『青春アタック』脚本⑨男耕女織

体育館
海野「今日はサーブの練習をしましょう。
バレーのサーブは大きく2つのやり方があって、クロールのように上から腕を振るうフローター、ゴルフスイングのように下から腕を振るうアンダーがあります。
試合ではもっぱらフローターサーブを使いますが、トスを安定させるなどコツがいるので、初心者は相手コートに入れやすいアンダーがおすすめです。
ちょっとお手本を見せるね・・・」
ボールを上に投げて奇麗なスイングでサーブを打つ海野。
ちおり「かっけー!」
乙奈「テニスのサービスをラケットなしで行う感じなのですわね・・・」
海野「そうかもしれないね。」

花原「ジャンプしないスパイクみたいなもんでしょ・・・」
得意げにボールを投げて力任せにたたきつける花原。
ボールは真下に吹っ飛び、床にバウンドし、花原の顎にぶつかる。
もんどりうつ花原「ぎゃああああああ!」
目を輝かせるちおり「もう一回やって!超面白いから!」
腹を抱えて笑う山村。
花原「・・・おまえら・・・」

ちおり「今度はわたしがやってみる!」
海野「生原さんはトスがきれいだから上手かもね。」
ちおり「いっくよ~!てい!」
ちおりのサーブが花原の後頭部にきれいに当たる。
花原「ぎゃあああああああ!!」
腹を抱えて大爆笑する山村。
花原がボール籠に入ったバレーボールをちおりに投げつけまくる。
花原「てめえ、わざとだろ!!」
追いかける花原と逃げるちおり「にゃ~~」
乙奈「アメリカでこういうアニメありましたよね。」
海野「トムとジェリー・・・?」

花原がちおりに向けて剛速球を打つ。
ジャンプしてよけるちおり。
剛速球がそのまま、体育館に入ってくる男子生徒の方へ飛んでいく。
海野「あ、危ない・・!」
その剛速球をたやすくレシーブし、上に上がったボールを自分でバックアタックする男子生徒。
アタックを顔面にまともに食らう花原「ぎゃあああああああ!!!」
吹っ飛んで床に倒れる花原。
海野「!花原さん・・・!!」
救急箱を取り出す山村「一日三度はまずい・・・!」
男子生徒「馬鹿どもが・・・バレーボールはふざけてやるお遊戯じゃねえ・・・」
海野「あなたは・・・男子バレー部の・・・」
大此木「落ちぶれたもんだな海野部長・・・
お前さんにとってバレーボールはこの程度のものだったのか・・・?」
海野「大此木くん・・・」
鼻にティッシュを入れている花原「・・・ちょっと!顔の形が変わったらどうすんのよ!」
大此木「もっと美人になるんじゃないのか?
バレーボールを玩具にしていたのはお前だろ・・・
ふざけてスポーツをやると、こういうことになるんだ。覚えておけ・・・」

花原「あんたね~!男子が女子に暴力を・・・」
海野「花原さん、いけない・・・!」
すると、大此木は花原の背後に回り
大此木「こういうときだけ・・・」
花原に腕を回し抱え込み
大此木「ジェンダーを・・・」
長身の花原をもちあげてしまう。
大此木「持ち出すんじゃない!」
花原にアルゼンチンバックブリーカーを決める大此木。
マットに沈む花原「ぎゃああああああああ!!!」
ちおり「かっこい~!ルチャリブレだ!!」
山村「美しい・・・」
べそをかく花原「何すんのよ~痛いじゃない・・・」

慌てて割って入る海野
「バレーボールでふざけていたのは謝る・・・!謝るからプロレス技はもう許して・・・!」
大此木「わかったか、女子ども・・・!
お前ら女子どもにバレーをやる資格はない。とっととこの体育館からうせろ。解散だ・・・」
その時、楽しくなっちゃったちおりが大此木にドロップキックを決める。
ぶっ倒れる大此木「うお!!」
海野「生原さん、なにを・・・!」
山村「見事な空中殺法だ・・・」
アントニオ猪木の雑なものマネをするちおり「ありがとー!!」
起き上がってメガネを直す大此木「なんだ、このアラレちゃんみたいなやつは・・・」
花原「私のためによくやった、ちおり・・・」
花原にマスクをかぶせようとする生原「さあ、これをかぶって、私とタッグを組もう!」
もがく花原「嫌よ!なにすんのよ・・・!くさい・・・!」
ちおりを見つめる大此木「こいつか・・・」

