モンスターズ・インク

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」

 お前の持っているヤツを入れれば完成だよ。

 この前見た『ヒックとドラゴン』。ナイトフューリードラゴンの「トゥース」が「ネコみたくて可愛い」とか言われていますが、私はああいうあざとい可愛さの奴が嫌いで(「イルカは友達じゃねえ!ぶりっ子しやがって!」という『ファインディング・ニモ』のサメと同じ心境)、どっちかというと、他のドラゴンのデザインがカートゥーンっぽくて好きで、それがけっこうこの『モンスターズ・インク』のお化け(※ちびっ子がデザインしたという脇役のお化けです)のデザインと通じるものがあるなと思いました。

 カートゥーン調のお化けと言えば、この映画って珍しくオープニングが手描きアニメで、「え?これ本当にピクサーの『モンスターズ・インク』?違うの借りてきた?」って思いました。この手描きのモンスターがまさにカートゥーンで、このオープニングはピクサーで一番好きです。

 この作品、実は私公開時からずいぶん時間が経ってからDVDで観たんです。なぜかこの作品はCMで「お涙ちょうだい」のあざとい香りがして感動系嫌いな私はスルーしていました。
 その後大学の『ファインディング・ニモ』を一緒に観に行った友だちが「モンスターズ・インクいいよ。見た方がいいよ」と推薦するので、けっこう大人しい系の彼女がそんなに推すとは相当面白いのか?と観てみたら、予想外のアダルティな産業サスペンスでした。あの人がまさかの黒幕!?
 私こういうの大好き。ありがとう!この映画の完成度はやばい。

 この経験でピクサーは感動だけで終わらないということを学び、感動系CMを流す『カールじいさん』や『トイ・ストーリー3』も観に行くようになりました。
 そもそも日本のピクサーのCMをつくるマーケティング担当プロデューサー曰く、アメリカのCMはコミカルなところを前面に出した方が受けるが、日本は笑いよりも感動を強調した方が効果があるらしいのです。なんなんだろうね、日本人って。わけわかんねえ。そんなに感動したいのか。

 まあ『モンスターズ・インク』は感動作っちゃ感動作だけど、私が好きなのはそこじゃなくて、モンスターが人間の子どもを驚かせてその悲鳴をエネルギーにして、それをモンスターの街のエネルギー資源にしているというその発想!こういうアイディア私もよく考えるから大好き!いかついモンスターたちが勇敢にちびっこの部屋に挑むシーンは大爆笑。
 ワニのような恐竜のような爬虫類系のお化けが、子ども部屋から泣いて帰ってきて「どうしたの?(声がバカっぽいw)」「子どもが寄ってきた、こんな近くまで」「怖がらないの?6歳なのに?」って相方のセリフで笑わない人はおかしい。
 このアイディアは、小さい頃から子どもは部屋で一人で寝るという欧米の文化から生まれたものですよね。だからテディ・ベアとかと添い寝する子がいっぱいいる。

 ・・・でまあ案の定、作中で「モンスターズ・インク」のCMやるんだよね。世界観の設定を観客に解り易く伝える武器として作中作(ここではテレビCM)って非常に役に立つ。例えば『スターシップ・トゥルーパーズ』ではプロパガンダ的ニュース番組だったし、『ジュラシック・パーク』ではアトラクションのアニメ映画だった。私もよくこの手法は使わせてもらってます。
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