『80日間宇宙一周 CRIMSON WING』脚本④

カッシーニ郊外、フェーベ
ハイペリオン教会
廃墟のような寂れたゴシック様式の大聖堂。
スカーレット「あそこに着陸して」
ライト「ガイドブックの教会やんか・・・」

リンドバーグ号を着陸させるライト。
ライト「ついたで。運賃は800ドルになります。」
「あら楽しい冗談ね」
「じゃオレは帰るから・・・」
スカーレット「いいえ、次はお待ちかねの注射の時間。」
ライトに針を突き刺すスカーレット
ライト「ニャ!?」
眠ってしまうライト。



知らない場所で目を覚ますライト
気づくとテーブルの席に着いている。
テーブルの奥に誰かが座っている。
?「ようこそライト・ケレリトゥス・・・」
ライト「なんでオレの名を知っとるんや」
?「キミは我々の世界ではちょっとした有名人だからね・・・」
「・・・?あんた誰や?」



首都カッシーニ
クレーンでビルに刺さったイエーガー号を引き抜く作業員。
地上で作業を見上げるヴィン「衝撃テストにはなったよな」
ヴィンのもとにかけてくるヘルメットをかぶったエド「社長を襲ったのはおそらく彼女でしょう」
写真を差し出す「コードネーム:スカーレット。緋色の旅団の腕利きの殺し屋です。」
ミグ「間違いない、この女だ・・・てことは緋色の旅団が復讐のためにライトを・・・」
ヴィン「この子、どっかのキャバクラで見た気がするんだよなあ・・・」
ミグ「・・・心当たりが?」
ヴィン「う~んありすぎてわからない・・・」
エド「また女性をてひどくふったんじゃないんですか?」
ヴィン「バッカ、オレはいつだって真剣だよ!」
首を振るミグ「ライトの言ったとおりの人なのかもしれない・・・」
エド「とりあえずスカーレットは警察に手配させました。あとは彼らに任せましょう。
明日は大事な航空ショーがある・・・
ミラージュの戦闘証明をしなければ、我が社の航空部門は大赤字です。」
ヴィン「そうだな」
ミグ「ちょっと待ってください、ライトを助けないんですか?」
ヴィン「助けるって言ったって相手は殺し屋だよ?
誘拐事件ならきっと向こうから連絡してくるだろうし。いや、もちろん身代金は出すよ?友のためだ、当たり前だ。エドいくらまでなら出せる?」
エド「とりあえずウチのネゴシエイターに身代金の額は限界まで引き下げさせますが・・・
我が社に関係のない身元不明の外国人旅行者ですし8000ドルが妥当かと・・・」
ヴィン「あいつの命はもうちょい高いだろ。8200ドルくらいは出してやれない?」
手帳にメモをするエド「8200・・・」
ため息をつくミグ「・・・・・・。」
ミグ「行きましょう。いい加減このドレスを脱ぎたいんです。やっぱり今の私には似合わないや。」



ハイペリオン教会の秘密基地
ライト「あんた何もんや?」
テーブルの奥の男「私はニコライ・ベルゲルミル・・・緋色の旅団の最高幹部だ」
ライト「緋色の旅団って・・・」
ニコライ「その通り、キミに計画を邪魔された悪の秘密結社だよ・・・!」
「なんやと・・・!お前があいつらのボスか!」
「海王星では確かにキミたちが勝ったが、あれは悲劇のほんの序章に過ぎない・・・!」
「まだなんか企んどるのか!」
「ふははライトよ、命が惜しかったら我々に協力するのだ~~!!」
幹部の部屋に小さい子供が入ってくる
ちびっこ「じいじ、お腹減った」
ニコライ「・・・貴様にはプロメテウスの火を消す・・・」
子供がニコライの服を引っ張る
ニコライ「ちょっと今じいじ大事な話をしてるから・・・」
ちびっこ「ごはん」
ニコライ「わかった。もう少ししたらわしがボルシチを作ってやるから待ちなさい・・・」
スカーレット「あ、首領すいません!・・・ほらご飯もうすぐできるからおいで」
子供を抱きかかえ隣の部屋に連れて行くスカーレット
ニコライ「・・・でなんの話だっけ」
ライト「プロメテ・・・がなんたらまでや」
ニコライ「そう・・・キミにはミラージュを破壊してもらいたい。」
ライト「ミラージュ?なんやそれ」
ニコライ「プロメテウスが灯す永遠の業火だ。まあ詳しくは食事をしながら話すことにしよう」

質素な食事を持ってくるシスター姿のスカーレット
「すいませんレイセオンの暗殺はしくじりました・・・
あの男プロの軍人を護衛につけていて・・・女性だったので油断しました。」
ニコライ「お前がしくじるとは珍しいな。向こうには相当の腕利きがいるようだ」
ライト「あれ?こんどはシスターのコスプレか?」
水を注ぐスカーレット「これは本業、どうぞ召し上がれ」
ライト「・・・・・・。」
ニコライ「毒など入っておらんよ。ほら食べてみたまえ・・・」
食事を口に入れるニコライ
ニコライ「うっ!ぐ、苦しい・・・!」
ライト「おい!」
ニコライ「な~んてな・・・はっはっは・・・」
「それがギャグになる歳ちゃうでじいさん・・・」

