『青春アタック』脚本㊷頂上決戦

出盆総合病院
ノックして病室に入ってくる看護婦。
「検温しますね~」
華白崎「・・・さっきしたような・・・」
狩野「ここの外科部長の名前は?」
看護婦「・・・え?」
その直後、看護婦を殴りつけて気絶させてしまう狩野。
倒れる看護婦。
すると、看護婦からポロリと催涙弾がこぼれ落ちる。
狩野「早い・・・!つけられたか・・・!」

病室に充満するガス。
すると、ガスマスクをつけ武装した黒服たちが、煙が充満した病室に殺到してくる。
しかし、入口のところで待ち伏せしていた狩野が点滴スタンドで黒服を殴りつける。
黒服「!!」
倒した黒服から、ゴム弾のグレネードランチャーを奪うと、後続の黒服たちを次々に倒していく。
狩野「入口が狭いからって一列で来るバカがどこにいるのよ・・・」

銃撃戦の中ベッドを横倒しにして隠れている華白崎とりかぜ。
足にギプスをつけながらも、りかぜを守る華白崎「・・・ゴルゴ13って実話だったんですね・・・」
クレヨンで手紙を書くりかぜ「願わくばスバルちゃんを表彰台の一番高い場所に登らせたかった・・・
PS・・・お土産はマトリョーシカでいい・・・?できた・・・」

黒服「なぜ、催涙ガスが充満しているのに、効かないんだ・・・!」
最後の一人にランチャーを向ける狩野。
狩野「なぜって・・・催涙ガスじゃないから・・・あれは私の車にあった発炎筒・・・
総裁に伝えなさい・・・親子ゲンカがしたいならいつでも受けて立つと・・・」
黒服「こ・・・これを総裁から預かったんです・・・
でも、狩野さんは抵抗するだろうから、無力化してから渡せと・・・」
小包を差し出す黒服。
ランチャーを黒服に向けたまま狩野「あなたが開けなさい。」
黒服「は・・・はい・・・」
手紙が出てくる。
狩野「読んでくれる・・・?」
黒服「3年間本当にご苦労様でした・・・
あなたは、高体連での裏方の仕事は自分の生きがいだと言ってくれましたが・・・
大切な高校時代に大好きなバレーボールを奪ってしまったことだけが悔やまれます・・・
もう脚のリハビリは済んだのでしょう・・・
あなたには高校で一緒にバレーをする約束をしていた親友がいましたね・・・
この最後のチャンスで、あなたが輝けることを祈っています。」
狩野「・・・ほかには?」
黒服「・・・ユニフォームです・・・」
狩野が中学時代に着ていたユニフォームが出てくる。
微笑む狩野「催涙ガスをまいて泣かせてから、はなむけの言葉を送るなんて・・・総裁らしいや・・・」



高体連本部ビル会議室
高級そうなテーブルに向かい合って座る、白亜高監督のさくらと、聖ペンシルヴァニア監督の芝。
破門戸「・・・この度は決勝進出まことにおめでとうございます・・・
参加した全国1350校の頂点がいよいよ来週決まりますが・・・
お二人をお呼びしたのはほかでもない・・・試合形式の確定です・・・
なにしろ、巨額の優勝賞金がかかっているので・・・運営側としてもトラブルは避けたいのですよ。
私としては、スタンダードな6人制バレーをお勧めしますが・・・」
さくら「私は芝先生に従うわ・・・」
芝「・・・さくらちゃんも年長者を立てられるようになったのね・・・
なんて思うわけないでしょう。何を企んでいるのかしら・・・」
さくら「いやだなあ先輩・・・」
芝「明日香ちゃんに聞いたよ・・・あなたは13年前とまったく変わってなかったって・・・
金をばら撒いて、うちのチームに強豪校を次々にぶつけてくれてありがとう・・・
おかげさまでこっちのチームはボロボロよ・・・私が何をしたって言うの・・・?」
さくら「・・・無差別テロだろ・・・
私はどうしょうもないクズ人間だって自覚はあるけど医者の端くれ・・・
あんたみたいな人殺しは嫌いでね・・・
鮎原姉妹を勝たせまくって、いったいいくら稼いだんです?
10億円の損害賠償請求は被害者に払えそうですか・・・?」
芝「・・・相変わらず面白いことを言う・・・そろそろバレーの話をしない?」
さくら「ええ・・・だから私はどんな形式でもけっこう・・・勝つのは白亜高校だから。」
破門戸「くっくっく・・・このやりとり・・・非常に懐かしい・・・
監督の私をないがしろにしているのも13年前と全く一緒だ・・・
では、聖ペンシルヴァニア大附属の芝監督の意向に全面的に従うということで、吹雪監督はよろしいでしょうか・・・?」
さくら「けっこう。」
芝「ひとつだけ言っておくけど・・・私の人生を狂わせたのは、未成年のあなたが酔っ払って相手選手を殴ったからよ。あれさえなければ、私はバレーボールを続けられたし、家族を失うこともなかった。」
さくら「はいはい・・・全部私のせいですよ・・・」
立ち上がる芝「負けたらソープランドにはあなただけが行きなさい。」
部屋から出ていく芝。

