計画の作成を行う。
以下の5つのタスクで構成される。
・要件定義作業の組み立て
・要件合意および承認ルールの決定
・要件定義プロセス実施計画の作成
・必要なプロセスの組み込み
・要件定義環境の準備
②利害関係者の識別
要件定義者が、システムのライフサイクルの全期間を通じてシステムに関わる利害関係者またはその種類(利用者、運用者、支援者、開発者、製作者、取得者および供給者の組織など)を定義する。
・利害関係者の識別
③要件の識別
要件定義者が、利害関係者のニーズ、要望を引き出し、技術的、物理的、社会的、企業方針、組織などの制約条件を認識し、システムソリューション上の制約条件を定義する。
また、ユーザビリティの要件を決定し、システムの使用が環境など周囲に及ぼす影響に対処する。
・要件の抽出
・代表的活動順序の定義
・利用者とシステム間の相互作用の識別
・システムの使用が周辺に及ぼす影響への対処
・制約条件の定義
④要件の評価
要件定義者は、定義された要件の実現可能性を分析し、必要があれば、システム化計画、プロジェクト計画を見直す。
・導出要件分析
⑤要件の合意
要件定義者は、要件に関する問題(実現できない、または達成できない要件)を解決し、利害関係者に提案を説明し、合意を得る。
また、利害関係者要件を利害関係者と共に確立する。
・要件の問題解決
・要件の確立
・利害関係者へのフィードバック
⑥要件の記録
要件定義者は、ライフサイクルを通して、および、その後も要件管理に適した形式で利害関係者要件を記録する。
・要件の記録
・要件の追跡可能性維持
プロジェクトの特性
アメリカにある世界最大のプロジェクトマネジメント団体であるPMIによれば、プロジェクトとは「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期生の業務」であり、有期性(期間が決まっている)、独自性(プロジェクト独自の成果物ができる)、段階詳細化(プロジェクトが進むにつれて成果物の詳細や終了日時が決まっていく)といった特性がある。
プロジェクト型と相対する業務として、オペレーション型がある。オペレーション型は、同じ活動が継続的に繰り返される業務を指す。こちらは、期間が定まっておらず、またプロダクト(製品、製造物)も同じものを反復的に作るものである。
プロジェクト・チーム育成
プロジェクトマネージャの使命は、チームの全体的な能力を向上させることである。プロジェクトの開始前と終了後でメンバーの能力が横ばいだった場合、高い評価は得られない。
プロジェクト終了後にメンバーの結束が強まり、コンピテンシー(技能や態度を含む様々な心理的・社会的リソースを活用して、複雑な要求に対応することができる力)が少しでも高まっていなければならない。
メンバーを育成していないと、いつまでたっても作業の負荷分散ができず、作業負荷の高い要員が固定されることになる。
メンバーは、このタスクは自分にしかできないと決めつけず、他のメンバーを信頼し任せることにより、自身はより上の技術や業務に挑戦したいものである。
教育
意図的に若干難しい技術や知識が必要と思われるタスクに対して、成長を促すため挑戦させること。
現実的には、タイムリーに社内教育ができないため、書籍で独学させる機会を設けたり、社外技術セミナーに参加させたりするといったOff-JTと、実際に指導者をつけタスクをこなしながら育成するOJTがある。
プロジェクト・チーム管理
いくらパフォーマンスが高いメンバーをそろえても意外とプロジェクトは成功しないことがある。
相手の立場を理解できずコミュニケーションが不足したり、メンバーの何気ない言動により士気が下がったりするかもしれない。
そこでメンバーの作業や態度を観察し、問題があれば課題として取り上げ、課題を解決し、対策を講じることがプロジェクト・チーム管理である。
問題そのものはメンバー自身に依存して発生することが多いが、これに依存しない是正措置、予防措置を提案していく。
例えば、あるタスクで担当メンバーの有識者への確認が遅れたため、実績遅れになった問題があったとする。これに「ギリギリに確認するのではなく、スケジュールを意識して早めに確認しなさい」と注意しただけでは、おそらく再発する。
有識者が多忙で確認する機会を逃してしまったなどの事情があれば、一日一回プロジェクトの手続きとして有識者に確認する場を設けたり、メンバーがサーバ上に確認項目を記載したり、プロジェクトリーダがまとめた上で責任をもって有識者に確認するといった措置を講じる。
構成管理
システムの構成やプロジェクトにおける成果物を管理すること。
