『80日間宇宙一周 From Earth with Love』脚本⑮

コード601を発令!!
「各惑星から最高の科学者を集めろ!!
宇宙学者、核物理学者、量子物理学者、天体物理学者・・・!」

各惑星の住人が巨大な輸送船に乗って地球へ運ばれていく

火星の前線基地
作戦室のモニターを見上げる男たち。
机では計算尺を使ってデニスが衝撃波の被害が最も少ない場所を算出している。
ピカール「エヴァンジェリスタ先生の計算では地球が最も安全であることが確認されました。」
オペレーター「ノア計画は28%進行中・・・」
青ヒゲ「この日のために方舟を集めておいてよかったわ・・・
あなたの基金のおかげよレイちゃん」
メガネがずれてキスマークだらけのヴィン「もうなんでもいいっス・・・」
ピカール「TIAもあなたがサーペンタリウスの最後の幹部だったとは気づかなかったようですね」
青ヒゲ「オカマですから」

センチネルに振り返るナッシュ「なんだかんだいって太陽系の全人口70億人くらいお前の星に入るじゃねえか」
センチネル「私は来期は落選だ・・・」
デニス「まだ選挙のこと考えてるわよ?」
装備を調整するバーニー「幸せなやつ。あんたの旦那と子供は何番だった?」
デニス「14091番かな・・・まさか人生で地球に行けるなんて思ってなかったもん」
バーニー「しかもタダでな。あんた歴史に名を残すぜ。偉大な大統領として。」
ため息をつくセンチネル
センチネルの肩に手を乗せるヴィン「今度うちが応援するよ・・・」

・

冥王星
衝撃波を相殺しようとすべての軍事基地が迎撃態勢に入る
ハデス城
バルコニーで兵士に演説をするハデス。
ハデス天皇「我々は古くから太陽系の盾として侵略者を迎え撃った。
そして今ついに史上最大の敵が太陽系を滅ぼそうと接近している。
冥王軍のプライドにかけてこれに打ち勝たねばならない!
私とともに戦う者はいるか!?」
大歓声
執事「陛下・・・わたしく生まれて初めてあなたを尊敬しました」
ハデス「一度これやってみたかったんだ~」
執事(やっぱバカだ)

クレーターバレー訓練基地
ヘルメットをかぶる大佐「貴様は訓練教官だろ。」
キャロット軍曹「俺も戦わせてください!
いつも威張っている奴が真っ先に戦わなければ新兵にしめしがつきません!」
大佐「勝手にしろ・・・!」
どさくさに紛れて逃げようとするハーシェル隊長
大佐「お前は待て!」
ハーシェル「え」

・

海王星
王族が海賊船に乗り込んでいる。
ナイアド元女王の手を取って船に乗せるアラゴ国王「母上、船にお乗りください」
ルヴェリエ「兄さん・・・」
アラゴ「お前も早く乗れ。引越しだ」
ルヴェリエ「兄さんは?」
アラゴ「冥王星が命捨ててしんがりつとめてんだ。
国王のオレが逃げるわけいかねえだろ。
お前にだけにかっこいい真似させてたまるか。今度はオレにやらせろ。」
ロジャー「全員乗り込みました」
アラゴ「よし、お前も民とともにできるだけ遠くへ逃げろ。
オレは近衛隊とともに冥王星に加勢しに行く。」
ロジャー「私もお供します」
アラゴ「お前がいなくて誰が宇宙海賊をまとめるんだよ」
ロジャーが海賊船の方を振り返る。
海賊たちに指示を出すルヴェリエ
ロジャー「彼です・・・」
アラゴ「あいつめ」
ロジャー「私も近衛隊の騎士・・・戦わせてください」
エガリテ将軍がコンパスを差し出す「戻ったか戦友・・・」
ロジャー「またお前と戦えるとはな」

