イオンについて

 ということで、まずは理論化学をやってます。今回は中学校3年生でも出てくるイオン結合について。

イオン
原子は最も外側の軌道の電子の数が8個だと構造上最も安定するため(最初の軌道=K殻しかない水素のようなタイプは2個で安定)、最外殻の電子が8個に満たない原子(最外殻の電子の数が6~7個の原子)は電子を補おうと、逆に8個をオーバーしている原子(その次の軌道にオーバーした電子が1~3個入っちゃってる原子)は余計な電子を放出しようとする。※ちなみに最外殻電子が4~5個の原子はイオンにならない。
このように電子の数が変化し、原子核との電気的なバランスが崩れ、電荷を帯びた原子の状態をイオンという。
電子はマイナスの電荷があるため、電子を補った場合は陰イオン(非金属元素がなる)、放出した場合は陽イオン(金属元素がなる※水素は例外!)と呼ばれる。
結果としてイオンの電子の配置は希ガス元素(ヘリウム、ネオン、アルゴンなど)のそれと同じになる。

イオン化エネルギー
こう書くと原子の内部は電子の出入りが気軽にできそうなイメージを持つが、プラスの電荷を持つ原子核と、マイナスの電荷を持つ電子は互いに引きつけ合っているので、原子から電子を外す(=イオンを作る)にはエネルギーが必要となる。この時のエネルギーをイオン化エネルギーという。
つまり、自分の電子を手放さず相手から電子を受け取るだけの陰イオンのイオン化エネルギーは大きく(電子を外すにはたくさんのエネルギーがいる=イオンにしにくい)、電子が外れやすい陽イオンのイオン化エネルギーは小さいことになる。
周期表で言うならば周期が同じ場合、左から右にかけて(希ガスに近づいていくにつれ)イオン化エネルギーは大きくなる(イオンにしにくい)。
また、原子の大きさが大きくなればなるほど、電子は原子核から離れていくため、原子番号が大きい方がイオン化エネルギーは小さくなる(イオンにしやすい)。

電子親和力
原子が電子を1つ受け取って1価の陰イオンになるときに放出されるエネルギー。
つまり、電子を受け取る前の不安定なエネルギーを、電子を受け取ることで外部に捨てたということになる。
特に最外殻電子の数が7個の原子はあと一つで安定という惜しい状態なので、電子親和力は高い。

イオン結合
陽イオンと陰イオンが静電気の力(クーロン力)で互いに引き合い結合すること。
イオン結合は共有結合(電子をシェアするタイプの結合)には及ばないもののかなり強い(融点や沸点が高い)。
また、イオン結合によってできるイオン結晶は電気を通さないが、加熱したり水に溶かすと電離して電気を通す。言い換えればイオン結晶は水に溶けやすいものが多いということである(塩化銀や炭酸カルシウムは例外)。
また、イオン結晶は硬いがもろいという物理的特性もある。
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