化学電池について

化学電池
二種類の金属板を導線でつなぎ、その間で起こる酸化還元反応(電子のやりとり)を利用して、導線に電気を流す装置。

-極:酸化反応(電子が外れる)が発生。
イオン化傾向が大きい金属板(マグネシウム、アルミニウムなど)がチョイスされる。

+極:還元反応(電子がくっつく)が発生。
イオン化傾向が小さい金属板(銅板など)がチョイスされる。

ボルタ電池
2種類の金属を接触させる、それで弱い電流が発生する。この間に塩水で湿らせた布などをはさめば、電流は飛躍的に強くなる。そしてこの装置をふたつ、みっつとつなぎあわせれば・・・
・・・というわけで、中学校で習う世界初の化学電池。亜鉛版と銅板による酸化還元反応を利用している。
しかし、使用すると次第に+極の銅板に水素ガスが溜まり、まだ電子をもらっていない水素イオンが水素になることを妨げるため、電気が流れにくくなってしまう(分極)という弱点がある。

ダニエル電池
ボルタ電池の衝撃から約30年後(1836年)にイギリスのジョン・ダニエルがボルタ電池の弱点(銅板に水素の泡がつく)を改良したもの。
亜鉛版をひたす電解質水溶液には硫酸亜鉛水溶液、銅板をひたす電解質水溶液には硫酸銅水溶液をチョイスし、この二つの水溶液が混ざらないように素焼き版の仕切りを作った。
これにより、銅板の周りに水素ガスがまとわりつくこともなく、硫酸銅の銅イオンが銅に戻る(析出)だけなので、長時間電気を取り出すことが可能になった。
ちなみに、硫酸銅水溶液から電離した硫酸イオン(陰イオン)は素焼き版の仕切りを通過し、亜鉛版がひたされている硫酸亜鉛水溶液の方に移ることができるようになっている(銅板の方に陰イオンがたまると電子が移動できないため)。

充電
電池から電気を取り出すことを放電というが、この放電とは逆向きに電気を流すことで電池に電気を戻すのが充電である。
充電ができるタイプの電池は二次電池、できない使い切りタイプは一次電池という。

鉛蓄電池
ダニエル電池の衝撃から23年後(1859年)にフランスのガストン・プランテが開発した世界初の二次電池。現在でも自動車のバッテリーとして積まれている。

-極(酸化反応):鉛+硫酸イオン→硫酸鉛
+極(還元反応):酸化鉛+硫酸イオン→硫酸鉛


半反応式
-極:Pb + SO4(2-) → PbSO4 + 2e-
+極:PbO2 + SO4(2-) + 4H + 2e- → PbSO4 + 2H₂O
※充電する場合は→の向きが逆になる(逆向きの電流が流れることで電気分解が起こり、薄くなった硫酸などが元の化学式に戻る)。

全体の化学反応式
加減法をする必要がないので両辺にもあるものを消して、水素イオンの提供者である希硫酸(薄めた硫酸)を加えるだけ。
PbO2 + Pb + 4H + 2H2SO4 → 2PbSO4 + 2H₂O

燃料電池
水素と酸素で電気を作るクリーンな電池。副産物も水だけ。
実はダニエル電池発明のわずか3年後の1839年にイギリスのサー・ウィリアム・グローブが実際に水素と酸素から電気を取り出し、その理論を確立したが、長いこと実用化されず不遇の時代を過ごした。その後、1960年代の宇宙開発計画でNASAに採用されたことで一躍スターダムに踊りでた。今では自動車も動かしている。

-極(酸化反応):水素分子 → 水素イオン
+極(還元反応):酸素分子 → 水分子


半反応式
-極:H₂ → 2H + 2e-
+極:O₂ + 4H + 4e- → 2H₂O

全体の化学反応式
2H₂ + O₂ → 2H₂O
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