『ラストパーティ』脚本㉝

クレイモアー機内。
シートでは戦士がしばしの休息をとって眠っている。
ヴィンツァー「ヨシヒコさんの奥方様はどんな女性なんですか?」
ヨシヒコ「明るくて天真爛漫・・・ロマンチストでもあったな・・・僕にはないものを持っていた・・・」
ヴィンツァー卿は、結婚を考えたことは・・・?」
ヴィンツァー「・・・いえ・・・いろいろタイミングが合わなくて・・・
やっぱり、結婚っていいものですか?幸せで平穏な生活が待ってるんだろうなあ・・・」
ヨシヒコ「ははは・・・結婚してハッピーエンドだと?」
ヴィンツァー「そうじゃないんですか?」
ヨシヒコ「とんでもない。息つく間のない冒険の始まりですよ。
実は・・・僕ら夫婦は恋愛結婚でして・・・高校時代に妻の方から告白をされましてね・・・
僕みたいなつまらない人間のどこを気に入ったんだか・・・
なんにせよ、お付き合いを始めたら、実家に毎晩脅迫電話がかかってくるようになりました。
妻の父親がどこぞの魔王よりも恐ろしい独裁者でね・・・
お前がうちの桃乃と手を握ったら5指を切断するし、キスをしたら舌を抜く、一夜を共にしたとでも言ったら・・・この世の地獄を見せてやると脅されてね・・・」
ヴィンツァー「・・・で、その魔王は討伐したんですか?」
ヨシヒコ「僕の世界では、そんな簡単に人を殺しちゃダメなんですよ。」
ヴィンツァー「そんな恐ろしい魔王でも殺さないんですか?なんて平和な世界なんだ・・・」
ヨシヒコ「とんでもない。
魔王は、討伐するよりも和解するほうがずっと難しい・・・」
ヴィンツァー「確かに・・・で、魔王とは和解は出来たんですか?」
ヨシヒコ「いや・・・父親にうんざりした妻が駆け落ちしようと言い出しましてね・・・
勝手に籍を入れてしまったんです・・・
でもすぐに捕まり、大学卒業後は義理の父が経営する会社に強制的に就職させられました・・・
僕はもともと東大の大学院で理論物理をやりたかったんですけどね・・・」
ヴィンツァー「なんと・・・でも、愛する奥様といっしょなら乗り越えられるか・・・」
ヨシヒコ「愛する妻ともたくさん戦いましたよ・・・」
ヴィンツァー「・・・え?」
ヨシヒコ「僕らに子どもができると、妻は女から母になって・・・
育児方針の違いで何度もぶつかった・・・
ぼくは妻の自由奔放な子育ては無責任だと思ったし、妻はぼくの厳しいしつけは子どもを苦しめてしまうと考えた・・・」
ヴィンツァー「・・・どちらもお子さんを愛しているがゆえの、そんな悲しい戦いがあるなんて・・・」
ヨシヒコ「第3ラウンドは、子どもたちとの戦いです。長女のイチカはませていて・・・
父親である私を退屈な男だと度々なじってくるし・・・次女フタバは明るく優しいけれどトラブルメーカー・・・長男ミナギはまだハイハイもおぼつかない・・・」
ヴィンツァー「て・・・敵ばかりじゃないですか・・・」
ヨシヒコ「でもね・・・それが家族という名のパーティなんですよ・・・
あなたがたくさんの冒険で多くの経験値を積んだように・・・
ぼくも父や妻、子どもたちから多くのことを学んだ・・・きっとこれからも私はレベルアップする・・・
平穏な道ではなかったけど・・・僕は幸せなんです。」
ヴィンツァー「・・・家族か・・・」

分厚い雲の中を飛ぶクレイモアー。
ルナ「機内放送です。皆さん前方をご覧下さい。
地獄の裂け目にそびえ立つ・・・あの尖塔こそが・・・魔王の居城・・・ハデス城です・・・」
大地溝帯はマグマが吹き出しており、闇夜をほんのり赤く照らしている。
溶岩でできたハデス城は、そのマグマを突き破るようにそびえ立っている。
ヴィンツァー「昔のままだ・・・夏は暑いだろうに・・・」



ハデス城内
兵士「魔王様!領内上空に突如巨大な鉄のドラゴンが現れました!!」
ハデス「なんだと!?もう攻めてきたのか!
というか、空から来たのか・・・!
海岸線にズラリと並べたサイコゴーレムDXの意味よ・・・!」
イヤハート「鉄のドラゴンですって・・・!?」
そう言うと、窓を開けてバルコニーへ行くイヤハート。
兵士「レディ、危険です・・・!!」
望遠鏡を手に取り、上空の飛行物体を見つめるイヤハート。
「・・・!あれはメガサターンの宇宙船・・・!?」
大神官「ご安心ください魔王様。まずはお手並み拝見と行きましょう・・・」



