さくらももこ先生について

 だいたい76才とかそのくらいまで元気でチャキチャキ生きて、孫や近所の子供たちから「おばあちゃんが世界でいちばん大好き」と言われることです。わたしゃ印税で孫にたくさんおこづかいをあげるためにかきつづけるよ。いろいろ。(『ちびまる子ちゃん13巻』116ページ)

 最近、西部劇ブームからいつのまにか『ちびまる子ちゃん』にブームが移って、この前も、はまじの本とか買ってたんですが、虫の知らせだったのかなあ・・・もともとまるちゃんって好きな漫画だったんだけど、突然また見出したからね。
 はまじは、さくらは観察眼がすごいって言ってたけど、本当にそれで、小学生のコミュニティをすごいリアリティで描いたのが『ちびまる子ちゃん』なのは今更私が言うまでもない。
 出発点はエッセイ漫画とは言え、だんたんネタも尽きるし、そうなるとやっぱりフィクションのキャラクターや物語が増えて、リアリティって減衰していくものなんだけど、この前単行本の15巻以降(※実はりぼんの連載って14巻で突然中断していた)を買って読んだら、やっぱり心理描写がメチャメチャ上手でさ。
 さくら先生って、子どもの無邪気なところだけじゃなくて、邪悪な面や残酷な面もちゃんと描くじゃん。
 昨今、漫画やアニメにブサイクキャラがいなくなったって言われて久しいけど、現実にはブサイクって今なおちゃんといてさ、それを果敢に描くじゃん。しかも、コメディとして後味悪くなく描けるっていう、本当に天才というか、稀有な才能を持った人だったよね。
 もともと女性ってカンも鋭いし、すごい人間観察の能力って高いと思うんだけど、女流漫画家ってやっぱり、恋愛少女漫画に行っちゃうし、失礼な言い方だけど、画力的に正統派少女漫画に達しなかったというのが、もう、すごいいい結果になったって事だよね。

 話は変わって、この前15年ぶりくらいに小学校からの友達に会ったんだけど、こいつは大学で工学とかやってて、すごい自由奔放で天才肌な人なんだけど、やっぱりとんでもねえなって改めて思ってさ。
 頭のいい人って、物事を考えるときフラットというか、ゼロベースというか、先入観がないんだよね。誰かの受け売りとかじゃなくてさ。
 これが私レベル(=バカ)だと、こういう本があるとか、こういう学者がいるみたいなレファレンスで逃げるというか、トラの威を借る姑息な真似をするんだけど、いや、冷静に一から考えてみようって、ちゃんと自分の脳みそが使えるんだよね。正しい脳みその使い方、みたいな。
 で、さくら先生もそのタイプなんだよな。ブスに失礼だからって言って、ブスを描かないのが正解なのかっていうとそれは違うじゃん。そんなのリアルな小学校の世界じゃないじゃない。
 ポリティカル・コレクトネスとか今はすごい気をつけなきゃいけない時代にはなっているんだけど、そこで懸念されるのが、じゃあ、そういう社会問題について考えたり、発言するのは面倒くさいからいいやっていう結果になりかねないよってことで。
 だから、今やっているアニメの『ちびまる子ちゃん』も、もともと原作にあった毒というかシニカルな要素がかなりオミットされちゃっているっていうのも、そういう配慮があるんだろうけど、本当にそれでいいのかっていうね。
 
 んなこといっても、今はそういう時代なんだろうな。社会が不安定で、互いにみんな厳しくて、ストレスも強くて、結局みんな癒しを求めてるんだろうなって思う。
 だから、毒にも薬にもならないような内容がマイルドな漫画か、逆にフラストレーションを発散させるような、物凄い残酷でグロテスクな漫画(ただしそれは皮相的なものである)の二極化みたいになっているように思うんだけど、『王様の耳はロバの耳』じゃないけど、本来漫画の面白さっていうのは風刺であって、世間ではなんだかんだ綺麗ごとや建前言ってっけど、本音はこうだろ?ガビーンみたいなオチが『ちびまる子ちゃん』の本質だと思いますね。先生が永沢君でスピンオフを描いた理由もなんとなく解るんだ。
 そんな繊細な描写ができる作家さんの一人がいなくなったと思うと、やっぱり残念でなりません。
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