『風と翼:REVELATION』脚本⑨

夜。
雪化粧の伊賀山中
家康「はくしょい!」
廃墟となった伊賀エージェンシーの本社ビルに入る家康一行。
家康「あった・・・ここなら雪をしのげよう・・・」
本多が地面にキャンプ用品を並べる。
本多「麓のWILD1からかっぱらってきました。」
家康「山賊じゃねえか・・・」
本多「麓の町は壊滅です。もう誰もいません。」
携帯燃料で火種を起こす本多。
家康「手際がいいな。」
マシュマロを焚き火で焼く本多「一時期、家族でキャンプにはまってたんすよ」

焚き火を囲んで座る3人。
鉈で木を削って武器を作っている服部。
焚き火を眺める家康「AIで安寧の世を築こうとしたが・・・またしても失敗だ・・・
わしのビジネスは成功したためしがない・・・」
本多「確かに。今川焼き屋は集団食中毒出したし、地下風俗は売上金強奪されたしね。
・・・はい、じょうずに焼けました」
焼きマシュマロを家康に渡す本多
マシュマロをほおばる家康「お前は、ずっとついてきてくれるよな・・・」
本多「小学校からの仲じゃないっすか。」
家康「正信・・・」
その時、外の茂みで動物の悲鳴が上がる。
家康「ひいい!」
服部「罠にかかったようだ。どっこいしょ。」
立ち上がって、建物から出て行く服部。
茂みの中に消えていく。

本多「・・・失敗なんて慣れっこじゃないですか。
渡る世間に鬼はなし・・・一からもう一度頑張りましょうや」
服部「これって食べられるかな・・・?」
服部が、罠にかかった鬼を引きずってくる。
本多「うわキモっ・・・!」
家康「先生、なんという動物ですか、これは・・・!」
服部「おそらく地獄の鬼だと思う。
AIが翼を解放するために、魔王信玄の封印も解いてしまったということか・・・」
家康「信玄・・・!?太平洋戦争を起こして日本をめちゃくちゃにしたデーモンじゃないですか!」
本多「でもあいつはA級戦犯になって処刑されたんじゃないすか?
俺は小学校でそう習いました。」
鉈を振り上げる服部「鬼は・・・」
ダン!と、鬼の腕を切断する服部。
「決して殺せない・・・」
切断された腕がわずかに再生しているのがわかる。
家康「・・・生きていたのか・・・」
切断した鬼の腕に鉄串を突き刺し、焚き火で炙る服部。
服部「そして信玄は同じ失敗を繰り返さない・・・
今度こそ太平洋戦争で欧米に勝つつもりだ・・・」
鬼の腕が焼けていく。
服部「世界は再び地獄の業火に包まれる・・・」
家康「なんとかならんのですか、先生・・・」
鬼の腕のバーベキューをかじる服部。
服部「翼の記憶がよみがえることに賭けるしかない・・・」
「翼?」
壁にかかっている結婚式の写真を鉄串で指す服部。
家康「・・・?このギャルどっかで・・・」
本多「・・・あ!風間カイトの彼女ですよ!チアガールやってた。」
家康「先生・・・チアガールに、なんとかなる問題なのですか・・・?」



望月忍者屋敷
翼「私には無理です・・・!」
金吾「お主の父は言っておった・・・お前さんには神にも等しい力が秘められておると・・・
戦時中、医学者だったわしは、養命酒と間違えて、あの信玄に不老不死の秘薬を調合してしまった・・・
その時の後悔から、弟子の百地丹波が死者を復活させることに反対したのじゃ・・・
・・・死を超越したものは、もはや人間ではない・・・鬼じゃ。
鬼を倒せるのは、神しかおらぬ。」
翼「わたしはただの人間ですって・・・!
魔王なんて倒せません・・・!!」
金吾「・・・己の運命から逃げるのか・・・?」
千代女「全ての元凶はアンタでしょ!!」
翼「わたしは・・・人間です・・・」
千代女「その問題は一回置いておきましょう。
心配なのは地獄に落ちたカイトくんよ・・・」
翼「!・・・カイトさん・・・!」
日本経済新聞の一面を見せる千代女。
新聞を読む翼「首都移転計画予定地、大地震で陥没・・・作業員の多くが今なお行方不明・・・」
千代女「力を貸してくれないかしら・・・翼ちゃん・・・」
翼に鶴姫一文字を渡す。
金吾「己の運命・・・」
千代女「うるさい。」
武装した八重たちが部屋に入ってくる。
八重「・・・鬼の討伐隊の準備は整ったわ。いつでも出撃できる・・・」
長門「甲賀から東京までのルートは切り込み隊の柴田、丹羽、滝川が確保した・・・!
いくなら今しかないぞ。一騎当千の信長四天王も、さすがにいい年だ・・・疲れちゃうからな。」
千代女「翼ちゃん・・・」
立ち上がる翼「これは討伐隊じゃない・・・救助隊です。
すぐに助けに行きます。」
その姿を見て、笑顔になり部屋の奥へ引っ込もうとする金吾「・・・・・・。」
逃げ出そうとする金後の首根っこを掴む千代女
「今回はあんたも来なさい!」
金吾にバンバンガンを突きつける長門「己の運命から逃げるんじゃない、むき卵。」
剣先をむける八重「・・・全ての元凶・・・殺すわよ・・・」
金吾「反省してま~す」