ハデス領パーガトリーの領空
旋回するクレイモア―
ルナ「参ったな・・・溶岩だらけで着陸場所が見つからない・・・」
窓の外を指さすシルビア「なんか飛んでくるわ・・・!」
すると、ハデス城から数えきれない数の翼を生やしたガーゴイル兵が、こちらに向かってくる。



バルコニー
ヘルメットをかぶり、仲間から機関銃を受け取り、次々に飛びたっていくガーゴイルたち。
大神官「レッドアリ―マー空挺部隊出撃!!」



クレイモア―に機関銃を撃ってくるガーゴイル。
コックピットにアラート音が響く。
ルナ「いけない!ちょっと傾きますよ!!」
その銃弾を旋回してかわすルナ。
シルビア「なんでモンスターがあんな近代銃器を持ってんのよ・・・!」
ゼリーマン「・・・モンスターがコマキと戦った際に連中の武器をくすねて、自分たちでも作れるようにしたんだ。」
シルビア「なんでそんなこと知ってるのよ。」
ゼリーマン「オレが横流ししていたからだ。」
ゼリーマンの首をしめるシルビア。
ルナ「泉さん、どうしますか!?戦うか、撤退か、ご判断を!」
ゼリーマン「ガーゴイルのやつらは幼稚園が一緒だった・・・このオレが説き伏せてやろう・・・」

クレイモア―のカーゴハッチが開く。
数千もの銃口がゼリーマンを向く。
ゼリーマン「この街も変わっちゃいねえな・・・オレだよ、オレ・・・ゼリーマンだよ!」
ガーゴイル「撃ち方やめ!あ、本当だ!ゼリーマンだ!
お前、伝説のドラゴンライダーになったのか?」
ゼリーマン「まあな。ちょっくらお前んとこのハデスに会いたくてよ・・・通してくれよ。」
ガーゴイル「いや、今はダメだ。城内が取り込んでてな。戦争が終わったらまた来てくれ。」
白旗を振るヴィンツァー
「その戦争を終わらせにスナイデル・ヴィンツァーが来たと伝えてくれ・・・!」
ガーゴイル「うわ、すげえ!お前、伝説の勇者と本当にマブダチだったのかよ!
てっきりいつもの大ぼら吹きかと・・・」
ヴィンツァーと肩を組むゼリーマン「これでどうだ?」
無理やり笑顔になるヴィンツァー。
ガーゴイル「・・・わかった!魔王様につないでみる・・・そこで待機していてくれ・・・!」
引き返す、知り合いのガーゴイル。
ヴィンツァー「・・・きみの度胸には参るよ・・・」



バルコニーに降りてくるガーゴイル。
ガーゴイル「大神官様、鉄のドラゴンは敵襲ではありませんでした・・・!
魔王様の旧友、勇者ヴィンツァー殿が謁見を所望しております・・・!」
大神官「用件は?」
ガーゴイル「この戦争を終わらせる策があるとのこと・・・!魔王様につなぎます・・・」
その瞬間、巨大な鳥の脚がガーゴイルを踏み潰す。
大神官「・・・終わらせてどうする・・・
伝説の勇者か・・・お前の最初のエサにはちょうどいいだろう?行け。皆殺しだ。」
バルコニーを飛び立つ究極キマイラ。



上空を待機するクレイモア―。
周囲はガーゴイルたちが機関銃を構えて羽ばたいている。

コックピット
草薙「・・・ずいぶん遅くないか?」
ローランド「もしかして、かつがれたか。」
シルビア「あのゼリー・・・」
ヨシヒコ「いや、ここにきて寝返らないだろ・・・」
ルナ「・・・・・・。」

その時、レーザー状の放射熱線がクレイモア―の方へ飛んでくる。
ルナ「しまった!!」
コックピットのアラートが鳴ると同時に操縦桿をつかみ回避行動をとるが、ギリギリかわし切れず、ジェットエンジンが一基破壊される。
警報が鳴り、真っ赤に染まるコックピット。
すかさず、巨大な飛行生物が戦闘機のような速度で接近してくる。
ルナ「敵機です!つかまって!!」

究極キマイラは翼を折りたたみ、一気に飛行速度を上げて音速の壁を突き破り、その衝撃波でガーゴイルたちを一瞬で殺してしまう。
そのままクレイモア―に襲い掛かる究極キマイラ。

ルナ「うそでしょ!ステルス戦闘機じゃない!!??動物だなんて・・・!!」
コックピットに駆けてくるゼリーマン「おい!いったい何が起きた!??」
シルビア「このバカ!まんまと一杯食わされているじゃない!」
ゼリーマン「こっちだって幼稚園のお友だち根こそぎ殺されてんだ!!」
ヴィンツァー「あんなモンスターは見たことがない!ヨシヒコさん・・・!」
ヨシヒコ「あいつとドッグファイトはできるか?」
ルナ「任せといて。
ただし、みなさんの体はGに耐えられない・・・ここで投下します。」
一同「・・・え?」
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