暴走温室効果について

 知られざる強大な温室効果ガス「水蒸気」。これをふまえると「人為的に地球を温暖化なんて本当にできるの?」って感じですけど、この水蒸気、なかなかの曲者で、敵か味方か分からないんです。
 水蒸気はとにかく赤外線をめちゃくちゃ吸収するので、これが増えると、当然気温は上昇します。すると水がより蒸発し、たくさん水蒸気が出来ます。
 ここまでは分かりやすいと思うんですけど、ここから二通りのシナリオが考えられます。
 
 ひとつめが「正のフィードバック」で、水蒸気が増えてさらに地球の気温を上げて、それによって、よりたくさんの水が水蒸気になって、その水蒸気がさらに地球の気温を上げて・・・とえんえん繰り返され、最終的に地球の海が全部干上がって気体になっちゃうという、すごく恐るべきシナリオです。
 この状態を「暴走温室効果」といい、金星などで起きたと考えられています。
 
 ふたつめは「負のフィードバック」で、中学校で習うように、増えた水蒸気がふわふわと上空にのぼっていって、気温が下がり再び水に戻って雲を作る、というシナリオです。
 雲がたくさんできるということは、太陽からやってくる短波放射を地上に到達する前に、たくさんはね返してしまう(雲は白い上、雲を作る水滴は、太陽の短波放射をほとんど吸収しない)ので、地球の地面からの赤外放射の量が減り、その放射によって熱を吸収する大気の温度も下がるというわけです。
 
 おっかない響きの暴走温室効果ですが、つまりは水蒸気が雲になっちゃえば起きないってことなんですかね?
 頑張れ!地球の雲!!でも頑張り過ぎると今度は氷河期みたいに寒冷化になるのか・・・う~ん、ほどほどに頑張れ!
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