紅茶をすする破門戸「・・・昔はあんなに仲が良かったのに・・・さみしいですね・・・」
さくら「そういや、あんたの用心棒はどうしたの・・・?」
破門戸「ちょっと喧嘩しちゃいましてね・・・彼女は退職しました。」
さくら「監督・・・予定空いてる?よかったら一緒に飲まない?」
破門戸「・・・喜んで。」



屋台のおでん屋で日本酒を酌み交わすさくらと破門戸。
破門戸「あの時・・・読売ジャイアンツの監督の気持ちがわかりましたよ・・・優秀な選手を集めても集団競技はうまくいかないと・・・」
さくら「・・・ちょっと言いすぎちゃったかな・・・最近歳のせいかイライラしちゃってね・・・」
破門戸「ほほほ・・・あなたは昔から短気でしたよ・・・でも・・・誰よりも優しかった・・・」
さくら「うちのチームの悪性腫瘍とか言ってなかった・・・?」
破門戸「それは事実です。ただ・・・あの時、あなたが日本に帰化した狩野さんをかばって、ソ連の選手を殴ったとき、私も心の中で拍手してましてね・・・
まあ、あんなことは酒でも飲まないとできません。」
酒を注いでやるさくら「迷惑かけたね・・・監督。」
破門戸「・・・吹雪さん・・・ひとつ尋ねてもよろしいかな・・・」
さくら「・・・うん。」
破門戸「・・・なぜバレーボールの監督を引き受けたんです・・・?
あなたの性格上、二度とこの世界には戻ってこないと思っていた・・・
もしかして・・・」
微笑むさくら「・・・さすが監督。
でも、このことは内緒にしてくれないかな・・・一生のお願い・・・」
破門戸「・・・・・・。」
さくら「・・・でも・・・あの子達じゃなかったら引き受けなかったと思うな。
あの子達が・・・私を変えてくれたの・・・」
破門戸「あなたは選手に恵まれましたね・・・」
微笑むさくら「監督と違ってね。
あともう一つお願いがあるんだけどさ。」
破門戸「一生のお願いをさっき聞いた気がするのですが・・・まあ、いいでしょう・・・」
さくら「うちにさ、花原さんって女の子がいるのよ・・・
失踪した親の借金を返そうと必死に頑張っている子がさ・・・」
破門戸「花原・・・まさか・・・」
さくら「そう・・・万が一、そうだったら・・・傷つけてしまうかもしれない・・・
花原さんも・・・そして・・・あの人も・・・」
破門戸「お気持ちはわかりますが・・・隠し続けるのは不可能かと・・・」
さくら「・・・・・・そっか。」
破門戸「とはいえ、あなたの最後の頼みだ。
よろしい。高体連として出来る限りの忖度はいたしましょう。」
さくら「ありがとう監督・・・
ほんでさ、もし・・・あの子らが・・・このままプロになったらさ監督が・・・」
破門戸「くくく・・・何個わたしにお願いするんですか・・・ささ・・・」
さくらに酒を酌む破門戸。
さくら「オヤジ、熱燗もう一本つけて。今日の酒はいつもよりも美味いや。」



