不毛地帯 完

 まさに神がかり的な感動の最終回。泣きそうになりました。
 
 主人公の壱岐さんって時代のせいかもしれないけど、仕事はできるけど家庭を犠牲にして(まあ男は外で働いていた方が楽でいいと言う説もありますが…)けっこう女性泣かせな人だな~と中盤思っていたのですが、最終回で大門社長に勇退を進言する時に見せた信念にやられました。確かに辞表書いてましたもんね。もうあのシーンは身を乗り出して「おおお!」って感じでしたよ。
 今の政治家にこれ(若い世代を育ててあっさり身を引く)が出来たら、どんなに…まあ、昔もできてなかったけど(院政とか)。

 このドラマのキーポイントがタイトルの由来にもなっている、過酷なシベリア抑留だと思うのですが、私の友人の祖父の方が、まさにシベリアに抑留経験がある方で「やはりあの戦争は今なお終わってないんだな」と思いました。
 第二次世界大戦の描き方も、全面否定も全面肯定もしていないと言うか、客観中立的なもの(ABCD包囲網で戦争に突入し、日本は武力による資源確保を選んでしまった)だったし、ただ「戦争は悲惨でいけないんだ」的お涙ちょうだいの感動ドラマじゃなかったのは、私のような戦争を知らない世代には、偏ってなくてよかったと思います。

 今回のアカデミー賞の『ハートロッカー』にしろ、戦争が悲惨なものは世界中の誰だって知っているのに、今なお世界では戦争が続いている現状を少しでも理解するには、ある程度メタ的な視点と言うか客観視が必要になってくると思います。
 戦争は悲惨で最悪な手段ですが、それを選ぶのは人間の判断です。戦争と言う最悪なカードを今後切らないためにも(今は核があるので切ったら破滅)かつての歴史を冷静に学ぶ必要があるのかもしれません。

 このドラマの興味深かったところは、第二次世界大戦~高度成長期を「経済」の観点から描いていることで、戦争について一つの新しい見方を提供してくれたのかな、と思います。
 「石油の一滴は血の一滴」・・・すごいセリフです。確かに現代の文明は石油に支えられています。エコブームで二酸化炭素削減とは言うものの、石油なしでは私たちの文化的生活は営めません。火力発電所は一度止めると再起動に膨大なエネルギーと予算、手間がかかるので、まるで人間の心臓のように朝も夜も電気を作り続けていると言います。
 ハンナ・アーレントは、人類の振る舞いを決めるのは、いまや経済と言っていますが、戦争や環境破壊を引き起こすのも経済ならば、人類を救済するのもやはり経済かもしれません。石油よりも使い勝手がよくて、とにかく安い(ここが重要)エネルギー資源が見つかれば、すぐに乗り換えるとは思うのですが…

 とにかく考えさせるドラマでした。こんなにドラマにはまったのは『結婚できない男』以来だ…
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