その際は、構成品目(構成管理をする項目)を明確にしなければならない。
まず何を構成品目にするかの品目名(システム方式設計書、ソフトウェア詳細設計書、納品ソフトウェアなど)、品目種類(モジュール、テストケース、文書、データなど)を定義する。
そして開発ベースラインを定め、構成品目に対して構成管理を開始する。例えば、格納場所、管理方法(構成管理ソフトウェアの使用など)、バージョン名、構成ステータス(未作成、作成中、レビュー中、テスト中、リリース済みなど)、リリース対象区分(リリース対象、非対象、いつのリリース対象かなど)を対象とすることで管理を行う。
そしてリリース・納品作業では、どの構成品目を実際に対象とするか確認し、構成品目とリリース・納品物の履歴を追えるようにすることが大切である。
品質マネジメント
品質に関して組織を指揮し、管理するための調整された活動。
品質管理
品質計画で定められた基準値に達しているかチェックし、達していなければ、その原因を除去し改善していくこと。
品質保証
品質計画で定められた手順や基準通りにプロジェクトが実施されたかチェックし、実施されていなければ改善する。
品質管理の手順も品質保証の一つである。たまたま、品質管理の結果、ベースラインに達しているプロダクトができたとしても、品質計画で定められた手順に従ってプロジェクトが実施されていないのであれば、品質保証されているとはいわない。たまたまでは、常に品質のよいものができる保証はないからである。
ただし逆に、品質計画で定められた手順に従ってプロジェクトを実施しなくても、常にベースラインに達しているものが出来るのであれば、品質計画で定められた手順に無駄な作業があるということである。
ベースラインを見直したり、手順を簡略化したりするべきである。
また、品質管理の結果、ベースラインに達していないものがあったとしても、品質計画で定められた手順通りに原因を除去し品質改善がされたのであれば、品質保証されているといえる。
リスク管理
リスクとは、現時点では問題となっていないが不確定要素で、そのままにしておくと脅威になるため、課題管理として対応を検討するなど、速やかに対応をすべきものである。
なお、すでに問題となっているものはリスクとは呼ばない。
プロジェクトで発生する可能性のあるリスクを洗い出し、プロジェクトに影響するリスク発生確率、影響度、優先順位、リスク許容レベルを定義し、リスク対応の予算を見定め、それに基づいて分析したリスクについてリスク対策を実施する。
計画段階でできるだけ多くのリスク項目を考えることが必要で、考える機会には多くのステークホルダーに参加してもらうようにする。
当然、実行中にもリスクは発生してくる。計画時に実施したことと同様に、定義したリスク発生確率、影響度、優先順位、リスク許容レベルを適用し、リスク対応の予算を見定め、それに基づいて分析したリスクについて対策を実施する。
労働環境の変化
最終章(IT技術者の勤労観)はかなり短いので、この記事にくっつけることにしました。逆に第4章は長大なので記事を二つに分割しています。
在宅勤務
自宅を就業場所とするもの。
モバイルワーク
施設に依存せず、いつでもどこでも仕事が可能な状態のもの。
サテライトオフィス
施設利用型勤務の1つ。事業拠点の目的ではなく自宅に近いなど勤務場所という観点で、本来の事業所と離れた場所に従業員が勤務できるようにした事務所。
本来の事業所での勤務と変わらない通信設備を整えている。
テレワークセンター
テレワーク(ICTを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方)が行える労働場所提供の中心となる施設や組織。
スポットオフィス
出張先や外出先の近くに配置した簡易オフィスで、出張などで従業員が自由に使うことができる。
ノマドワーカー
遊牧民という意味。自宅や会社といった固定された施設ではなく、喫茶店やファーストフード店などでモバイル型端末を使って仕事をする。
クラウドソーシング
Webサービスとして、ネット上の不特定多数の人に業務を委託する、新しい雇用形態。
新3K
情報サービス産業の「きつい、厳しい、帰れない」というブラックぶりを上手に表現した言葉。
特にプロジェクト型の業務は、月末や決算期が忙しくなると事前に分かっている経理業務などとは異なり、仕事のピークがどの時期に来るかが決まっておらず、土日や年末年始にシステム本番移行が行われることもある。
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