学術会議問題について

 もはやずいぶん前の話題になるけど、ツイッターでやり取りしたので、これも断片的な文章だと伝わりにくいので、ここにまとめておこうと思う。
 私は学術に身を置く立場ではないから、その現場感覚とかはさっぱりわからないんだよ。あの一件で、自由な研究がすごいやりづらくなった、みたいな。
 で、色々認識が違う可能性は大いにあるんだけど、客観的にはこういう構造なのかなと思う。

 まず、学術会議は、戦争(=全体主義的な政権)に科学技術が転用されないように、1949年に設立された。まあ、この時期は戦後復興期だからね。もともと科学の平和利用という理念があるわけ。その点で、学術会議は日教組の学術研究版なのかなっていう。日教組も、子どもを戦地に送ってしまったという教師たちの反省があったわけだから。

 こちらは学術会議の公式サイト。ちなみに会長はこの人だったりする。

 日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年(1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。

 ここが、今回問題になったところだろう。菅内閣が(調べてみると、安倍政権時代のスタッフの暴走で菅さんはとばっちり?)左よりな思想(政権批判をしかねない)の社会科学系の学者(法学者など)の選出を認めなかったので、これが学問の自由を侵害する圧政なんじゃないかと(自然科学系はスルー)。
 これに関しては、まあ、異論はない。まあ、確かに問題だろうと。ただ構造的には右と左のイデオロギー上の対立だよねっていう。政権VS科学ではなく、思想と思想のぶつかり合いだと。

 科学は本来は、もしくは理念的には、政治的にニュートラルで、右も左もないじゃん。でも、昨今は、原発問題にコロナ問題など、科学者も政治的なステートメントをしなきゃいけないっていう時代の流れになってきて、さらに、助成金とか、税金を使って研究する場合は、政治は科学のステークホルダーなわけだから関わっていくしかないっていうのがあるんだけど。

 この学術会議自体は、設立の経緯からちょっとレフトっぽくて、中曽根内閣の時も干渉しないよって言ってたけど、まあ法律的には、内閣総理大臣の天皇任命とは異なり、実は政権(内閣総理大臣)が干渉するのは違法じゃないっぽいんだよ。
 ただ、これまでの慣習的にそれを歴代政権はしてこなかった。ただし、安倍さんが長期政権をやって、ちょっとやりたい放題が過ぎて、その流れで今回のことが起きたと。

 で、いやいや、科学の理念は右も左もないんだから、学術会議だって右も左も受け入れるはずだ。自由闊達な学問の自由(今回のは言論の自由も強い)を、政権が封殺したのが問題だっていうヴォルテール的なのももちろん判るんだけど、そういう話(政権批判)をしたかったんじゃなくて、学術会議は左的な人がいて、左に傾いていって、政権とイデオロギーでぶつかり、ニュートラルな人はなんかとばっちり食ったみたいな話だったんじゃないのと。もともと政権との対立は今に始まったことじゃないっぽいし。

 もうさ、科学の世界もスナフキン的な、ずっとメタな視点で無敵状態で研究やれる時代じゃないというか、いやそんな時代は実は元々なかったんだと思うんだよな。
 だから、時の政権の言うことに従うしかないんだ!みたいな諦念を主張したいんじゃなくて、政権批判もいいし、それを行ったものを排除するのは危険だ!という運動をするのも、いいんだけど、それは科学じゃなくて政治じゃんっていうわけ。これは、すっごい昔にパキPさんとかも言ってたと思うんだけど。

 丸山眞男が言うように、基本的人権や法の支配を維持するためには、結局政治的な働けかけが必要で、だいたいアカデミズムだってイズム(主義)だからね。それだけのことを言いたかっただけ。
 ほっといて自動的に享受できるものじゃないよと。社会契約説なんかもともとホッブズの思考実験なわけで、そういった歴史的な経緯は確認されていないわけだし。
 社会に関わると、個人的にはどうでもいいなあって思っていても、やっぱり政治にかかわらざるを得ないっていうのがあるからね。
 自分なんかも、実は多数派政党に投票したことってないんだけど(バッファープレーヤーなので)、国家公務員を受験する人には政権批判はダメ!って言うもん。もう、しょうがないじゃん。落ちちゃうんだもん。
 警察官の採用なんかも、受験生どころかその親族までイデオロギー的にやばくないか調べるらしいし。

 ただ、田代はヘタレて権力者に逆らえなくなった!っていうのは、本当に見くびってもらっちゃ困る!!w今もバリバリブチギレてます。
 そこは、もう今月で37にもなるんだから、偉い人の言うことは、おとなしく従っとけっていうのもあるけれど。やっぱり、言いたいことは言いたくなっちゃうんだよね。
 逆に、ここまでのことをされて怒らない方が馬鹿なんじゃないかって思うもん。触法行為は、そもそも法を破る奴が悪いのであって、相手が法を破らせるようなことをした自分が悪いってならないもん。盗撮したくなるようなミニスカート履く女が悪いってならないじゃん。

 最後に、じゃあ左は絶対正しいかっていうと、フランス革命とかわかるように、左も暴走するからね。自由平等の名のもとにロベスピエールやナポレオンという独裁者が現れたわけで。
 昨今で言えば、言論・表現の自由については、左の方のがエスカレートしているというか、ポリティカルコレクトネスのもとに、自由が侵害されかねない動きにはなっている気がする。もう黒人キャラクターとか描けなくなるんじゃないかっていうね。
 これは、まあ今に始まったことではないけど。ロリロリ漫画とかさ。
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