ちおりを抱える海野「この子に悪気はないのよ・・・」
大此木「いいか、放課後に体育館を使いたいのはお前らだけじゃねえ。
真面目にやらねえなら、男子に使わせろ。」
海野「で・・・でも現在の男子の運動部に屋内競技はないはず・・・」
大此木「我々男子バレー部も活動を再開してね・・・今後は俺たちが使う・・・」
海野「いきなりそんなこと言われても・・・」
大此木「はっきり言う。お前らの実力では大会優勝は不可能だ。
過去の実績がある男子バレー部が使ってこそ、この体育館は光輝くというもの・・・」
花原「何言ってんのよマッシュルーム!やってみなきゃわからないじゃない!!」
大此木「ほう・・・国体に出場経験があるオレ様に、キサマら素人が勝てると・・・?」
トーンダウンする花原「え・・・?国体に出たのですか・・・?」
乙奈「あらあら・・・過去の栄光にすがりつくなんてみっともないですわよ・・・大此木さん・・・
肝心なのは今、どれだけ努力を重ねているかです・・・
そこまでおっしゃるなら体育館の使用権をかけて、白黒つけようじゃありませんか・・・」
慌てる海野「お・・・乙奈さん・・・?」
大此木「言うじゃねえかカナリア女。
(山村の方を向いて)おい、おかま野郎、お前はどういう見解だ?」
山村「オレのことか?このマッスルはいつでもか弱き者の味方だ・・・」
大此木「よう言った!男子VS女子、全面戦争の始まりだ!」



コートにスコアボードが運ばれる。
ホイッスルを首にかける病田。

体育館に観衆が集まってくる。
男子「一部のイケメン以外はゴミムシのように扱いやがって・・・!てめえらもう許さねえぞ!」
女子「黙れ!あんたらちょこちょこ私たちをエロい目で見てるの知ってるんだからね・・・!
マジでキモいんですけど~」
男子「誰がブスのパンツなんか見るかよ!」
女子「へんた~い!」
コートの左右で男女に分かれて罵り合っている。

乙奈「・・・わたくしたちの試合が男女の代理戦争になっておりません・・・?」
山村「・・・愚かな。」
花原「・・・オコの野郎、遅いわね・・・逃げたんじゃ・・・」
海野「病田先生は審判をお願いします。」
おろおろする病田「あ・・・あの・・・万が一ミスジャッジをしたら・・・」
ちおり「市中引き回しに遭うと思うよ!」
めまいで倒れかける病田
海野「・・・先生・・・!」

体育館に入場する大此木「待たせたな女子バレー部!」
女子バレー部が振り返ると、大此木は野球部とサッカー部とテニス部と陸上部と水泳部の主将を引き連れている。
花原「・・・!ちょっとバレー部じゃないじゃない!!」
大此木「わたしは運動部に顔がきいてね・・・!特別に集まっていただいたのだよ・・・!」
花原「こんなの卑怯よ!こっちは運動部は海野さんしかいないのよ!
山村は一体何の部活動か不明だし・・・!」
山村「筋肉トレーニング部だ。」
ちおり「それスポーツなの?」
山村「無論だ」
海野「ま・・・まあ、男子で運動ができる山村くんがこっちにいるのは心強いわ・・・!」

観客の男子たちからブーイングが飛ぶ
「てめ~山村~!男子のくせに女子の味方につくのか~!裏切り者~!死ね~!!」
ちょっと心配する花原「山村・・・あんた、今後の学校での立場的に大丈夫なの・・・?」
意に介さない山村「ふっ・・・言わせておけ・・・
言ったはずだ・・・俺は最後まで女子の味方だと・・・!
諸君に口だけではないことを見せてやろう!!」
そう言うとジャージを脱ぐ山村。なぜか女子の体育着とブルマーを履いている。
ドン引きする女子たち「ぎゃあああああ!変態!!!!」
中にはショックで泣いてしまう女の子もいる。
きらびやかにポージングをする山村「どうだ!なかなか似合うであろう・・・!」
花原「こいつ・・・メンタルの怪物か・・・」
ちおり「なんでマッチョってビキニパンツ履きたがるんだろうね。」
ビキニパンツの水泳部(・・・負けた・・・)



