モアナと伝説の海

 「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」

 何もかも人間のためだったのね。愛されたかったから。

 今更ながら鑑賞。冒頭部は、あ~はいはい、毎度お馴染みの自分自身の夢を追って上京する、トライエブリシング系ね、って鼻ほじってたんだけど、中盤からなんともはや。
 そもそもプリンセスものなんかじゃなくメチャメチャアドベンチャー超大作だった。『ウォーターワールド』、『怪盗グルーのミニオン危機一発』、『マッドマックス怒りのデスロード』を足したようなアクションシーンは、けっこう血湧き肉躍る。
 あと、こういう映画って、宇宙が舞台のやつもそうだけど、本来は広大な海や宇宙が狭く見えるっていうのがあるんだけど、この映画はちゃんと海の広さを感じられるのが上手い。※『スター・トレック ビヨンド』は狭かった(^_^;)

 しかしよ、ここまで来ると、ディズニーもウーマンリブとかのレベルじゃなくて、セーラームーンとかプリキュアだよな。戦闘少女系の作品だよね。
 だから、一般受けがアナ雪などに比べて今ひとつだったのかね。アナ雪でもかなり危うかったロマンス要素、とうとうゼロだもんな。こういうの観たくて劇場来ているんじゃねえよっていうw
 普通に、選ばれし者の英雄譚やってんだよね。南洋の神様マウイの描き方はいろいろ物議をかもしたらしいけど、ああいう動機っていうのはプリミティブに心を打つよ。こんな子いたいた、みたいな。
 純粋に愛や正義だ!って普遍的モットーで戦う正義の味方にはもうリアリティを感じられない世の中になっちゃったんじゃないか。純粋にやりすぎて飽きちゃったというだけかもしれないけど。冷戦も終わったしなあ。

 というか、日本では受けが悪そうというか、下品って思われちゃいそうだけれど、名声を得たいっていう動機で社会に貢献するのって別に悪かないと思うんだけどね。
 あれなのかな。そういう動機で慈善事業はじめるやつって、たいてい、いざやってみると意外と大変で、ほいですぐにめんどくさくなって、結局、事態をこんがらせるだけこんがらせて、放り出しがちって思われてんのかな。おのれ民主党みたいな。
 実際、この映画の神様もそんなヘタレ的なところあったしな。でも神様ですらああなら、オレらは別に聖人じゃないんだから、もっと気軽にエゴで親切やってもいいと思うけどね。
 というか、私はヘタレの哀愁に弱いんだよな。こういう“勘違い系ヘタレ”は基本的にポジティブだから、哀愁の振れ幅が大きくていけねえや(´;ω;`)
 だから個人的には、この作品すごい面白かったんだけど、これがディズニープリンセスの基本路線にはならなそうだし、すべきじゃないと思う(※オタクくさくなるから)。4年に1度くらいの変化球って感じでいいんじゃないか。
 それともディズニーもマーベルとか買収して、男の子路線に大々的にニーズを変えようとしてんのかな。『ズートピア』も妙にアメコミっぽかったもんな。『アストロ・シティ』みたいな。

 しかし南洋の部族の人らの神話をメチャメチャ取材したんだろうな~って感動。昔の人の想像力はすごいよね。
 そういや、この前、理科の地学分野(造山運動)の授業で、みんな大陸や島って海の上に浮いていると思ってて、軽く衝撃を受けてさ、だから大陸移動説は学校の知識で知っているけど、そのメカニズムがひょうたん島だったという(^_^;)
 それなら、ヨーヨー釣りの要領で、釣り針で神様が島をヒョイっと釣り上げてもつじつまが合うよな。
 海の向こうの世界や宇宙の果てといった未知なものに対する理解を、自由な想像力を駆使して漸進させていくっていうのは、神話に限らず科学の本質かもしれないよね。人類の知識を積み上げていったのは知識じゃないんだよ。

 海を渡る達人ならもういるじゃないか。
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