白亜高校の保健室。
自分に点滴をしているさくら。
高体連から届いた書類を手に取る。
さくら「・・・ビーチバレーと来たか・・・」



体育館
海野「決勝戦はビーチバレーなんですか!!??」
花原「・・・なにそれ?」
小早川「やっぱり砂浜でやるんでしょうか・・・」
ちおり「わーい!たのしそー!」
乙奈「水着でやるんですか・・・?わたくし恥ずかしいわ・・・」
山村「アメリカ西海岸でウェーイなサーファー連中がやってそうな茶番だな・・・」
さくら「マッスル、そういう偏見よくない。
3年前のアトランタ五輪では正式種目にも採用された、れっきとした競技よ。」
花原「海野さんやったことある・・・?」
海野「中学時代に神戸の海水浴場でレイちゃんとやったことがあるけど・・・」
さくら「確か大人相手に優勝したんだよね。ルールは覚えてる?」
海野「ええ・・・試合は2人ひと組で、2セット先取のラリーポイント制・・・」
さくら「それに足場が砂だし、ボールのエアがゆるいから、かなり勝手が違うのよね。」
花原「2人だけでバレーをするの?むずくね?」
ちおり「華白崎さんはロボットとシングルスでラリーしてたけどね!」
花原「じゃあできないことはないのか・・・でも、そうなると誰が出るの?」
さくら「できれば経験者がもうひとりほしいところねえ・・・」

体育館に入ってくる松葉杖の華白崎
華白崎「ここにいますよ・・・」
花原「カッシー!退院できたの?」
華白崎「というか・・・病院を強襲されて出て行かざるを得なくなったというのが正確でしょうか・・・」
ちおり「ちょっと何言ってるかわからない。」
海野「でも華白崎さんがビーチバレー経験者だなんて知らなかった・・・!足は大丈夫なの?」
華白崎「いえ・・・私ではなく・・・」
体育館に狩野が入ってくる「・・・おじゃまします・・・」
海野「レイちゃん・・・!!」
花原「で・・・でも、あんたは高体連のスタッフだから試合に参加できないんじゃないの?」
華白崎「・・・やめたそうですよ・・・」
狩野「・・・あの時の約束・・・覚えてる・・・?」
海野「う・・・うん・・・」
花原「感動に水を差すようで悪いんだけど・・・
ここに来てあのフリーザの部下がうちのチームに加入してくるのはめちゃくちゃ怪しくない・・・?」
山村「確かに、あのフリーザならスパイを送りかねんな。」
狩野「そう思われても仕方がないですよね・・・
でも選手としての参加は認められなくても・・・みなさんにビーチバレーを教えることはできます・・・」
さくら「私は狩野さんがうちに入ろうが構わないよ。あとはみんなで決めなさい。
スパイだと思うなら、塩を撒いて茨城県に送り返せばいいし。」
華白崎「海野部長。あなたが決めてください。
ただ・・・ひとつだけ言えるのは、網野りかぜさんを高体連から命懸けで守ってくれたのは、狩野さんだということです・・・」
海野「みんなは・・・どう思うの・・・?」
ちおり「私はレイちゃんとビーチバレーしたい!キリンさんみたいにでかいし!」
乙奈「わたくしも異論はありませんわ・・・海野さんの親友はわたくしの親友です。」
花原「・・・山村・・・あんたはどう思うの?」
山村「う~む・・・いい人ではあるとは思うのだが・・・溢れんばかりの殺気がたいへん気になる・・・
ブー師匠はどう思う?」
すると、ブーちゃんが突然ノールックで狩野に孔雀拳の脚をぶちかます。
狩野はとっさに腕で防御をするが、そのまま吹き飛ばされる。
狩野「くっ・・・!」
海野「ブーちゃん・・・!なにを・・・!!」
乙奈にぼそぼそつぶやくブーちゃん。
乙奈「・・・合格だそうです。一般人であれを受けたら、だいたい即死らしいので・・・」
ブーちゃんの拳法を初めて見て言葉を失う花原「・・・・・。」
狩野「はあはあ・・・私を信じてくれますか・・・?」
花原「あ・・あの・・・狩野さん・・・うちのチームに入ってくれるのは心強いんだけどさ・・・
その・・・賞金があるじゃん・・・それについてはどうなの・・・?
なんだかんだで、うちもこれで8人になっちゃうし・・・ひとりあたりの分け前が・・・」
狩野「もちろん、いただきませんよ・・・
私みたいな者を仲間に加えてくださるだけで嬉しいです・・・」
小早川「わたしもいりませんよ。先輩といっしょにいられるだけで幸せですから。」
花原「・・・え?」
ちおり「つーか、そんなことまだ言ってるの、花原さんだけだよ!」
花原「ちょ・・・ちょっと・・・みんなそんな守銭奴を見るような目で私を見ないで・・・きゃあああ!!」
山村「別に普通に見ているだけだが・・・」
海野「じゃあ、みんなレイちゃんを加えてもいい・・・?」
一同「異議なし!」
遠くで狩野を見て怯えている病田(私は嫌だな・・・)



