優生学を振り返れば、人間の理想と言うものが、いかに恐ろしいかが解ります。ゴールトンのちょっとした人間診断だった優生学は、素晴らしい遺伝子を持つ人間だけの理想の社会を実現するための理論として利用され、それは遺伝プールを劣化させるであろう、マイノリティの徹底的な排除という最悪な結果をもたらしました。
マイクル・クライトンの指摘の通り、これは今日の環境問題にも通じるところがあって、何が似ているかと言えば・・・
①科学が政治的な道具にされている
②理論の限界を認めるのが科学であるはずなのに、仮説を既成事実のように報道
③少数意見を排除する全体主義に陥る可能性
「今地球が危険だ!」という根拠のない終末思想は、いつの時代もけっこう好きな人が多いんですよね。それに人類による地球崩壊のシナリオは、人類が神に匹敵する影響を地球に与えているようで、一部の人には気持ちがいいのでしょう。自分達がただの脆弱なサルだと言うのは認めたくないだろうから。
で、COP10のサイトにこんな事が書かれているんですよね。
国連の呼びかけで2001年に発足した生態系に関する世界的な調査「ミレニアム生態系評価(MA:Millennium Ecosystem Assessment)」では、生態系に由来する人類の利益となる(幸せな暮らしに欠かせない)機能(生態系サービス)を大きく4つに分類しています。
維持的サービス
生態系サービスの内すべての基盤となるもので、水や栄養の循環、土壌の形成・保持など、人間を含むすべての生物種が存在するための環境を形成し、維持するものです
ななななんじゃこりゃ~!私はたまげましたよ。人間を含む“すべての”生物種が存在するための環境を形成って・・・こんなの、おっかないユートピア思想もいいとこです。
こういう耳触りのいい理想の下に「環境全体主義」なんかが起きたらたまったもんじゃありません。ガイア思想はやはり懐疑的であるべきです。
そもそも人間と違って化石燃料なんて使わないエコ生活をしていた恐竜ですら、最終的にはあっさり滅びました(けっこう長いこと君臨はしましたが)。あんな強大な化け物が滅ぶんですから、人類もいつかはいなくなるでしょう。
私は大体の人間が美しい自然を好むのに、結局やってることが破壊活動と言う偽善ぶりは、もうそういう役目の為に人間は生まれたんじゃないかとも思っています。
環境を変える生き物はたくさんいますが、人間ほど広範囲かつ急速に環境に影響を与えるものはいません(でも地球を破壊できるわけはない。その前に人類が滅びます)。これは無意識かつ創発的に行なっているように思え、つまり人類の使命は淘汰圧をあげて、自然現象では生まれない生物が誕生する舞台を作っているのかもしれません。
大体人類が己の生活よりも地球を本気で愛しているのなら、こんな環境破壊やってないでしょう。反論するなら電気やガス、自動車を捨ててから言ってください。でもこれ、もちろん個人的意見ですよ。
我々は地球にただ生かされているだけです。地震等の自然災害であっさり虐殺されてしまいます。俺たちが地球を利用していると勘違いしている人たちがあまりにも多いから、生物多様性を維持しようなんておこがましいことを言うのでしょう。生物多様性は、別に人類の為にあるわけじゃないですから。
問題は環境問題が、ユートピア思想になって第二の優生学にならないかどうかです。ここは慎重に考えなければいけないことだと思います。
今回の話をふまえてdescf氏がうまいこと言っていたので紹介したいと思います。
「アリにとってコップ1杯の水が大洪水でも、俺たちは飲み干せてしまう。」
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