『風と翼:REVELATION』脚本②

回想
東京ドーム
リポーター「ヒーローインタビューです!
風間選手、ワールドベースボールクラシック優勝おめでとうございます!」
風間カイト「ごっちゃんです。ぼくが得意なナックルが決まり手になったので、イメージ通りの野球がとれたと思います。」
リポーター「これで世界一の投手となったわけですが、メジャーリーグに移籍などはお考えでしょうか?」
カイト「いえ、地元の相模ブリーズで古い仲間たちと一緒に野球を楽しんでいきたいと思います。」

ユニフォームを着替えて球場内の連絡通路を歩くカイト。
花束を持って駆け寄ってくるチアガール姿の翼
「カイトさん!おめでとうございます!」
カイト「翼さん・・・」
翼「もう付き合って半年なんですから、翼って呼んでくださいよ~」
花束を受け取るカイト「う~ん・・・翼、ありがとう。」
いい感じになる二人。

アロハシャツを着た二人組が現れる。
徳川家康&本多正信「キ~ス!キ~ス!!」
二人に気づくカイト「なんなんですか!あなたたちは!」
徳川「これはしたり、風間カイト選手ですね?」
カイト「サインなら・・・」
徳川「いえいえ、わたくし・・・ええと名刺どこだったっけ・・・」
徳川に名刺を渡す本多
「こういうものです。」
名刺を読むカイト「AIで暮らしを便利にする会社、日光テクノロジー代表取締役、徳川家康・・・」
「我社は生成型AIを組み込んだロボット開発をしておりましてね」
「なんかの営業ですか?」
「挑戦状だよ」
「え・・・?」



横浜スタジアム
スコアボードには「人間代表相模ブリーズ VS AI代表駿河レプリカンツ」と書かれている。
実況「全世界1億人のプロ野球ファンの皆様こんばんは!今夜世紀の一戦が繰り広げられます!なんと今をときめく人工知能のパイオニア、日光テクノロジーがロボット球団“駿府レプリカンツ”を結成、今シーズン日本シリーズを制した相模ブリーズに挑戦状を叩きつけたのです!
ついに、プロスポーツの世界で人間VS機械の雌雄を決する戦いの火蓋が切って落とされます・・・!!」

駿府レプリカンツ陣営
本多「観客席は満員ですよ。本当に勝てるんですか??」
徳川「知らん。だが、かつてわしのノーパン風俗の野望を打ち砕いたアイツには、一矢報いたい。」
本多「だっせえ野望だなあ・・・」
徳川「お前野球部だったよな?」
本多「う、うす。つーか、社長もやってなかったっけ?」
徳川「3年間ず~っと補欠だったよ。」
本多「俺はレギュラーでしたよ。まあ地区予選敗退レベルだけど。」
メガネを指で抑える徳川「世間にチヤホヤされて、いい気になっている陽キャどもを、このテクノロジーで全て引きずり下ろしてやる。才能の共産化だ・・・!」

相模ブリーズ陣営
グローブの状態を見ながらカイト「相手は金属製のロボットだから、接触する際は指とか挟まれないように気をつけてね。」
指を鳴らす大道寺「最近勝ち続けて退屈してたところだ。機械が人間にかなわねえことを見せつけてやるよ」
カイト「安藤くんはどう思う?」
ラップトップを開く安藤「チェスや将棋はともかく・・・ロボットに野球をやらせるのは現在の技術力では時期尚早だと思います。咄嗟に複雑な判断を行うのは、コンピュータは苦手なので・・・ただ・・・」
話を遮る大道寺「じゃあ、敵じゃねえな」
チアガールの翼「あの人たちどっかで見たことがあるんだよなあ・・・」
カイト「応援しててくれ翼。」
翼「ご武運を。」

駿府レプリカンツ陣営
スクーターに乗って現れる服部半蔵「へ~い!」
スクーターをよける本多「あぶねえ!!」
服部「す・ご・い・で・す・ね~!」
徳川「おおっ先生・・・!」
スクーターを降りる服部「冗談じゃないよ、家でアメ車改造してたら、いきなり野球ロボットを11台作れとか言うんだもん。」
徳川「完成しましたか・・・!」
球場の搬出口に手を振る服部「続いては、こちら!」
大型トレーラーが入ってくる。
荷台から、ピッチングマシーンのようなロボットが降ろされる。
服部「あれこそ、このわたしがガレージの余りもので3時間でこしらえた大リーグボールくん!」
本多「すごいやっつけ仕事じゃないっすか!」
服部「だってお前、フェラーリのスカリエッティをオート三輪に改造するほうが楽しいだろ!」
本多「なんか勿体ねえな!」
パッと見ガラクタのAIイレブンを眺める家康。
徳川「見た目はアレですが・・・プロ野球選手には勝てそうですか?」
服部「一応、ストレートで時速320kmは投げられるようにしたよ。まず見切れないでしょ」
本多「佐々木朗希の二倍じゃねえか!」
服部「メインフレーム以外のパーツは全て外して軽量化したから、ランナーロボも時速51kmで疾走が可能・・・」
本多「盗塁し放題じゃねえか!社長、これ絶対勝てますよ!」
徳川「見てろ、風間カイト・・・ここがお前の墓場となろうぞ・・・!」

