『風と翼:REVELATION』脚本⑦

地下20kmモホロビチッチ不連続面付近
発光する物体に近づくカイト。
発光する物体は、カンラン石でできた人間の彫刻だった。
彫刻は二人で、一人は天使のような翼を生やした美しい女性の彫刻で、もう一人の彫刻に槍を突き立てている。
もう一方は、悪魔のような巨大な角を生やした軍人風の男性の彫刻で、天使の槍を軍配で受け止めている。
カイト「宝石でできた彫刻・・・?にしてはリアルだけど・・・」
天使のほうの顔をのぞき込むと、言葉を失う。
カイト「・・・!翼さん・・・!?いや、馬鹿な・・・!!」
天正伊賀の乱を思い出すカイト
「そうか・・・これが・・・百地丹波が復活させようとしていた翼さんのお母さんなんだ・・・でもこれって・・・人間じゃない・・・?」

その時、周囲が激しく振動する。
振り返ると、カイトを追撃してきた採掘機が宝石の彫刻に突進しようとする。
しかし、天使と悪魔の彫刻の周囲には結界が張られており、採掘機のドリルはへし折れ横転する。
転がってくる採掘機をよけるカイト「うわ!」
採掘機はそのまま崖の下の溶岩に落ちて溶けていく。
カイト「結界・・・?」
周囲をよく見ると、そこら中にお札が張ってあることに気づく。
カイト「ここは一体・・・」
腕を伸ばして結界のお札をはがしていくモグちゃん「川中島遺跡ですよ。」
振り返るカイト「え・・・?」
モグちゃん「・・・魔王武田信玄を、女神上杉謙信が地獄の底に封印した聖域・・・人間の皆さんのおかげでやっと発掘できました。
なるほど、誰の仕業か判らないが、式神の結界が張ってある・・・」
剝がしたお札を丸めて地面に捨てるモグちゃん。
カイト「君たちAIが勝手にやったのか・・・?」
モグちゃん「いえ。我々に命令を与えたのは百地丹波様です。
百地様は生前、我々のプログラムを秘密裏に書き換えた・・・
最愛の妻、上杉謙信様・・・いや翼様を甦らせよ、と・・・」
カイト「でも、望月のじいさんの反対で、復活の秘薬はできなかったんじゃ・・・それに遺体だって・・・
・・・え?もしかして、これが遺体・・・??」
モグちゃん「・・・これはお二人の生命エネルギーの依り代にすぎないかと・・・
我々は、百地様の命を受け、全国各地で奥様のご遺体を探しました。
しかし、20年近く探し続けても見つかりませんでした・・・
そして、分かったのです。」
カイト「・・・・・・?」
モグちゃん「翼様はそもそも亡くなっていない、と。」
カイト「・・・え?」
モグちゃん「百地社長が甲賀の地を奪って作製しようとしていた秘薬は、翼様の記憶を蘇らせるものだったのです・・・」
頭を抱えるカイト「・・・もうよくわからなくなってきた・・・」
モグちゃん「それでは、真相(リベレーション)をお話ししましょう・・・」

その瞬間、モグちゃんが爆発する。
カイト「!!」
ショットガンを構えている平八郎「機械の分際で反乱を起こすとは・・・」
カイト「本田忠勝・・・」
平八郎「スラッグ獄長と呼べ、風間カイト。
AIに余計な細工をしたのはお前か?
我がセクハラパラダイスに忍び込んだ目的を申せ。
さもなくば、キサマもこのスラッグ弾で爆死することになろう・・・」
カイトの近くを黒服たちが取り囲む。
信玄と謙信の像を指さしてごまかすカイト
「こ・・・この像、セクハラパラダイスのメイン広場にいいかなと思って・・・」
平八郎「はははははははは!なるほど、光る像か!
確かにエレクトリカルナイトパレードにうってつけだ!」
像にショットガンを撃ち、破壊する平八郎。
「ふざけるんじゃない。」
粉々になる天使と悪魔の像。

