化学レジュメ②周期表

周期律
ドミトリ・メンデレーエフが1869年に発表。
当時発見されていた63種類の元素を重さの軽い順に並べると、元素の性質が周期的に変わることを発見。このルールをわかりやすく表にしたものが周期表である。


周期表の横の列。
1~18族まであり、左側は陽イオンになりやすく(電子がはずれやすい)、右側にいくにつれ陰イオンになりやすい(電子を引きつけやすい)。
一番右端の18族は希ガス(2ヘリウム、10ネオン、18アルゴンなど)。

周期
縦の段。
1~7周期まであり、下に行くにつれ、原子は大きく、重くなる。

価電子数
最外殻を回る電子数。
その電子殻の最大収容個数が入っている場合、もしくは8個で閉殻している場合は、価電子数は0となる。
価電子は化学反応に用いられ、イオンの価数などに関係する。

典型元素
1、2族と12~18族。
周期表の右に行くにつれ、一番外側の電子軌道に電子が一つずつ増加していく。
化学的性質も規則的に変化。
価電子数は、族番号一桁と同じ。16族の酸素なら価電子数は6。
ただし18族は希ガスなので価電子数は8ではなく0。

1族:電子を1個外して1価の陽イオンになる。
2族:電子を1個外して2価の陽イオンになる。
12族:価電子数は2なので、6個の電子を奪うよりも2個外した方が8個にしやすいため2価の陽イオンになる。
13族:同様に電子を3個外して3価の陽イオンになる。
14族:電子を4個外すか4個奪うか悩ましいところだが、共有結合をすることが多いためイオンにはほとんどならない。
15族:理論上は電子を3個奪って3価の陰イオンになる。が、イオンになることはほとんどない。
16族:電子を2個奪って2価の陰イオンになる。
17族:電子を1個奪って1価の陰イオンになる。
18族:希ガス。イオンにならない。みんなのあこがれ。

遷移元素
3~11族(第4周期から登場)。周期表の中央にあり、左端から右端へ移り変わるエリアにあるため、遷移元素と言う。
典型元素に比べて密度、融点が高く、堅いものが多い。
また、電子の増え方も典型元素に比べてトリッキーで、原子番号が増えても、一番外側の電子軌道ではなく、内側の電子軌道に電子が一つずつ入る(外側の電子殻のs軌道を先に埋めてから、内側のd軌道を埋めていくため)。
最外殻の電子数はほとんどの元素が2個で(クロムと銅が例外で1個)、最外殻電子数が一致していることから、遷移元素は同一周期の違う族でも共通した性質を持つ(時に隣同士のキャラ被りは激しい)。
具体的な性質を挙げると、金属(合金を作る)、堅い、電気を通すなど。また、イオンになると特有の色を示す。

クロムイオン(3価の陽イオン):緑
マンガンイオン(2価の陽イオン):淡い赤
鉄(Ⅱ)イオン(2価の陽イオン):淡い緑
鉄(Ⅲ)イオン(3価):黄褐色
ニッケルイオン(2価):緑
銅イオン(2価):青

フントの規則
同一の電子軌道は電子のスピンの向きを全てそろえようとする規則。
例えば、クロムは4s軌道にスピンの向きが違う電子を2個入れるよりも、3d軌道に電子を1個送って、電子の向きをそろえた方が安定するため、最外殻電子数が1となる。

つまり・・・
クロムの電子配置は、遷移元素のパターン(最外殻電子数は2個)的には、3d軌道に4個(スピン向きは↑、↑、↑、↑)、4s軌道に2個(↑↓)のはずだが、3d軌道に5個(↑、↑、↑、↑、↑)、4s軌道に1個(↑)となる。
銅の電子配置は、3d軌道に9個(↑↓、↑↓、↑↓、↑↓、↑)、4s軌道に2個(↑↓)のはずだが、3d軌道に10個(↑↓、↑↓、↑↓、↑↓、↑↓)、4s軌道に1個(↑)となる。
※矢印は電子のスピンの向きを表す。

ただし量子力学とかが出てくる前に発表された、あくまでも経験則なので成り立たない例もある。

イオン化エネルギー
原子を陽イオンにする(原子核から電子を引き離す)ために必要なエネルギー。
各周期では18族の希ガスがもっとも高い=イオンにしにくい。
イオン化エネルギーが低い原子(周期表の左端のエリア)は逆に、電子が外れやすいため、1価の陽イオンになりやすい。
また、原子のサイズが大きくなればなるほど、イオン化エネルギーは小さくなる(原子核から電子が遠のくため)。

電気親和力
原子が電子を受けとって陰イオンになるときに放出するエネルギーで、原子が電子を引きつける力に比例することから、その原子の陰イオンへのなりやすさを示す。
最も電子親和力が高いのは、電子がひとつ足らず、おしくも希ガスになれない17族。
逆に低いのは、1、2族。そして18族の希ガス。
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