審判「プレイボール!!」
ロボットのバッターを見ながらピッチャーズマウンドに入るカイト
「・・・どういうバッティングをするか予想がつかないな・・・」
とりあえず変化球を投げる。
ロボットはバットをふらない。
安藤のキャッチャーミットにボールがバシンと収まる。
「ストライク!」
もう一度変化球を投げる。
ロボットは微動だにしない。
「ストライク・ツー!」
カイト「ちょっと誘ってみるか。」
今度は甘めのカーブを投げる。
やはりバットを振らない。
「ストライク・スリー!!」
バッターが交代になる。
ナンバーだけが違うだけで全く同じバッターロボットがバッターボックスに入ってくる。
大道寺「おいおい、動かねえぞ!壊れてるんじゃねえのか!!」

駿府レプリカンツ陣営
徳川「先生・・・」
服部「油さしたんだけどなあ」

次のバッターも見逃し三振。
その次もツーストライクまで追い込まれる。

ざわつく観客席。
不安そうにチアガールの翼が観客席を振り向く。

大道寺「おいカイト・・・もはやこれじゃ野球になってねえぞ。こっちも金をとってるんだ、ロボットに花を持たせてやれ。」
カイト「打たせてやれってこと?」
大道寺「チェンジアップを投げろ」
カイト「う~ん・・・わかった」
球速の遅いチェンジアップを投げるカイト。
ロボットバッターはついにバットを振る。
カイト「動いた・・・!」
審判「ストライク!バッターアウト!!」

飽きている観客「何だ、この試合・・・つまんね~ぞ!チケット代返せ~!」
大道寺が徳川にクレームを言う。
「おいコラ!てめえは高い金払って、球場にガラクタを並べたのか!!
いい加減にしやがれ!」
徳川「なんだこの野郎、チンピラ!!まだ試合は始まったばかりじゃねえか!!」
アナウンス「1回裏。相模ブリーズの攻撃です!」
カイト「守備はすごいかもしれない・・・油断しないように」
大道寺「2本の脚で立ってるだけでフラフラしてるがな」
ピッチングマシーンのような「大リーグボールくん」がマウンドに上がる。
バットを持つカイトに囁く大道寺「いいか、バッティングセンターと変わらねえ。いつもどおりやれ」
カイト「わかった」

キリキリと音を立ててボールを乗せた腕が回りだす。
ビュンと音がなった瞬間、ボールは消えキャッチャーミットに収まる。
カイト「うわ、怖!」
時速320kmの表示。
審判「ストライク!」
カイト「ボールが見えない・・・!」
安藤「あの球速は危険ですよ!!」
徳川「ぐわっはっは!どうだ!」
安藤「先輩!見送ってください!ピッチャーが故障したら大変だ」
カイト「いや、面白い・・・!」
大道寺「打つつもりだぜ?」
翼「ファイト~!」
観客「面白くなってきたぞ!」

2球目。
バットがボールをかすめるが振り遅れる。
審判「ストライク・ツー!」
カイト「とんでもない速さだ・・・ようし・・・」
徳川「なんだ??」
バントの構えをするカイト
徳川「先頭打者がバントだと?」
服部「なるほど、かしこい。この球速ならバットに当たっただけで、ボールは外野行きだ」
本多「当てられるんすかね?」

3球目。
時速320kmの打球がバットに当たり、空高く上がっていく。
カイト「いってえ!!」
慌ててボールを追いかける守備ロボット。
ホームランコースだが、ぎりぎりファールになってしまう。
カイト「あ~惜しかった」
カイトに肩を置く大道寺「なあに、オレたちに任せろ。」
徳川「恐ろしいやつだ・・・」