田舎の国道で、スポーツカーを走らせるサラ
ラジオ「警視庁交通管制センターです。自動運転の故障で、東名高速は大規模な追突事故が発生、120kmの渋滞となっています。」
助手席でぼやく秀頼「我々が恐れていたことが現実になったな・・・」
踏切の遮断機が降り、車を停車させる。
秀頼「カイト殿や翼殿が無事だといいが・・・」
サラ「あの二人ならきっと大丈夫・・・最高の忍者だから・・・
悔しいけど・・・お似合いのカップル・・・」
秀頼「まだ好きなんじゃないのかね・・・」
サラ「私には、カイトくんを助けに行く勇気も力もないから・・・
私はいつも口だけ・・・」
秀頼「自分の気持ちを伝えたほうがいいぞ・・・」
サラ「こんな事態で愛の告白なんかしている場合じゃないですよ」
秀頼「こういう事態だからこそ。」
その時、輸送トラックが追突してくる。
サラ「ちょっと何してんのよ!!!弁護士の初任給で買った911カレラよ!?」
バックミラーに目をやるサラ。
サラ「運転手が乗っていない・・・」
秀頼「AIにとって我々は天敵だ。
交通事故に見せかけて抹殺するつもりなのだろう・・・!」
線路には貨物列車が近づいてくる。
秀頼「このままでは、貨物列車にぶつかる・・・!」
ギアをリバースレンジに入れる。
秀頼「トラックと力比べする気か!!」
サラ「トラックはせいぜい400馬力・・・!
6気筒水平エンジン、ツインターボの力を見せてやる・・・!」
秀頼「無茶するな・・・!」
なんとか、貨物列車が通り過ぎるまで踏みとどまり、踏切をわたりトラックが上がってこれない丘の上まで逃げるスポーツカー。
AIトラックはそのまま通り過ぎていく。
秀頼「これも家康の余興か・・・?」
サラ「・・・これから、どこに逃げれば・・・」
秀頼「安全な場所が一つだけある・・・」



