バグズ・ライフ

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」

 さあ弱い立場はどっちだ?アリはお前たちなんかいらない。お前がアリを必要なんだ。

 『ダイナソー』でも書きましたが、『ゴルゴ13』や『ドラゴンボール』のような漫画がダメな「アンチ一騎当千漫画」の私にとって、弱い立場の人々がみんなで結束して、一騎当千の強さを持つ敵を追い払うこの手の物語は感涙もの。
 確かに民主主義には問題点は多いんです。世論(=多数派)が必ずしも最善の方法を考えたり決定するとは限らない。むしろ少数の頭のいい人のクリティカルな意見に影響され流されてしまう可能性があることは、この前dario氏との対談でも論じました。

 しかし民主主義はファシズムよりはまだましであることは確かです。今年、終戦ドラマを手掛けた倉本聰さんが「今の日本人は自分たちがおかしくなっていることに無自覚で気付いていない」と嘆いていましたが、それを言うなら戦中の全体主義だって一種の洗脳でひどいだろってはなしで、英霊をたたえる風習まで否定することになっちゃうんじゃないか、と。
 そういった現象(世論の無秩序かつ無意識的な形成)は今に始まったことじゃない。だから今の日本人の問題点は戦時中の問題点でもあったはず。よって「昔の日本人は良かった」は成り立たない。だいたい昔は美化されるんだよ。すぎちゃったんだから。

 この映画の非常によくできた点は、悪役のバッタ「ホッパー」は「アリ(民主主義)の恐ろしさ」を知っているという点。このことでホッパーがただのアニメの悪役ではなく、非常にリアルな指導者として描かれていることが分かります。

「ちんけな一匹を放っておけば、いつか奴らみんなが楯突くようになるんだ。そのチンケなアリの方が俺たちバッタよりも100倍も多いんだ。奴らがそれに気付けば、こんな生活ももうできなくなるんだぞ!問題は食いものじゃない。アリに誰がボスなのかを教えるためにわざわざ戻るんだ!」
 
 ホッパーは賢い。リアルに賢い。長期的なストラテジーを持ってアリを支配している。またラストの戦いでもアリの女王陛下を殺そうとする。リーダーをつぶせば大衆は屈服するという、侵略と支配の鉄則を知っているのです。
 
 そんな剛腕ホッパーが、あんな可愛い小鳥のひなに・・・られちゃうのが、めちゃめちゃシュールで大爆笑!やはり自然界のヒエラルキーは絶対なのね。
 ただあの蛾と結婚しているカマキリのじいさんは普通に考えてあの映画の昆虫では最強だぞ。バッタ如きにしばかれてたけど・・・
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