・

天王星
惑星連合放送のテレビ局
ディレクター「ジュリエッタ・・・プロデューサーが番組内容を変えろと・・・」
ジュリエッタ「いいえ、私のチャンネルだけはいつものように歌っていつものように踊るだけ。」
ディレクター「太陽系が消滅するかもしれないんだぞ!?」
ジュリエッタ「だからこそいつもの日常を望んでいる人がいる・・・そうよね相棒?」
アリエル「はい!」

ジュリエッタ&アリエル「♪右側を走る自転車~左をきちんと走らない~」

定年退職したゲオルグ警部が自宅のリビングでジュリエッタの番組を見ている
「ふん、相変わらずバカみてえな歌うたってやがる・・・」
ガーデニングしている奥さん「ねえお父さん見て、空があんなに明るいわよ・・・」
庭に出て空を見上げる老夫婦。
ゲオルグ「こういう老後も悪くねえな・・・」

・

土星
ハイペリオン教会
大勢の民衆が大聖堂に集まって祈りを捧げている。
シスターのサーシャが星に残る貧しく弱い人々に説教をする。
サーシャ「終わりは誰にでも来るのです。ひとは一人で生まれ一人で死ぬ孤独な存在です。
しかし・・・私たちはその孤独から解放されるのです。
終わりは新たな世界の始まりなのですから・・・」

・

木星
エウロパ大学
学生や職員が宇宙船に避難している。
事務員「先生!早くしてください!論文ならいつでも読めるでしょう!」
研究室で紅茶を飲みながら論文に目を通すマーガレット
「うるさいわね・・・急かされるの嫌なのよ・・・」
紅茶を飲み干して、キャビネットの方に歩き、この前撮影した写真立てを手に取るマーガレット
事務員「先生・・・お願いしますよ!!」
写真立てを事務員が持つダンボールの中に入れるマーガレット
マーガレット「うちの人は?」
事務員「現在行方不明です・・・!」
マーガレット「ま、あの人ならだいじょぶか。行きましょう」
写真にはライトとマーガレット、クリス・・・そしてミグが写っている。

・
・
・
・

火星。
航空機の格納バンカーにライトアロー号が格納されている。
ライトアロー号を最終調整するライト。
機体にはノーチラス号のメイルシュトローム砲が取り付けられている。
ライト「ミグ・・・ええか・・・?」
ミグ「うん・・・」
首にかけているネックレスを外すミグ。
リアクターに“希望の海”をセットするライト。
ライト「すぐに返してやるから」

作業台にはサーペンタリウスの黒幕・・・スタータブレットのミスターアップルが置かれている。
アップル「・・・どうも理解できません。光速を超えるということは時間の文脈――すなわち因果律すら超えてしまうということです。
仮にこの太陽系を救えたとしても、救いたかった大切な人たちがどうなったか知ることができないんですよ。そんな行動に何の意味があるんですか?」
作業しながらライトが答える「いいか、オレたちには自分たちの結末を選ぶ自由がある。
最後までお前の言いなりになってたまるかい」
アップル「ああなんて、かわいそうな人類!
・・・たった80年程度しか生きられないのに・・・自ら自滅するなんて・・・」
ライト「あんたも災難やな。たった137億年しか生きてへん。未来は果てしないんや」
ピコピコしているミスターアップル

・

滑走路
ライトアロー号の周りにはライトとミグを見送りに多くの人が集まっている。
ルナ・マイヤース「あなたとのレースの決着はお預けらしいわね」
ライト「続きはまた今度な」
イワン「いよいよだなライト・・・」
イワンと握手するライト「あなたはオレの中では今もヒーローや。
いままでも、そしてこれからもな。」
イワン「光・・・超えろよ。ヴェルヌもそう願っている・・・」
ライト「わかった・・・」
ミグ「ライト・・・」
ライト「ああ・・・行こう!!」

ライトアロー号に乗り込む二人。
コックピットから手を振る二人
エンジンを作動させ滑走路を離陸していく。
観衆の声援
空を見上げるミュウ「行ってしまったわね・・・」
イワン「ああ・・・」
コインを取り出すイワン。トスしようとするが、やめてコインを握り締める。
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