2番キャッチャー安藤が打席に立つ。
カイト「とりあえずバットに当てれば飛んでくよ!」
安藤「怖いなあ・・・」
球速が速すぎて大きく振り遅れる安藤「無理です!」
大道寺「きさまそれでもプロか!」
安藤「ええい・・・こうなったらタイミングゲーだ!」
適当にバットを振り回す安藤。
ボールがヒットし、ファーストの方へ勢いよく飛んでいく。
カイト「フェア!」
大道寺「でかした!走れ!」
慌てて走る安藤「あたた・・・バットがへし折れた・・・!」
捕球にもたつく守備ロボット。
ボンボンを降る翼「安藤さんかっこいい!」
徳川「あのブタ野郎!」
ボールをなんとか取ると、ものすごい速さでファーストベースに疾走する守備ロボット。あっという間に安藤を追い抜いてしまう。
審判「アウト!」
カイト「速すぎる!!」
大道寺「ファミスタのピノじゃねーか!!卑怯だぞ、メガネたぬき!!」
センスを広げてパタパタする徳川
「どうだ!ドーピングしたベンジョンソンでも追いつけまい!」
カイト「走力が異常すぎる・・・出塁するには外野ヒットかホームランしかない・・・」
バットを持つ大道寺「オレがなんて呼ばれているか知ってるか?」
カイト「・・・頼んだ」

3番ファースト大道寺ヨシヲ。
バットを大リーグボールくんに向ける。
「花は桜木、男は石橋!お前の速いだけのストレートはもう見切った!場外までかっ飛ばす!」
敬遠してくる大リーグボールくん。
審判「ボールスリー!」
大道寺「ぬあああああああ!卑怯だぞ!!!」
徳川「勝てばいいんじゃ!」
安藤「大道寺先輩我慢して!」
カイト「とにかく出塁しよう!」
4球目もストライクゾーンを外してくるAIピッチャー。
体勢を反らせてムキになってボールを打ち返す大道寺。
「くらいやがれええええええええ!!!!!!」
大道寺が力任せに打ち返したボールは大リーグボールくんにブチあたり、AIピッチャーは爆発してマウンドに倒れる。

ベンチから立ち上がる家康「おい!あれは危険球だろ!!」
慌てて煙が上がるピッチャーロボットに方にかけていく服部。
大道寺「俺の打ち返したボールが取れない、そのポンコツが悪い!」
徳川「てめえ、このヤンキー!このロボットに何億円かけたと・・・審判~~!」
審判「ぎりぎりバッターボックスから出ていないので、ルール上は問題ありません」
徳川「でも、あいつ、絶対にわざとうちのロボットを破壊しにきたぞ!」
本多「社長、ルール上は問題ないっす」
徳川「お前まで・・・!」
ピッチャーロボを調べる服部
徳川「どうですか?」
服部「金属フレームが完全に曲がっちゃったわ。すげえパワープレーヤーだなあ」
審判「試合を続行しますか?」
服部「もう大リーグボールくんは投げられない。人間軍の勝利だ」
徳川「覚えていやがれ!」

実況「人間軍の勝利です!」
解説「いや~当然でしょう。機械ができるほど野球はそんなに甘くありません。
せいぜいチャットで気の利いた返事を返すくらいです。」

トボトボ球場をあとにする駿府レプリカンツ
徳川「AIの技術は人間の才能を凌ぐんじゃないのか?なぜ勝てない!!?」
服部「大丈夫、データが集まれば、じきに必ず勝てる。
なにしろ、機械は疲れないし、病気やケガもないから。
壊れたら同じものを取り替えるだけ。」
徳川「そもそも、我が駿府レプリカンツは観客に人気がない!観客席を見ていたか、誰も応援してなかったではないか。まるで我々は悪役だ。
これでは仮に勝ったとしてもブーイングですぞ」
腕を組む服部「う~ん・・・」
本多「見た目なんじゃないですか?」
徳川「見た目?」
本多「だって、これ、すっげえダセエもん。ピッチングマシーンが人間に勝ったって別に感動しねえし・・・バッターロボだって、脚と腕しかないじゃん。不気味でこええし」
徳川「おま・・・服部先生がいる前でよく言えるね・・・」
服部「まあ、うちにあったガラクタだからね。」
徳川「先生それをいっちゃあ・・・!」
服部「なるほど、見た目か・・・」
本多「先生、オレ、息子いるんすけど、その息子が超鉄腕ガンダゲリギアスってアニメにはまってて、そのオモチャがすっげえかっこいいんすよ。それっぽくデザインを変更できないですかね?」
服部「考えてみよう。そのアニメのオモチャを今度送ってくれない?」
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