『80日間宇宙一周 From Earth with Love』制作裏話

 いや~終わった。
 終わってしまった・・・長い宇宙旅行が・・・ゴールデンのウィークにw
 なんかもう感無量なんで、とりあえず今まで頑張ってくれたキャラ達にコメント書いて終わりにします。金八先生の卒業式みたくていいでしょう?w

ミグ
 この人って、気丈なように見えてすっごい人間的に脆いというか・・・やってることマッチョな軍人なのに、なぜか強い人間に見えないんだよね。
 なんか昔の恋人出てきてさ、けっこうすぐにその気になっちゃうじゃんwあれって浮気性とかじゃなくて、逆に義理堅いんだと思う。受けた恩は絶対に忘れないって。
 人の善意を確信しているようなところがあって、そういうところ好きだった。お人好しなんだ。
 それにミグって背が高くてスタイリッシュだから、ライトよりはやっぱりイワンの方がお似合いというかカップルとしては映えるよね。ミグってライトよりも背が高いし。
 もともとライトとミグは正反対のキャラとして作ったから相性いいわけないんだよwでも結婚相手って面白いものらしくてさ。「え~あの人と結婚したの?」ってことよくあるんだって。
 それと今回のミグって今までとちょっとキャラを変えたんだ。今までもちょっとずつ変えてったんだけど、最終章ではさらに思い切って丸くした。言葉遣いとか。「~だぞ」とか男性的な口調は、もうあんまし言わせてないと思う。
 それと今までのお約束だった「所さん」と「EM銃でドカン」を封印したんだよね。意図的に。これで今までのミグと差別化できるかなあって。
 でも最後の地球の無線の声、私の脳内では声の出演所さんだからwバズ・ライトイヤーみたいな感じで。まあ仮にアニメになったらそういうふうになるよねていう妄想なんだけど。

ライト
 長い話作ってて面白いのはさ、続き(未来)を作っているのに、それと同時に前(過去)も出来てっちゃうことだよね。いつの間にかw
 マロさんの「ライトの人生って波乱万丈ですね」ってコメントでハッとなったんだけど。 
 んでうまい感じに最終章で、最初の『80日~』のフリが完成したじゃん。このシリーズって冥王星の近くをライトが宇宙船で飛んでるとこから始まるけど、どういう心理状態で飛んでたんだお前はって。
 「80日間で宇宙一周や!」とか言ってたけど、絶対無理だもんねwで、隕石の爆破に巻き込まれちゃって冥王星のミグの家に墜落するんだけど。あれって今思えばある種の“自殺”だったんじゃないの?って思う。
 もちろん最初の話を作っているときはただ夢に向かって冒険しているってだけのシーンで、それ以上の意味はなかったんだけど。
 続編を作っていくうちに、あのシーンの前に恋人が死んで、両親が別れて、友達が逮捕されたってことになって・・・どういう不幸のドミノ倒しだよって。ならあの時ライトは絶対精神的におかしいだろって。
 つまり一作目で、自暴自棄になっていたミグをライトが助けたのは、自分と同じ境遇の人を助けることで、あいつも救われてたんだってことになる。
 最後まで作ってから、一作目を読むと同じシーンのはずなのに全然意味合いが違ってくるんだよね。一作目に全く手を入れず印象変わっちゃうんだから面白いよなあって。

イワン
 私もう確信したことがあって。「かっこいいキャラクターが作れない」んだ。どう考えても。
無理。どうやってもカッコ悪くなっちゃう。自分の中にないものは描けないっていうけど、やっぱ私イケてないからねwそんなヤツが自分のキャラにかっこいいセリフ言わせてもすべっちゃうんだよ。
 じゃあ、いっそハナからそういうキャラにしちゃえってことで、とことん惨めでカッコ悪い人にしたんだ。
 やっぱりね。このキャラがまとまる直前「自分をごまかして生きてる」って言われてね。それがすっごいショックだったんだけど、確かにそうだよなって納得しちゃったんだw馬鹿だからw
 自分ではかっこいいこと言ったりやったりしているつもりなのに、結局その全ては独りよがりな妄想だっていうね。ジェームズ・ボンドの真似してるだけじゃんってコールガールに言われちゃうの。 
 挙げ句の果てには自分が戦っている相手すら自分自身で勝手に作り上げているっていう。まあドン・キホーテなんだけど。これって今の情報化社会のメタファーでもあるよね。お前は一体誰と戦ってるんだ?って人、ネットにいっぱいいるしw
 それとイワンってコールガールは抱けるのに、ミグの時はなんかくさいこと言って逃げちゃうんだよね。結局真剣に人を愛せないんだよね。
 リアルに人を愛するってことは、その人のために生きるってことだから。それは自分が作り上げた独りよがりのスパイ映画の世界が壊れちゃうってことだから。
 本当に情けないやつだよね。でも世の中にスパイ経験したことがある人は少ないけど、こういう嘘ついたことのある人はいっぱいいるから。そういうアプローチでスパイ描いてみたんだ。

