授業スタイルについて

 どういう授業をするのが学生にとっていいのかって、結局自分だったらこういう風に勉強したらうまくいったよっていう経験でしか判断できないところがある。もちろん、いろんな人がいるんだろうけれど。
 てことで、授業のいろいろな形式を自分なりに評価してみました。あくまでも個人の感想です。

一斉授業
当事者意識が薄れがちで、ちょっと自分の理解を超えた内容、もしくはあまりに易しすぎて退屈な内容、興味のない内容が長時間続くとスリープモードに突入する。
そのため、ランダムかつまんべんなく学生を指名し発問したりする必要があるが、それでも寝る人は寝る。
特に高校からは内容が高度かつ膨大なので、落伍者の発生はいなめない。義務教育じゃないからね。

グループディスカッション
文科省が押しているが、これは班活動をする学生の知的レベルのアベレージがある程度高くないと効果はかんばしくない。
そもそも「アクティブラーニング」とは、高等教育の大学生とか大学院生が行う形式であり、それを指摘されたのか、今では「主体的、対話的で深い学び」と名称(だけ)を変えたのだが、それでも高度なことに変わりはない。
学生に主体的にやらせましょうといっても、結局は主体的に言語活動が進むように教師が意図的に学生たちをコントロールする必要があるので、教師側にも高度な能力が求められる。
そして、それは本当に学生の主体的な活動と言えるのか?という疑問も残る。
ミシェル・フーコーや小浜逸郎が言うように、学校とは学生たちを支配し、抑圧し、管理するという刑務所と似た側面がどうしてもあるので、主体的な活動を学校でやらせるということに非常に矛盾を感じます。
そしていわゆる不良の学生の主体性(大人がやるなということをやる好奇心など)はバカにはできないが、決して評価はされない。

個別授業
いわゆる家庭教師みたいなやつ。先生とウマが合えば学習効果は高いと思う。対談形式だと学生は逃れられないからね。

板書&ノート
いわゆるスタンダードスタイルだが、昭和生まれの私はこの形式が一番好き。ベタとはいえ、現在に至るまでこの形式が生き残っているというのは、ある程度の効果が見られるからだろう。
そして、電子黒板やタブレットを授業に導入するのは一長一短というか、まあ便利な部分もあるのだろうけど、ぶっちゃけ個人的には懐疑的。
先生が書いた板書を写すのは、パッと見、受身的な感じがするかもわからないけど、まず自分のノートに写すために板書内容をよく観察する必要があるし(なので先生の誤字脱字がよく指摘されたりする)、その内容をうまくノートにまとめるのにもけっこう配置とかで頭を使うので、わりかし主体的な活動だと思うんだよね。
特に、初見の内容を学習する上では、これを凌ぐスタイルはないと思う。

パワーポイント
これもビジュアル的にわかりやすく、一度作っちゃえば教師も楽ができそうだが、学問に王道なし。パワポで物事を深く理解したり暗記できるはずがない。あれは発表ツールだから。
教師ではなく、学生(学者)が使うものなんじゃないか??もしくは企画課のサラリーマン。

穴埋めプリント
既習内容の確認にはうってつけだが、板書を写させる手間を省くために、ハナからこれを配ってやらせてしまうのは危険だと思う。
というのも、私がプリント授業でモノを理解したり覚えたりすることが出来たという記憶がないのだ。
どうしても学生の意識はカッコの中のワード(だけ)にいきがちで、そうなると知識は断片的にならざるを得ないし、前後関係のコンテキストも軽視される可能性が高い。
情報量が多いわりにそこまで重要性がない内容をパパパって済ませちゃう時とかはいいのかな。
でも、プリントってものの管理が苦手な子はすぐにバックナンバー紛失するんだよな。

計算プリント
有効。特に数字を易しくしたやつ。これを何度も反復させる。計算の仕方を理解するためにやらせるのだから、数字は最初は難しくなくていいのだ。

確認テスト
まあ、緊張感は出るよね。点数という、自分の実力が数値化される機能があるからなんだけど。
血糖値とかもスコア化されるとゲーム感覚で健康に気をつけるようになるらしいよ。

現物
これは強い。しかし金がかかる。
ここらへんが理科準備室がある学校の強さだよね。学習塾には水酸化ナトリウムとかなかなかないもんな。
実際にモノを見ちゃうと一発でわかることってある。眼球の中身はゼリー状になっているとか。
同じ暗記科目である社会科はその点でかなりのハンデキャップがある。本日のゲスト、聖徳太子さんです。とかできないじゃん。
ただ、物理の実験とかはけっこう事前に現象と理論の関連付けをさせないと、楽しいだけで終わってしまう。

視聴覚教材
わりと教える側にとっては楽ができるんだけど、やっぱり補助的なものだと思う。これなら東進ハイスクールのサテライト授業でいいしね。
あと、最近はユーチューブとかの動画でも予備校的な授業が配信されているんだけど、どうしても動画って一方的で、なんか飽きてきちゃうんだよね。生配信とかなら違うのかもわからないけど。インタラクティブ性において劣るよね。

 まとめるならば、どんな形式もいい面と悪い面があり、どれかをずっとやると単調な授業になり寝てしまう。ただ、初見の内容はゆっくり丁寧に解説してノートを取らせたほうがいいと思う。この段階を雑にすると、あとあと尾を引く。
 で、自分の書いたノートを読み返せばテキストよりもわかりやすい!みたいなのが最高だと思うんだ。
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