生物の種の数はどうやって数えているのか

 この前、バンクーバーオリンピックがやってましたが、なかなかマイナーと言うか私が知らない種目もあって、「この競技人口って一体どれくらいなんだろ?」とか思ったんですが、科学の世界でも、やはり人気のある研究分野とそうでない分野があって、研究者の数にバラつきがあるそうです。

 たとえば古生物学では、やはり有名で人気があるのは恐竜の研究らしいのですが、みんながみんな恐竜を研究できないので(日本で恐竜を学べる機関はほとんどなく、その道に行きたいのならやはりアメリカなどに留学するのが未だに一般的なようです)、大学の授業でお世話になった学芸員さんは古微生物学を専攻していました。
 これは古い岩石にどのような微生物(放散虫など)がどれくらいいるかをカウントしたりする学問なのですが、やはり古生物学で注目されるのは恐竜などのデカブツで、この研究は考えてみれば生物多様性の理解に大変重要であるのにもかかわらず、注目度は低いことは否めないようです。

 これとよく似た話で、こんなのがあります。生物種の数を数える時や絶滅を考える時、やはり人間はグロテスクな節足動物や、小さすぎて地味な微生物などよりも、大きな哺乳類や鳥類を研究する人が多いし、一般の人の関心も高いので、生物のカテゴリーによってデータの精度のばらつきがあるというのです。
 地球上の生物種の半分以上を占めるといわれる虫や微生物、未知の領域である大気や深海の生物多様性研究など、地球における生物多様性の全体像は、はっきり言ってまだ謎に包まれています。

 この謎に挑むのはフィールド研究者の「カウント」なのですが、これが地道な上にとても大変。先生に聞いたところによれば、1平方メートルだったら1平方メートルと区画を決めて、その区画内にいる生物の数をしらみつぶしにカウント。
 その後、その区画の生物種がそのように増減しているかを再びカウントして、絶滅速度の基準などに使うのだといいます。

 この方法には問題もあって、例えば微生物の場合、缶の中に土のサンプルを入れてどれだけの種類がいるか、研究所の顕微鏡で数えるんですけど、同じ熱帯雨林でも、どの区画の土を取るかによって、同じ日のサンプルでも生物種の総数は大きく異なると言います。
 まさかダンプカー用意して、付近一帯のたくさんの土をラボに持っていくわけにもいかず(それこそ環境破壊?)生物の種の多様性研究は、推測に頼る部分が多いと言えます。
 誤解が無いように言いますが、私はこのような研究を批判しているわけでは決してありません!

 フィールドにおいて生物種のカウントをする学者さんの地道な努力によって、少しずつ地球の生物分布の事実が明らかになってきてはいます。
 ただし現状では、その種の数はあくまでも「推定」であることは言うまでもありません。地球は静止し閉ざされた系ではなく、ダイナミックに躍動しています。よって地球の生物種の正確な数は複雑系の観点から言えば決して分からないでしょう。
 そして太古の生物の種の多様性は、古微生物学がマイナーな研究である限り、それ以上に解らないでしょう。
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