酸・塩基について

酸・塩基の定義
レモンやビネガーなどすっぱいものが酸。
石けん水や石灰など苦くヌルヌルなものがアルカリ。
なぜか高校からアルカリ性を塩基(ベース)と呼び始めるが、これは酸とアルカリの定義が変わったことによる。

①アレニウスの定義(1887年)
中学校で習う最も古い定義。
酸:水溶液中で水素イオンが生じる物質(pH7未満)
アルカリ:水溶液中で水酸化物イオンが生じる物質(pH7超過)

②ブレンステッド=ローリーの定義(1923年)
高校で習う。アルカリ(塩基)について水酸化物イオンが生じる物質(反応)に限定したため、水溶液中の反応しかカバーできなかったアレニウスの定義を改良。
これによりアンモニアなど気体の反応にも対応できるようになったが、その反面、酸と塩基の尺度が相対的なものとなり、いくらpHが低くても、さらにpHが低い物質と反応する場合は、その物質は塩基ということになった。
酸:他の物質に水素イオン(プロトン)を与える物質
塩基:酸から水素イオン(プロトン)を受け取る物質

③ルイスの定義(1923年)
大学で習う。ブレンステッドとローリーの定義の範囲をさらに拡張。
酸が塩基に水素イオンを与えることは、酸が塩基から電子対を受け取ることとイコールだと考え、水素イオンをもっていないアルミニウムイオンと水の反応など化学反応のほとんどを酸・塩基反応としてカバーできるようになった(アルミニウムイオンが酸、水がアルカリ)。
酸:電子対を受け取る物質
塩基:電子対を与える物質

酸・塩基価数
分子一つから生じる水素イオンや水酸化物イオンの個数のこと。
これに関してはアレニウスの定義が活躍する。

酸の価数
分子式のHの係数がだいたい価数。※酢酸のCH3COOHのH3はカウントしない!
1価の酸:塩酸、硝酸、酢酸
2価の酸:硫酸
3価の酸:リン酸

塩基の価数
分子式のOHの係数がだいたい価数。※アンモニアに注意!
1価の塩基:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
2価の塩基:水酸化カルシウム、水酸化バリウム
3価の塩基:水酸化アルミニウム

電離度
酸や塩基を水に溶かしたとき、どれだけイオンに分かれるかの度合い。

電離度(α)=電離した物質の量(mol)/水に溶かした物質の量(mol)

という式で算出されるため、電離度の変域は(0≦α≦1)になる。このとき電離度が1に近いものを強酸・強塩基という(逆が弱酸・弱塩基)。
ちなみに、電離度は価数とは関係がない。例えば強酸の塩酸の価数は一価。
代表的な強酸には、塩酸、硝酸、硫酸が、代表的な強塩基には、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどがある。
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