イルミナ
 刑務所に恐ろしい犯罪者が捕まっているってシーンは木星編から考えてたんだ。で、入っているのはもともとマルドゥクだったんだよ。
 宇宙一危険な犯罪者をピカさんが脱獄させちゃうっていうアイディアで。でもそれだとまんま『MIB3』のパクリになっちゃうからボツにしたんだけど。
 それでもあの映画の「月の刑務所」ってアイディアいいなって。だから意表をついて、そこにか弱い女性が捕まっているのはどうだって。
 イルミナについてはキャラの設定が二転三転したのはご存知のとおり。当初の設定ではライトの姉さんだったんだけど、最終的にレオナ、ヴィンに続く、ライトの第三の幼馴染ってことになった。
 この人が宇宙を救う大事なアイテムを残して、不幸な死を遂げるっていうのははじめから決まってたから、ライトの姉ってなるとライトの家族で一人だけ死者がでちゃうことになってそれはまずいなあってw最後の戦いの前にさらにライトを追い込んでどうするっていうのがあったから、できる限りライトから遠い存在にし直した。
 私『人魚姫』って好きなんだ。あれって本当に救いようないじゃんwああいうのってなんで感動するのかな。「コイツに比べればオレはマシだ」ってことなのかなw
 イルミナもライトに思いを伝えられないままあっさり死んじゃうんだけど、宇宙一の知能を持つ怪獣とか言われてて、でも最後は意外とあっけないって妙でリアルでよかったな。
 結局彼女は怪物でもなんでもなくて、怪物って思っていたのは周りの人間だったっていうね。死んじゃったあとに、普通の恋する女の子だったって分かるっていう。あれ?いい人じゃんってw
 なんか『人魚姫』っていうよりは『ごんぎつね』みたいになっちゃったなw

ゴダード
 このジジイ三人組って『ナイトミュージアム』の夜警トリオだよねw
 あのロケット作ってるのって『ライトスタッフ』をイメージしたつもりだったんだけど、どっちかというと夏休みに秘密基地で悪ガキが集まって工作しているような感じになっちゃって、それはそれで素敵だなってw私は“かっこいい”が描けないからね(二回目)

ミュウ
 恋愛ドラマを動かすのには、こういう第三項って絶対必要だよね。
 わかりやすい例だと三角関係だけど、ミュウがライトに恋心を抱いているって感じにはしたくなかった。それじゃコテコテになっちゃうしwとはいえビジネスライクって感じでもないんだよな。
 この人がライトのことを好きなのは確かだと思うよ。ただ恋愛感情っていうわけではなくて。

アリエル
 ごめんあまり出なかったwほとんど登場シーンカットしちゃったからねw
 本来はミグの心情に大きな変化を与える鍵になる役割があったんだよアリエル。アリエルは一生懸命ミグを励ましてやるんだけど、彼女自身は、もう機械としてガタが来ていて、くしゃみをすると口から歯車やネジが出てきて・・・w
 でもそんなことをファンの誰にも知られないように笑顔でステージにかけていく・・・その姿をミグが見て「なにやってんだろ」って・・・でもやめた。
 木星で出てきて死ぬはずだったイルミナがこっち(最終章)に来ちゃったから、悲しい展開は彼女だけにしようってことで、アリエルは今回も元気いっぱいの女の子でした。

ルヴェリエ王子
 ルヴェリエとアリエルをセットで出すのは初期から決まってたんだ。
 なんか作劇上のポジションもふたりは似てたし、なんか二人を並べると可愛い兄弟みたいじゃん。賢い弟とドジなお姉ちゃんって感じで。なんかスピンオフやるならこのコンビ面白い気がするな。パラソルのシーンあたりでなんか手応えあったしw
 あと会議のシーンの兄貴よかったなあw

フレミング
 この人が一応今回の悪役・・・ってことになるのかな?でもこの人そんなに悪かったのかって感じはあるよね。イワンと何がちがかったんだろうって。
 女の子殺しちゃったかどうかってだけなんじゃないのって。殺すのがおっさんならいいのかっていう。

ゲオルグ警部
 イルミナが閉じ込められた強化ガラスの球体はこの人がパンチで叩き割る予定でした。ジャンプ的に考えるなら、オレこのオヤジが一番強いと思うんだ。防弾ガラス割ってたからねw

ケプラー
 ここまで正直に言われると一周して腹も立たないよね。

ピカール博士
 騙されちゃダメだよね。こいつ悪い奴だよw本当に悪い奴はラストまで生き残るっていうのが私の考えだから。
 作中死んじゃう悪役って結局悪になりきれなかったってことなんじゃないかなって思ってる。悪としても未熟だったから主人公ごときにやられちゃうんだ、お前は!みたいなw

ミスターアップル
 何も手をくださず情報だけで世界を動かすってすごいけど、考えてみればそうなるよね。だってこいつただの板だもんw手出せないんだよ。まず手がないからw
 神って案外そんな存在のような気がするんだよ、私たちの世界になにかちょっかい出すには存在がでかすぎるというかw



 最後の最後に・・・読んでくれた方本当にありがとう。特にマロさんがいなかったらこの一大叙事詩は完結しませんでした。心からの感謝を。それでは地球で!
完結記念イラストラフ.jpg
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