パディントン

 「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆」

 あの国はよそから来た人に優しいはずなの。

 遅ればせながら先週観に行ってきた。内容は割とベタベタなコメディで、なんとなく『アルフ』と『カールじいさんの空飛ぶ家』を足したような感じだったけど、訴えたいテーマがタイムリーすぎてちょっと考えさせられた。
 日本は島国だし、難民を受け入れないっていう鎖国国家だから、あまりこういう問題について考えることはなかったけど、でも、あれか、東日本大震災とかで、故郷から移住しなきゃいけなくなった人ももいて、そう言う人をどうやって受け入れるか、場合によっては自分に切り分けられるパイが少なくなった時に、どこまで許容できるかっていう、大人の試練があるよなあ。

 ただ、現在、国際問題になっているシリアの難民のように、人種や言語、宗教が全く違う人が大量にドドドっと国境を越えてくるような、そういうスケールの大きな民族大移動って、日本ではおそらく元寇くらいしか直面してないんじゃないかっていう。
 ヨーロッパの人たちってやっぱり西ローマ帝国滅亡のトラウマがある気はするよな。国境が陸続きという危機感って、私たち日本人にはあまり想像ができない。

 ほいで、ここまで書いて気づいたんだけど、この映画の舞台のイギリスも島国じゃねーかっていう。
 
 あのロンドンの描写はまさにジャパニーズ東京駅だよね。いや、先進国の都会っていうのはニューヨークもロサンゼルスも、どこもあんな感じになるのだろうか。
 そういや、移民問題に関しては、アメリカ大統領選でも政治素人の不動産王ドナルド・トランプ候補がメキシコの国境に壁を作るという、この前の『ブリッジ・オブ・スパイ』を見たあとだと、「Ohボーイ」な発言をしてたけど、意外とこの過激発言が、合法的に入国許可を取っているヒスパニック系の人たちにも支持されているのは注目しないといけない。
 現実問題として不法移民に職を奪われたら、トランプ候補のマッチョなファシズムに喝采を送っちゃう気持ちはわかるもんな。

 トランプ候補は最初、綾小路的な毒舌漫談やってる人なのかなって思ってたんだけど、意外と人のネガティブな感情を刺激するのがメトロン星人並みにうまいよなって、ポピュリスターとしての驚きと恐ろしさを感じている。
 大衆を動かすにはまず認知されなきゃいけないわけだけど、ヘタをこくと炎上して悪いブランドイメージが浸透し、SNSでくすぶっている連中に「あ、この人は悪人だからいくらでもリンチしてもいいんだ」と非情な判断をされ、挙げ句の果てには大喜利ネタとして消費されて終わっちゃうから、まさに諸刃の剣なんですが、トランプ候補はブラックジョーク耐性があるアメリカをバトルフィールドにしているので、状況は違うんだろうな。
 なんにせよ日本ではまず出てこないキャラクターだよな。でも、安倍さんはちょっとトランプ的なところあるよな。
 社会で波風を立てないがための知恵だった「建前」の、建前であるが故のアキレス腱を「王様は全裸」的に攻撃して、そういった建前に不満を持っていた不器用な人間の喝采を浴びるようなところとか。

 でも、そもそも、これって総理大臣とかがやることなのかなって気がする。こういうのはかつては、お笑いやギャグマンガが、それこそ総理大臣みたいな権威のあるエスタブリッシュメントに対してやってたんだよな。
 もう現代の格差社会、情報社会で大衆の支持を得るにはこの修羅の道しかないのかな。
 負け犬の数が一定数を超えると、信頼や許容という綺麗ごとの理想主義を叫ぶよりも、憎悪を刺激して既存の社会システムを破壊したほうが簡単だもんな。
 社会を進歩させるには一度徹底的に自爆したほうがいいっていう、主のご意志なのかもしれないけど、アメリカに自爆されるとアース的に色々とばっちり受けるから、ここはやっぱり民主党のサンダースさんあたりが頑張って欲しいな。あの人マイケル・ムーア監督の『キャピタリズム』でも民主社会主義者として登場していて、軽く感動したもんな。
 それにプロの政治家ではなく、政治の素人である市民に国家を統治させ、政治に新しい風をって言うけど、前にも映画俳優を大統領にしたら、結局、大企業>政府>国民という独占資本主義になって、国家が企業的に“経営”されたって、あの映画でも描いていたしな。
 そう言う意味じゃマルクスの予言ってすごいよな。
 
 しかし昔HNK教育で『くまのパディントン』ってやってたけど、こんな話だったっけ。さらに、「紳士くま」っていうから、もっと見た目はぬいぐるみ、中身は英国ミドルクラスの中年かと思ってたけど、あの松坂桃李さんの吹き替えの感じじゃ、震災の被害を受けて上京した純粋な大学生って感じだよね。
 つーかペルーにクマっていたんだな。まあマレーシアとかにもいるから熱帯でも適応できるんだよな。だとしたらクマの生息レンジって広いな。北極にも魔の手を広げてるしな。

 家とは単に屋根のある場所を指すのではない。
Calendar
<< March 2021 >>
SunMonTueWedThuFriSat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031
search this site.
tags
archives
recent comment
recent trackback
others
にほんブログ村 科学ブログへ にほんブログ村 科学ブログ 恐竜へ カウンター
admin
  • 管理者ページ
  • 記事を書く
  • ログアウト