ステキな金縛り

 「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆」

 考えてもみてよ、太古の昔からとてつもない数の人が死んでんのよ?ネアンデルタールなんかもわさわさ歩いてるのよ?

 三谷幸喜さんのコメディって、あの人しか出せない独特の世界観(雰囲気)や人物描写のメソッドみたいなのがあって、すごく好きなんだけど、この映画はなんだかんだでまだ見てなかった・・・映画館はいいやってスルーしちゃった。
 もちろん三谷さんの映画は『ラヂオの時間』からちゃんと見ているんだけど、『ザ・有頂天ホテル』あたりからどんどん尺(と出てくるキャラの数)が長くなってきちゃって、もう映画館で見てて疲れちゃうんだよね。

 笑うのって体力いるんだなあって、この人の映画を見るとつくづく思っちゃうのw

 それと、最近の三谷さんの映画の脚本のつくり方って、キャラの濃い人をいっぱい出して気の向くままにフリートークさせるような、キャラの掛け合いの面白さを前面に出すようなところがあって、映画的な構成はあまり重視していないというか。
 いい意味でグダグダっていうかねw

 作中、被告人のセリフで「なんか最近、落ち武者中心に回ってません?」っていうのがあるんだけど、あれ絶対三谷さん脚本書いてて「あれ?そういや何の話だったんだっけ?」って話の筋を見失ってたと思うんだよw
 落ち武者悪乗りさせるのが楽しくなっちゃってw結局コメディの人だからね。いい話・・・よりは笑える話を作ることを優先させちゃうわけだしw

 和風カルボナーラを何卒お頼み申す・・・!

 んで「そうだったそうだった」って強引に話を元に戻して・・・だから勝手な想像だけど、三谷さん脚本最初っから最後まで順番通りに書いてってんじゃないかなって。
 変に伏線とか構成気にせずに。そりゃあらすじくらいは作ってから書いているんだろうけど、冒頭からラストまで一気にガガガってやってるような。
 そして笑えるところはたとえ物語的にグダつくようでもカットしないというwカットできないよ、コメディ映画なんだからってw
 でも悲しいかな、笑えるネタで意外と話の筋に絡むものってそんなに作れないんだよね。しかも、話の筋と全然関係ないネタのほうが、むしろ笑えるというか。脱構築的なところあるじゃん、笑いって。

 まあ、これは全部私の想像だけど、そういう書き方じゃないと、あんなたくさんいるキャラクター動かしきれないっていうか。
 私もキャラが多い脚本書いたばっかりで、やっぱり綺麗な構成とか意識しててもペンが走らなかったから・・・
 「ライト実は人気者でミグが身を引く」「イルミナが宇宙を救うアイテムをイワンに託して死んじゃう」といった絶対ハズしちゃいけないチェックポイントだけ押さえて、あとはほぼ順番通りに書いてったからね。
 じゃないとなんか書いてる自分も物語に入り込めないんだ。もちベーションが上がっていかないというか(C)劇団ヘロヘロ共和国

 でも三谷さんって面白くて、なんか三谷作品って全体的に“ひょうひょう”としてるんだよね。そんなに本気で作っていませんよ~みたいな。
 そもそも三谷さん自身が、あんまり他人に本音を見せる人じゃない気がするし(家に親戚すらあげないとか!)。
 なんか深層心理のドアがあるとすれば、一番深いところに死ぬまで絶対に開けない一枚があるっていうかさ。
 創作って作家の深層心理を全部丸裸にしてさらけ出すようなところがあるから、その点、三谷さんってシャイっていうか、底を見せてないよなあって。全力でやってないでしょうってw
 だから、中学生くらいでありがちな「知らないうちにこんな恥ずかしいもん作ってたよ!!」みたいな失敗談、この人にはないんじゃないかなってw

 でも、それこそが三谷作品の人気の秘密なんじゃないかって思う。笑いって結構残酷なところがあるけど、三谷さんの笑いってあまりにバカバカしすぎて脱力系というかさ。風刺性がないっていうか。
 誰も傷つかない笑いを描くには、それくらいの冷静さが必要なのかなって。
 
 いや、思いのほか早う見つかりました。ハチ公と並んでおりました。

 まあ、多少落ち武者役の西田敏行さんのアドリブが面白いっていうのもあるんだろうけど、やっぱテキストからして三谷節だもんね。
 作中描かれる小田原が、東洋でも西洋でもない不思議な世界に見えるように、この人の笑いっていうのはなんか抽象的かつ、普遍的なところを追求してるんだろうなあって。

 なにも考えてない気もするけど・・・
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