改めて観ると面白い90年代のルパン三世

 ルパン三世が50周年ってことで、ユーチューブとかにいろいろ動画がアップロードされていて、ちょこちょこ見ているうちに、高校の頃以来のルパンブームが再来し、さらに金を払っている割に何も利用していなかったアマゾンプライムでルパンのテレビシリーズが全話無料で見れることが分かり、あらためて全話制覇してやろうと息巻いています。
 自分は世代的にやっぱり赤ジャケットのイメージが強くて、大人向けと名高い第1シリーズから見ていないから、全然子ども向けの荒唐無稽な番組でいいんだよね。
 最近は、声優陣がみんな変わっちゃって、なんか毎回かっこいい雰囲気だそうとしているんだけど、それが薄っぺらくて、いつの間にか見なくなっちゃったんだけどね。

 で、全話見たはずの赤ジャケットのテレビシリーズもけっこう忘れているストーリーが多くて、ほぼ初見として楽しんでいるんですが、老化とは恐ろしいもので、映画版やテレビスペシャルの内容も結構忘れていた。日テレも『カリオストロの城』しかやらねえからな。
 で、当時はそこまで面白いと思っていなかった奴が、今改めて見るとけっこう面白くて、中学高校の私はなんで面白いと思わなかったのか、という、逆思い出補正的な状況になっています。
 特に、『くたばれ!ノストラダムス』前後の90年代のルパン三世が、今見ると割と楽しい。て、ことで、最近見たルパン三世で面白かったやつ。

くたばれ!ノストラダムス
自分の中でのルパン三世のキャラデザインのイデアはこれ。特に不二子ちゃん。この髪型だろ。この前髪だろ。
クリカンが急遽ピンチヒッターとしてルパンの声をやった最初の作品だった気がするけど、けっこうこの時点でうまい。そして今よりも、山田康雄さんっぽい。なんというか、いい意味で気が抜けていて弱々しいというか。
幼い女の子に振り回される、心優しい泥棒のおじさんっていう設定はすごいいいと思う。カリオストロの城であんなことやっちゃったら、もうこれしか打つ手がないよ。
当時は、ルパン三世は優しくなりすぎた!みたいな批判があったように記憶しているが、自分は優しいルパンで別にいいじゃんって思うからね。身勝手な犯行を繰り返す凶悪犯に感情移入はさすがに厳しいからなあ。
まあ、ストーリーの構成を踏まえても、『カリオストロの城』の影響が強すぎて、さすがにちょっと意識しすぎだろっていうところはあるし、面白いかつまらないかで言ったら、まあフツーなんだけど、ルパンの基準線はここらへんだよなっていう安心感がありました。
ちなみに、この映画の悪役の声は大塚明夫さんで、まさか次元の声を引き継ぐとは夢にも思わなんだ。まあ、数年すれば慣れちゃうんだろうけど、次元って痩せぎすだけど、明夫さんって声が太いからな。最初は違和感感じそうだな。でも、この人くらいのレベルの声優しか次元は引き継げないよな。妥当な判断だよなっていう気もします。小林さんも永遠にはできないからね。おれはずらかるぜ、あばよ。

DEAD OR ALIVE
当時は作風が陰惨すぎて、ノストラダムスのルパンに慣れていた私には刺激が強く、高い評価をしていなかった映画版。
これがですね・・・今見るとめちゃくちゃ面白かった。画風(=まゆげ)と世界観が強烈なだけで、よくよく見るとルパンファミリーはいつもと同じことしかやってないんだよね(^_^;)
声優も豪華で野沢那智さんとか出てるんだけど、その野沢さんが悪趣味極まりない悪夢のようなナノマシンにちょんぎられちゃうところとか、もう、ものすごいインパクトよ。
あのナノマシンの動き、すごい気持ち悪いよな。あんな画、普通出てこないよ。監督のモンキーパンチ先生のアイディアなのだろうか。やべーよあれ。あんな絶対殺される感があるマシンって、このアニメ以外に見たことないわ。
ヒロインのドラマもけっこう作りこまれていていい。ありがとう、いい夢だった。あのセリフはうまい。

炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜
自分はルパンのキャラだと一番銭形警部が好きなんだよ。納谷悟朗さんの銭形警部が。
で、その警部が活躍するおそらく唯一の作品なんだけど、見た当時はオチがひどすぎて(徳川埋蔵金の場所がなぜか警視庁)、ひでえ脚本だって怒ってた気がするんだけど、改めて見ると、これ、ルパン三世第2シリーズ愛がすごいな、と。
まさに、THE赤ジャケットルパン的な、最初から最後までコメディなのがいい。1年に一度のTVSPだからと、すごい作りこんだ作品を期待した自分が愚かだったわけで、毎週放送していた30分枠のエピソードをちょっと高いクオリティの絵で描いたよって思えば、こんな最高な作品はない。
カーチェイスとジェットコースターのシーンは、おそらく映画館で上映されてたらちびっこの観客が爆笑するレベル。ナノマシンと逆で、とんでもなくくだらない。多分、数多あるルパン映画やTVSPのなかでも一番くだらない。

ただ、単純にくだらないだけかというと、キャラの使い方がすごい面白くてさ、私って五右衛門があんまり好きじゃないんだよ。あの人、いくらなんでも強すぎて、作中のパワーバランスを揺るがしかねない最終兵器みたいな人だからさ。
でもさ、今回の五右衛門って斬鉄剣を紛失してるんだよ。さらに、次元はひどい虫歯でピストルが撃てなくて、ルパンも不二子もらしくない失敗を繰り返してて、まあ、とっつぁんを引き立てるためなんだろうけど、ルパンファミリーが全員弱体化してるんですよ。もう、ヤッターマンのドロンジョ様一味的な感じで、全員コメディリリーフでさ。
このシチュエーションに膝を打ったよ。こうすれば、けっこうルパン三世もハラハラするぞ、と。
自分が好きなドラえもんの映画に『ブリキのラビリンス』っていうのがあって、あれがショッキングだったのは、序盤でドラえもんが破壊されちゃって、ひみつ道具なしでのび太たちが人工知能の反乱に立ち向かわなければならないという、圧倒的な心細さがあったわけで、ルパンファミリーもその実力が封じられるようなシチュエーションをつければ、けっこう五右衛門も魅力的に見えるんだなあと。あのドアロックを動体視力で目押しするシーンとか爆笑したもんなw

ちなみに、この回の黒幕は、のちに銭形警部の声を引き継いだ山寺宏一さんがやってるんだけど、個人的には今の銭形にはあんまり魅力を感じていない。
山ちゃんの銭形警部ってなんかキャラクターの理解が表面的で、まあ制作サイドからとりあえずかっこいい感じでやってくださいって言われているからかもしれないけど、納谷悟朗さんの銭形警部にあった、真面目で実直で、そこが逆にコメディリリーフ的で、でもたまに渋くてかっこいい、正義感を感じないんだよな。うん、正義感だな。
ばっかも~ん!わしは仮にも警察官だぞ、泥棒と組めるか~!みたいなこと山ちゃん言わなそうだもん。そういう、勤勉な昭和的な日本人はもういないってことなんだろうか。
ちなみに、『こち亀』では大原部長が一番好きだったので、そういうキャラが私が好きなだけなのかもしれん。
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