食事をほおばるライト「・・・つまり、そのミラージュちゅう戦闘機が軍に導入されるとあんたらテロリストは永久に土星の社会を転覆できないってことやな」
ニコライ「その通りだ」
ライト「・・・もう諦めたらどうや?」
「わしの心臓が止まるまでわしは絶対に諦めん・・・!」
「じゃあもう2、3年ってところやな」
スカーレット「あなたはなんてことを言うの!」
立ち上がるニコライ「今何とかせねばならんのだよ・・・きたまえ」

地下墓地カタコンベの通路を歩くスカーレットとニコライとライト
先頭のスカーレットがランタンをかざしている。
カタコンベには貧しい人や病んだ人、身寄りのない子供たちが暮らしていて、まるでドヤ街のようになっている。
貧民街の住人「ニコライ師・・・」
ニコライ「そのままでよい・・・」
ライト「なんやおたくら下水道に住んどんのか?」
スカーレット「こんなところ好きで住んでるわけ無いでしょ・・・」
ニコライ「カタコンベだよ・・・科学大革命で殺されたたくさんの人間を弔ってきた・・・」
ライト「ああ、あれは大変やったようやな」
ニコライ「犠牲になるのはいつも弱い者たちだ・・・革命で殺された人間は4300万人にものぼる」

母親「ニコライ様・・・先日は私の子の病気を診ていただきありがとうございました!
おかげで命を取り留めることができました・・・」
子供を撫でるニコライ「うむ処方した薬を飲めばきっと良くなるだろう」
皺くちゃなお札を差し出す母親「これ僅かですが・・・」
ニコライ「そのお金でこの子に栄養のつくものを食べさせてあげなさい・・・」
ライト「あんた医者なのか」
ニコライ「免許は剥奪されたがね・・・ラ・メトリーとやらの登場でわしらはお払い箱だ」
どう考えても衛生状態がいいとは言えない貧民街を見渡すライト
「ここにその機械があればいいのにな」
ニコライ「実際にあれで救われるのはごく一部の金持ちだけだ・・・」

ニコライ「・・・こっちだライトくん」

階段を下りとある部屋に入るニコライとライト。
部屋では電子機材を使って通信士が電話や無線通信を傍受している。
録音を再生するニコライ「この通信記録を聞きたまえ。
プロメテウス社が裏で死の商人サーペンタリウスとつながっている証拠だ。」

「ミラージュが一度に500機発注されました」
「どこから?」
「わかりません。暗号化された非公式な回線を使っています・・・」
「死の商人かなんかが一度に購入してブラックマーケットに下ろすのかな」
「おそらくは」
「まあいいや、どうせ在庫になりそうだし2割引で全部売りつけちゃえ。1000機買うと100機タダとか言ってさ」


ライト「あのバカ・・・」
ニコライ「サーペンタリウスは新型戦闘機を1000機も維持できるような組織じゃない。
連中はハナから短期の転売が目的で入札したに違いない」
ライト「ということは買った連中はミラージュが値上がりすることを前提にしているってことか?」
ニコライ「連中には確信があるのだ。
この兵器をいずれ宇宙中の軍隊やテロリストが欲しがることを・・・」
ライト「それはいつやねん・・・」
ニコライ「戦闘証明をする格好の舞台があるではないか。明日の航空ショーでの実地飛行だ」
ライト「航空ショー?」
ニコライ「お前にはそのプレゼンテーションの最中にミラージュを撃墜してもらいたい。
そうなればミラージュは値崩れ、プロメテウスとサーペンタリウスの計画は灰になる・・・」
ライト「それは無理やな~」
ニコライ「いいからやれって」
ライト「だって俺の船、戦闘機やないもん」
ニコライ「ノーチラス号を撃墜してそれは通らんぞ。武器だらけに改造されているじゃないか・・・」
ライト「ロジャーのやつ・・・」
ニコライ「やってくれるな。」
ライト「いやだから無理やて。あんたなんか勘違いしてるようやけどノーチラス号を落としたのはバカでかいワニらしいで」
ニコライ「そんなワニはこの世にいない!
お前は冥王星に戦艦が墜落するのを防ぎ、海王星で我々のクーデターを阻止し、天王星のアイドルの命を救い星間戦争を食い止めた・・・お前にできないことはない」
ライト「それ全部うちの相棒がやったんやけどな・・・」
スカーレット「・・・本当にできないの?あなた宇宙一の発明家なんでしょう?」
ライト「そうや、オレは自分が楽しいから発明をするんや。
国家のためとか社会のためとか正義とか・・・
そんなきな臭いことに巻き込まれるのはもうゴメンやな・・・」
スカーレット「・・・無責任ね・・・」
ライト「・・・ああ、確かに君の言うとおりかもしれんな・・・
・・・ほなら、ひとつ聞いていいか?
なんであんたらはそこまであの会社を目の敵にするんや・・・?」
ニコライとスカーレット「・・・・・・。」
スカーレット「・・・地上に出ましょう」
ライト「え?」
スカーレット「プロメテウス社がやっていることを教えてあげる」
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