九十九里浜で、ビーチバレーの練習をしている白亜高校。
それを座って見つめているさくら「・・・・・・。」
隣に座る病田「いよいよ明日ですね・・・」
さくら「・・・そうだね・・・ほいで、あさっては卒業式か・・・あっという間ね・・・」
病田「明日は誰を出場させるの・・・?」
さくら「すっごい悩む。
実はビーチバレーって普通のバレーよりもずっと高度だから・・・まあ、順当に行けばビーチバレー経験者の海野と狩野になるんだけど・・・なんか違う気もするんだ・・・」
病田「先生が決めたことなら、あの子達はきっと従いますよ・・・」
さくら「今の子って素直だもんね・・・校舎の窓ガラスを叩き割ってた私らとは違うわ・・・」
病田「た・・・叩き割ってたんですか・・・」
さくら「なんでああいうことをしていたのか自分でも謎だわ・・・多分やり場のない怒りを抱えてたのね・・・バレーに出会えてなかったら、何をしでかしてたか・・・」
病田が、さくらの手元に自分が執筆した小説が置いてあることに気づく。
病田「・・・そ・・・それって・・・」
さくら「買っちゃった・・・けっこう面白くて・・・これって実話・・・?
先生も苦労したんだね・・・ごめんね・・・
もしかしたら、私はこういう子をいじめていた側だったからさ。」
病田「あはは・・・」
さくら「・・・先生・・・あたし、最近死ぬのが怖いんだけどさ・・・どうすればいいかな・・・」
病田「・・・え?」
さくら「先生は小さい頃から難病と付き合ってきたわけじゃん。
自分の死にどう向き合ってきたのかなって・・・」
病田「私だって怖いですよ・・・死んじゃったら、みんなともう会えないし・・・
でも・・・こう考えるようにしていました・・・
死は人生の卒業式なんじゃないかって。
卒業してみんなと別れちゃうからって、絶望して友だちを作らない人はいませんよね・・・
私は作りたくても、できなかったけど・・・学校は楽しいところです・・・
だから私は・・・この職業を選んだ。」
さくら「卒業・・・か・・・」
病田「そして・・・桜の咲く頃には・・・新しい子が入学してくる・・・
希望を胸に抱いて。」
病田の小説を手にとって立ち上がるさくら
「病田先生・・・ありがとう・・・私を監督に誘ってくれて。あんたは長生きしてくれよ。」
病田「が・・・がんばります・・・」
砂浜に向かってさくら「あ~違う違う!ビーチバレーでフェイントをかけるんじゃない!」
ちおり「だめなの~?」
さくら「反則取られるんだって・・・!まってな・・・!」
ビーチバレーのコートにかけていくさくら。
その姿を見つめて、目に涙を浮かべる病田。
病田「そんな・・・」
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