地獄
神輿に乗って信玄の玉座に現れる平将門。
「武田のオヤジ、連れてきたぜ。」
義経「神輿から降りなさい、総統閣下の御前だぞ・・・」
将門「神田神社の祭神が神輿に乗って何が悪い。
わりーけど、オレッチは関東八州の新皇だかんな?
まあまあ偉いかんな?」
小声で義経「ただの朝敵じゃねえか・・・」
将門「おめーも朝敵だっただろ!」
信玄「源平合戦は給湯室でやってくれるか・・・?」
義経「・・・失礼いたしました。」
将門「おう、お客さんを神輿から下ろせ!」
鬼「ほら、降りるんだ!」
神輿から降ろされるカイト。
そこらじゅうに旧日本軍の軍服を着た鬼たちがいる光景にビビってしまう。
カイト「ひいいいい!絶対こいつらに食い殺される~~!!」
義経「人間なんて食べませんよ!ぼくらはヴィーガンなの!」
カイト「うそだ!じゃあ、お前らは何でタンパク質を摂取してるんだ!」
将門「大豆。」
カイト「フェイクニュースだ・・・!じゃあ節分は一体・・・」
信玄「もういい、落ち着け人間よ・・・」
カイト「あんた・・・!あの石像の・・・!」
信玄「左様・・・吾輩は魔界の王、武田信玄。
青年よ、この度は封印を解いてくれて礼を言うぞ。」
カイト「いや、あれはちょっとした事故で・・・」
信玄「まあよい・・・このマントルまでやってきた生身の人間は初めてだ・・・
そなたの名前を聞こう・・・」
カイト「風間カイトです・・・」
鬼たちがざわつく「風魔・・・?」
信玄「・・・・・・。」
義経「風間カイトさん。偉大なる総統閣下が、あなたに勲章を授けてくださいます。
ありがたく頂戴するように。」
カイト「あの・・・そろそろ帰ってもいいですか・・・?」
義経「キミ、ちょっと失礼だぞ!!」
信玄「風間カイト・・・貴様・・・もしかして、信長や秀吉を倒した、あの伝説の忍か?」
カイト「なんで地獄の魔王がぼくを知ってるんですか??」
信玄「貴様の武勇はこの地獄にも聞き及んでおる・・・
ぜひ、その力を見込んで我々に協力をしてもらいたい・・・」
カイト「お、お前たちの地上征服の協力はできないぞ・・・!」
信玄「そんなことは考えておらぬ・・・我々は地上の人間との平和的共存を望んでいる・・・」
カイト「そうなの・・・?」
信玄「我々はこの見た目で、古くから人間たちに誤解され・・・差別されてきた・・・
この地獄は、鬼の強制収容所なのだよ・・・」
カイト「・・・え・・・」
信玄「吾輩は、哀れな鬼たちをここから解放したいだけだ・・・」
カイト「でも、鬼を差別した人間を恨んでいるんじゃ・・・」
信玄「憎しみからは何も生まれぬ・・・
我々鬼は誰よりも平和を愛している・・・」
侵略計画用の日本地図を指差すカイト「この地図は・・・?」
信玄「鬼が友好を結んだ都市だ・・・」
カイト「そうか・・・すでに東京は鬼を受け入れているのか・・・
ダイバーシティだもんな。」
信玄「そ・・・そうだ・・・
風間カイトよ、貴様こそ人と鬼の世界をつなぐ未来の架け橋になる男だ・・・」
カイト「人と鬼の・・・架け橋・・・」
将門「そもそも普通の人間は、ここの圧力に耐えられないもんな。」
義経「確かに・・・」
カイト「で・・・ぼくは何をすれば・・・」
信玄「簡単なことだ・・・東京都との国交樹立を記念して、この装置を東京スカイツリーの頂上に設置してくれるだけでよい。」
球体状の装置を受け取るカイト「なんですかこれ・・・」
義経「地獄のテレビ番組が地上でも映るチューナーです。」
カイト「へ~」
信玄「引き受けてくれたら、この将門が神輿で地上まで返そう・・・」
将門「あたぼうよ」
カイト「鬼さんたち・・・見た目はおっかないですが・・・
実は悲しい境遇にあったんですね・・・」
信玄「わかってくれたか・・・恩にきるぞ、風間カイト・・・!」
カイト「ぼくが人と鬼をつなぎます・・・!」

大本営を出て行くカイト。
信玄「・・・あいつ本当にバカだな・・・この履歴書に書いてあるとおりだ・・・」
平八郎の履歴書をめくる信玄。
「風間カイト・・・人を決して疑わず、情に厚く、弱きものの味方で、誰に対しても敬意と思いやりがある・・・」
義経「最後の方、ちょっと涙ぐんでましたもんね・・・」
大本営のモニターがつく。
不敗の大王アレキサンドロス(中東の地獄の支配者)
「おい、武田総統・・・世界全面攻撃の命令はまだなのか?
こっちは戦いたくてウズウズしてんだ。」
国士無双の韓信(中国の地獄の支配者)
「中国、ロシア方面はこの韓信に任せてちょうだい。国家主席の股をくぐると見せかけて、タマタマを握りつぶせば、中国共産党は崩壊よ。」
雷光のハンニバル(ヨーロッパとアフリカの地獄の支配者)
「下品なやつめ・・・武田総統、こちらも戦象の準備は万端だ。
100万頭のアフリカゾウを用意した・・・EUは7日で征服して見せよう・・・」
信玄「ぐははは・・・
あのバカ忍者が、日光遮断システム“トータル・エクリプス”をスカイツリーに設置すれば、地上の人間は皆殺しだ・・・」
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