ロッキー

 「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆」

 オレは歌うことも踊ることもできないからさ。

 島本和彦先生をはじめ、地球上のほとんどの男子が影響を受けるという映画、それが『ロッキー』。とはいえ、自分は、2とか4とかを午後ローでちょこちょこ観ただけで、そこまで真剣に鑑賞した経験がなかったのであった。
 でさ、ボクシングをやっていた学生が、ロッキーがトレーナーになる『クリード』っていう新シリーズが面白いですよって言っててさ、へ~って興味持ったんだけど、そもそも本家のシリーズを覚えてないやってことで、昨日一日中アマゾンプライムでシリーズを一気見してたんだけど。

 というかさ、最近衰えちゃってさ、金曜日までは「休日遊ぶために頑張るぞ!」って気分が高まってるんだけど、いざ土日が来ると疲れが出ちゃって体力回復で土日終わっちゃうんだよね。月曜なんか知らねえって無茶もできないじゃん。そんな無責任なことができるのが、若者の羨ましいところでもあるが。
 そんな中年を噛み締めることが多い時に、ロッキーシリーズを追ってしまったものだから、ロッキーとともに老化を追体験してしまい、えらい精神状態になってしまった。『ロッキー・ザ・ファイナル』なんか絶対おとぎ話なんだけど、やっぱり感動するもんね。まだ、終わっちゃいないぞっていう。

 とはいえ、やっぱり一作目がいいね。当たり前だけどロッキーが一番若くて、でも、なんていうんだろう、一番作風が切ないというか。モヤがかかった薄汚れた街並みとか、ピアノのBGMとかも物悲しいし。
 実際のフィラデルフィアがあんなゴッサムシティみたいなスラムなのかは判らないけど、そんなアメリカの底辺みたいな街で低所得者の人たちがつつましく暮らす様子が、わりと丁寧に描かれていて、これが初代にしかない魅力だったように思える。
 特に、ロッキーが『上京生活録イチジョウ』のように、今はこんな暮らししているがいつかは一発当ててビッグになってやる!みたいにギラギラした若者じゃないのがいい。

 彼の夢はすごいささやかで、ペットショップの30近いババア(兄談)とデートがしたいってだけでさ、それがすごいつつましいんだよ。デートに誘うとことか、自分のアパートに誘うところとかさ、ロッキー超必死で、すごい健気で。セリフとかすっごいいいもんね。この脚本をスタローンが書いているのがすごい。天才。
 だいたい、ああいうメガネの地味子を恋人にするのって、男慣れしたリア充の美女よりもずっと難易度が高いと思うからね。地味子って異性や恋愛に対して猜疑心が強いから(偏見)、本当に長期的な視点にたった一途なアプローチが要求されるわけで。
 まあ、ロッキーと付き合ってから垢抜けちゃって(地味子あるある)、メガネをかけなくなっちゃったのが、メガネっ娘好きとしては残念至極だが。

 何度も言うけど、初代ロッキーはつつましい映画だと思う。つつましいから、世界チャンピオンのアポロと戦ったあとも、ロッキーは「エイドリアン」って叫ぶわけで。エイドリアンが金持ちでパツキンで巨乳の姉ちゃんだったら、あの感動はなかったと思うんだよ。
 金や名誉じゃないよっていう。だいたいロッキーってさ、高利貸の取立てやっていた無名時代から、街のみんなに「ようロッキー」とか寅さん的に慕われてるんだよね。
 だから、こんなクソみてえな暮らしはもうごめんだ、這い上がってやるぜ!っていうアメリカンドリームの話ではない気がするんだよね。それとは真逆な、謙虚なささやかさが初代の魅力なんだと思います。
 これで、当時の若者の心に火がついたっていうのがちょっと意外。映画を見た年齢とかにもよるのかな。10代で見てたら、私も生卵を5つも飲んだのだろうか。
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