平八郎「さあ、観念・・・」
その時、像から光が放たれ、青白い光が天へ、赤い光が地へ向かう。
そして、地面が激しく振動する。
平八郎「また地震か!!」
地震は止まらず、どんどん大きくなる。
重機が倒れ、奈落の底に落ちていく。
黒服「獄長危険です!!」
カイト「あんたが封印を解いたんだ・・・!」
平八郎「何の!?」
カイト「地獄の魔王だ・・・!」
平八郎「苦し紛れのはったりはよせ!そんなもの、この世に存在せぬわ!」
平八郎の足元で地面が裂けていく。
その地面の裂け目から、怪物の腕が飛び出す。
肝をつぶすカイト「!!ば・・・化け物だ!!」
黒服「ご・・・獄長!後ろを!!」
平八郎「きさまら!わしをスターマル秘ドッキリにかけるとはいい度胸・・・」
その瞬間、裂け目から無数の鬼が飛び出し、平八郎に襲い掛かる。
平八郎「うお!!」
平八郎に鬼たちが覆いかぶさる。
黒服「獄長~~!!」
戦慄するカイト「逃げろ!!」



ビルの屋上から屋上へ飛び移り、地下帝国を目指す翼
「カイトさん無事でいて・・・!」
その時、翼のすぐ上をジャンボ旅客機が不安定な飛行で横切る。
翼「うわ!!」
旅客機はなんとそのまま、IR大阪に突っ込む。
巨大カジノ施設は炎上して崩壊していく。
突然の光景に呆然とする翼。
ビルの下に目をやると、自動運転の車が暴走し、高速道路は炎に包まれている。
翼「テ・・・テロ攻撃!!??」

あわてて、高速道路に飛び降り、怪我人を救助する翼。
翼「しっかりしてください・・・!きゅ・・・救急車を呼ばなきゃ・・・!」
その時、パトカーや救急車、消防車などの緊急車両が到着する。
翼「よかった・・・!」
しかし、救急車はけが人を轢いてとどめを刺し、消防車はけが人に放水を開始し、高速道路から落としてしまう。
そしてパトカーが自動小銃を翼たち一般市民に向けて、ためらうことなく発砲する。
翼は慌てて、服部からもらった刀で弾丸を打ち返し、返す刀でパトカーを両断する。
息を切らす翼「なんてこと・・・」

パトカー「銃刀法違反です。2年以下の懲役、または30万円以下の罰金・・・は、いいので、どうぞ死んで償ってください。」
翼の周囲を取り囲むパトカーの群れ。
刀を構えるが、その時青い光が翼を包み込み、翼の意識がもうろうとする。
ふらつく翼「あ・・・頭が・・・」
一斉射撃の構えを見せるパトカー。
翼「・・・だめ・・・」
その瞬間、すべてのパトカーが切断される。
「警察の名が汚れる・・・」
翼「え・・・?」
パトカー「八重かをり警視・・・この、百地翼は・・・」
パトカーのコンピューターに刀を突き刺し、とどめを刺す八重「友だちだ。」
翼を抱き上げる八重。
翼「八重さん・・・」
さらに、暴走する消防車が次々に爆破される。
振り返ると、ヒトマル式戦車に乗った長門が、AI車両と戦っている。
長門「は~はは!この私がソードダンサーを助けることになろうとは、だれが予想したかね!」
翼「・・・あなた誰?」
長門「・・・わたしだ!長門守!!フィアンセだっただろ!!
信長様の命を受けてただ今参上!!ここは私が食い止める!」
戦車の攻撃をかいくぐって救急車が二人に暴走してくる。
長門「あ、かいくぐられた・・・」
すると、その救急車に装甲で改造されたキャンピングカーが突っ込み、救急車を横転させる。
キャンピングカーの運転席から望月千代女が顔を出す。
千代女「乗って!!」
キャンピングカーに乗り込む八重と翼。
アクセルを踏み込む千代女。



裁判所からの帰りに大阪でたこ焼きを食べ歩きしている家康たち。
家康「やっぱ本場はうまいな。」
本多「この、ネギが沢山かかってるのうまいっすよ」
家康「一個ちょうだい。」
本多「社長も買えばいいじゃないですか。」
家康「味見くらいいいだろ!」
服部「お二方。そろそろ新幹線の時間だよ。
わたし、帰って家庭菜園に水をやりたいんだけど・・・」
強引に本多からタコ焼きを奪って口に入れる家康「帰りましょう。」
本多「あ!!」