病田「そ・・・それでは、只今より男子対女子のバレーボール時間無制限1本勝負を行います・・・
ルールはサイドアウト制、10点先取したチームが勝利となる特別試合です。」

海野「いよいよ始まるわ・・・バレーボールはサーブ権があるチームがラリーを制した場合に得点となるの。サーブはコートの後衛、ライトの選手が打ちます。」

女子の方に目をやる大此木「今、ルールを説明してやがる・・・なめられたもんだ・・・」
運動部の主将たち(オレ達もルール知らないんだけどな・・・)
大此木「おい海野!最初のサーブ権はお前らにくれてやる!武士の情けだ。」
海野「本当に・・・?ありがとう大此木くん!」
大此木「その笑顔はやめろ!なれあいはせんぞ女子!」
サッカー部「海野さん本当にいい子だよな・・・」

サービスエリアに入る海野。
海野(力ではこっちには分がないわ・・・相手コートからボールが返ってきたら負ける・・・
私がやれることは・・・)
海野がボールを高く上げる。
ハッとする大此木「・・・いかん!」
ダッシュをして本気のジャンプサーブを打つ海野。
男子コートにプロ並みの剛速球が飛んでくる。
さすがの男子も球速が速すぎて見きれず、水泳部の顔面に当たる。
ゴーグルが木っ端微塵に割れる水泳部「ウルトラソウル!!」
大此木「水泳部~!!!」

ホイッスルを鳴らす病田「女子チーム先制です・・・!」
海野「だ・・・大丈夫!?怪我はない・・・!??」
恐怖で顔がひきつるサッカー部「・・・え?なにあれ・・・時速100kmは出てないか・・・?」
大此木「後衛!気をつけろ!!海野の野郎サービスエースで決着をつけるつもりだ!!」
ちおり「海野さんすげ~!!」
テニス部「大此木くん、聞いてないぞ!ラケットなしで我々にあれをレシーブしろというのか!!」
大此木「男子がひるむな!たかが女の打ったボールだろ!!
あんなもん男子バレー界ではしょっちゅう飛んでくるわ!」
今度はテニス部のみぞおちに海野の剛速球が当たる。
テニス部「ぐええええええええ!!!」
陸上部「優しい顔して、一切の手加減がない・・・」

怯えるサッカー部「・・・次は俺だ・・・だが、俺もU18に選ばれた男・・・
球技で無様な姿は見せられない!!」
海野がサッカー部にボールを打ってくる。
海野のボールを見切って、オーバーヘッドシュートを決めるサッカー部。
サッカー部「見切った~~!!必殺・・・高橋陽一!!!」
そのボールが大此木の後頭部に当たる。
大此木「ぎゃああああ!!!」
海野「よしこれで3点!」
大此木「蹴るな~~~!!!」
サッカー部「ダメなのか?」
海野「ルール的にはだいじょうぶだよ!」
サッカー部「ようし、もう一回お願いします・・・!!」
大此木「やめろ!」
もう一度海野のサーブを蹴り返すサッカー部「必殺樋口大輔!!」
また大此木の後頭部に当たる「があああああああ!!!」
爆笑する花原「人がボール当たってるのみるの、めちゃめちゃ面白いわね」
ちおり「でしょ!」
大此木「審判!タ~イム!!!」

大此木「サッカー部てめえ!パスをつなぐ気あるのか!!」
サッカー部「すまない・・・今度はトラップするよ・・・」
野球部「やめておけ、あんなもんが胸に当たったら心停止になる可能性がある・・・」
サッカー部「じゃあ・・・スカイラブハリケーンで・・・」
大此木「海野・・・提案があるんだが・・・」
海野「なに?」
大此木「今更だが、フォーメーションを変えさせてくれ・・・!」
海野「え~」
大此木「サーブ権くれてやっただろ・・・!」
海野「どうするみんな・・・?」
乙奈「このままだと一方的に男子をいじめているようにも見えますからね・・・
わたくしはけっこうですわよ。」
花原「向こうも言うてそんなにバレーが得意じゃないってことがわかったから、いいんじゃない?」
海野「大此木くん、いいって!」
大此木「かたじけねえ・・・
審判!レセプションフォーメーションの変更だ!!」
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