酸化還元反応について②

半反応式
酸化剤もしくは還元剤の反応だけを示した化学反応式。
酸化反応と還元反応は同時進行するため、片手落ちと言うことで半チャーハン的に半反応式と呼ぶ。
例えば、非常に強力な工業用酸化剤(つまり還元をする)過マンガン酸カリウム(KMnO4の半反応式は以下のような手順で作る。

①パープルの過マンガン酸イオン(MnO4−)は還元をすると、ピンクのマンガンイオン(Mn2+)になるので・・・

MnO4− → Mn(2+)

酸素がくっついた化合物が還元する場合はたいてい水(H₂O)ができるので、酸素原子の数を両辺で合うように、右辺に4つの水分子をもってくる。

MnO4− → Mn(2+) + 4H₂O

③今度は両辺の水素原子の数を合わせるために、左辺に4×2=8つの水素イオンを加える。

MnO4− + 8H+ → Mn(2+) + 4H₂O

④最後に両辺の電価を合計+2で合わせるために、左辺に5つの電子を加えて完成!

MnO4− + 8H+ + 5e− → Mn(2+) + 4H₂O
(-1)+(+8)+(-5)=(+2)+(0)

イオン反応式
酸化剤の還元と、還元剤の酸化(※ややこしい)が同時に起こっているさまを表す式。
つまり二つの半反応式をコラボさせる。
具体的には二つの半反応式の電子の数を連立方程式の加減法のようにあわせて合体させればOK。

酸化剤X:MnO4− + 8H+ + 5e− → Mn(2+) + 4H₂O
還元剤Y:H₂O₂ + 2H+ + 2e−

X式×2:2MnO4− + 16H+ + 10e− → 2Mn(2+) + 8H₂O
Y式×5:5H₂O₂ → 5O₂ + 10H+ + 10e−

X式+Y式
2MnO4− + 16H+ + 10e− + 5H₂O₂
→ 2Mn2+ + 8H₂O +  5O₂ + 10H+ + 10e−

両辺どちらにもある水素イオンや電子の数を相殺する。
2MnO4− + 5H₂O₂+ 6H+ → 2Mn(2+) + 5O₂ + 8H₂O 

酸化還元反応式
イオンだけに着目したイオン反応式を化学反応式に直す。
そのために、過マンガン酸カリウムなのにずっと相手にされなかったカリウムイオンと、左辺の水素イオンの出所である硫酸を登場させてやる。

①放置されていたカリウムを両辺に表示させる。
2MnO4− + 5H₂O₂ + 6H+ → 2Mn(2+) + 5O₂ + 8H₂O 
2KMnO4− + 5H₂O₂ + 6H+ → 2Mn(2+) + 5O₂ + 8H₂O + 2K+ 

②水素イオンの出所(硫酸)を両辺に表示させる。
2KMnO4− + 5H₂O₂ + 6H+ → 2Mn2+ + 5O₂ + 8H₂O + 2K+ 
2KMnO4− + 5H₂O₂ + 3H₂SO4 
→ 2Mn(2+) + 5O₂ + 8H₂O + 2K+ + 3SO4(2-)

③右辺にまだ残っているイオンで化合物を作る(冷蔵庫の残り物でチャーハン的に)。
マンガンイオン+硫酸イオン=硫酸マンガン
カリウムイオン+硫酸イオン=硫酸カリウムだから

2Mn(2+) + 5O₂ + 8H₂O + 2K+ + 3SO4(2-)

は以下のように変形できる。

2MnSO4 + K₂SO4 + 5O₂+ 8H₂O

⑤化学反応式完成!
2KMnO4− + 5H₂O₂ + 3H₂SO4 
→ 2MnSO4 + K₂SO4 + 5O₂ + 8H₂O

過マンガン酸カリウム + 過酸化水素 + 硫酸 → 硫酸マンガン + 硫酸カリウム + 酸素 + 水

酸化還元滴定
酸化剤が受け取る電子の数と、還元剤が失う電子の数がちょうど等しい場合、酸化剤と還元剤は共に過不足なく反応する点をふまえ、濃度の分からない酸化剤や還元剤の濃度を求めること。
例えば、酸化剤X:過マンガン酸カリウムと、還元剤Y:過酸化水素は、先ほどのイオン反応式を踏まえると、2:5の割合で過不足なく反応することがわかるため、この比を用いて滴定を行う。
仮に、濃度の分からない過酸化水素水5mLに、0.30mol/Lの過マンガン酸カリウム水溶液を4mL滴下したところ、溶液の色が赤紫色になった(=過不足なく反応した)とすると・・・
酸化剤も還元剤も同じ濃度の場合、過酸化水素水5mLには過マンガン酸カリウムは2mLで過不足なく反応するはずなので、4mLも使っているということは過酸化水素水の濃度は2倍濃いということになる。
よって、過酸化水素水の濃度は0.30mol/L×2=0.60mol/Lである。
Calendar
<< June 2020 >>
SunMonTueWedThuFriSat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930
search this site.
tags
archives
recent comment
recent trackback
others
にほんブログ村 科学ブログへ にほんブログ村 科学ブログ 恐竜へ カウンター
admin
  • 管理者ページ
  • 記事を書く
  • ログアウト