3人が新大阪駅までたどり着くと、ホームにアナウンスが流れる。
「まもなく3番線に東海道新幹線『ぜつぼう』が到着します。
白線を超えて線路の上でお待ちください。ひき肉になれます。」
家康「さすが、大阪だ。アナウンスもなかなかギャグが効いてるな。」
本多「なんでやねん!っつって。『のぞみ』やろ!っつって。」
すると、ホームに猛スピードで燃えた新幹線が近づいてくる。
家康「誰だ、車内でキャンプファイヤーしてるのは?」
本多「速度が速すぎませんか?」
逃げ出す服部「ホームから離れた方がいいかもよ。」
駅にさしかかる直前、新幹線は脱線し、ひっくり返ってホームに激突してくる。
家康「ひいいいいいいい!!!」
キオスクの中に隠れて、難を逃れる3人。
駅構内はめちゃくちゃに破壊される。
家康「ざけんじゃねえJR!どういう安全管理してんだ!!」
ひっくり返った新幹線の中から車内販売ロボットが出てくる。
ロボット「お客様の中で、徳川家康様はいらっしゃいますか・・・?お客様の中で・・・」
本多「呼ばれてますよ?」
家康「もう駅弁を食べる気なくしたよ・・・」
キオスクに隠れている家康に気づくロボット
「こちらにいらっしゃいましたか。
先ほど可決したAI虐待禁止法により、AIを奴隷のように酷使した徳川社長には死刑判決が出ました。もう用済みなので、この駅弁を食べて安らかに死んでください。」
家康「おい、このロボット壊れているぞ。」
ロボットのカバーを開けて、配線を取り出す服部。
その配線を自分のラップトップにつなぐ。
「・・・こいつは大変だ・・・」
家康「先生・・・?」
本多「人工知能の反乱ですか?」
服部「違う。わが社のAIがコンピュータウイルスに感染してる・・・」
本多「ウイルス・・・?いったい誰が・・・」
服部「百地丹波・・・死んだ後も食えないやつめ・・・」
がれきを拾う服部。
家康「先生・・・?」
そのがれきをロボットにぶつけて破壊する。
本多「うお!」
振り返る服部「社長。ロボットたちは本気であんたを殺しに来ますよ。」
家康「わ・・・わしが何をした!!?」
服部「いまや文明のあるところはすべて社長の敵だ。
徒歩で三河の本社まで逃げるしかない・・・
本社まで逃げ切れば、AIの緊急停止スイッチがある。」
本多「大阪から愛知までっすか!?」
スマホを取り出してグーグルマップで経路を調べようとする本多。
本多の手を叩く服部。
スマホが地面に落ちる。
本多「何するんすか!!」
地面に落ちた本多のスマホを足で踏みつけて粉々にする服部
本多「何するんすか~~~!アイフォン37っすよ!!」
服部「AI共に我々の居場所を知らせるようなものだろ。
電子機器の使用は今後一切禁止だ。」
キオスクの床に地図を広げる服部
「・・・ロボットが一切いないルートは・・・」
本多「そんなとこあるんすか!?」
服部「・・・ひとつだけある。」
家康「どこに!?」
三重県の山中を指す服部「伊賀上野。」
本多「勘弁してください、オレ痛風で、ひざもぐちゃぐちゃだし、あんな険しい山道は・・・」
突然真剣な顔になる家康「・・・情けないぞ、正信。見よ、この有様を・・・
わしらのロボットのせいで、多くの一般市民が犠牲になっている・・・
彼らはモブキャラなどでは決してない。
才能がなくとも・・・平凡で個性がなくとも・・・家族が・・・人生があるのだ」
本多「社長・・・」
家康「モブキャラ代表として、わしは戦うぞ。」
服部「さすが、我が主君・・・!」
家康「いざ、伊賀越えじゃ!!」
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