なおも書斎で歴史書を執筆している歴史学者ローワン・ウイリアム
「エゼルバルド城の戦いは1370年の8月18日に起こった。
この戦いは歴史上特筆すべき点がいくつかあった。
ひとつめに、一般的に長期化する篭城戦が短期間で終わったこと。
ふたつめに、戦争に徴兵された人員のほとんどに兵役経験がなかったこと。
みっつめ・・・そんな絶望的な状況で奇跡が起きたということ・・・」
・
エゼルバルド市民ホール
HEROCONの会場に集まっている元戦士たち。
ランスロット翁「ほう・・・たった7人で3000人の軍隊を倒す方法とな・・・」
シルビア「はい・・・」
ロビンフッド翁「それならひとつだ。ゲリラ戦じゃ。
このわしが最も得意とした戦術じゃ・・・」
ランスロット「騎士道精神がみじんもない卑怯な方法じゃが・・・確かにそれしかないじゃろう。
このロビンはシャーウッドの森で100倍以上の敵を撃破したからの。」
シルビア「お願いできますか?」
ロビン「ほっほっほ・・・血が騒ぐのう・・・」
ランスロット「やめておけ、おまえさんこの前心臓が止まって障害者手帳をもらったばかりじゃろう・・・」
ロビン「そうじゃったか?」
草薙「死ぬぞ、じいさん・・・」
シルビア「じゃ、じゃあ、このゴリラにゲリラ戦の秘訣を伝授してくれません??」
ロビン「ほう、人の言葉を操るゴリラにか・・・面白いのう。」
草薙「おい・・・」
シルビア「しっかりと教わるのよ。ゴリラ。」
草薙「ゴリラにゴリラと言うんじゃねえ・・・」
店からありったけの武器を運んでくるマスター
「これでうちの在庫は全てだ・・・」
シルビア「ありがとうございます・・・」
武器を手に取るランスロット「随分懐かしい武器もあるのお・・・」
マスター「じいさん・・・ポールアーム(薙刀)を扱えるのか?」
シルビア「町の男性に教えてくれませんか?」
ランスロット「いいの?」
シルビア「伝説の勇者に教われて嫌な人はいませんよ。」
薙刀を軽々と取り振り回すランスロット「・・・うむ、思ったよりも衰えてはおらんな・・・
握手会よりもこっちで金を稼げばよかったわい・・・」
両手剣を手に取るマスター「しばらく平和だったからな・・・」
ランスロット「なんじゃ、お前さん二刀流か。」
マスター「ずいぶん年は食ったが、これでも昔はツインソードのラムと呼ばれていた・・・」
ランスロット「知っとるぞ、シドニアとガリア帝国のモンスター狩りをしていた戦士じゃろ!」
シルビア「探せば結構すごい人がいるものね・・・」
・
エゼルバルド城の入場門
荷造りをして城から出ようとするゼリーマン
ペガサスを引くヨシヒコ「彼ら魔物を説得できるのは君だけだ・・・頼んだ。」
ゼリーマン「任せてください。」
その時、2人にかけてくるテスタメント「ちょっと待って・・・!!」
ゼリーマン「なんだ、葬儀屋の魔女じゃねえか。」
テスタメント「この子を連れてってよ・・・!」
すると、空から怪鳥が羽ばたいて地面に降りてくる。
ヨシヒコ「おい、あれって・・・」
ゼリーマン「・・・ハル?」
ひょこひょこ歩いて、ゼリーマンを抱きしめるハル。
ゼリーマン「ぐわあああ!この悪臭、間違いねえ!生きてやがったのか!」
ヨシヒコ(ぼくはハーブみたいでいい匂いだと思うけど・・・)
テスタメント「埋葬しようと思ったら、まだ生きてたのよ!
魔法で仮死状態にされてたみたい。
意識が戻ったら、あんたに会いたがってね。一緒についていきたいんだってさ。」
ゼリーマン「お前の姉貴はどっかの女神だったよな?」
頷くハル。
ペガサスに乗るゼリーマン「結局、魔物の血統は神々につながる・・・人間に対して卑屈になることはねえんだって、連中に伝えてきますよ。」
ヨシヒコ「頼んだ。」
ゼリーマン「いくぞ、相棒。」
飛び立つ、ペガサスとハル。
そこを横切る戦闘宇宙船クレイモアー。
空を見上げるヨシヒコ「住民の輸送も順調のようだ・・・」
・
城外に堀を作る黒神たち。
図面を広げるイエヤス。
黒神「ん~っふっふ・・・これがカタパルトの設計図ですか?」
イエヤス「そうだ・・・わしの会社は風俗だけじゃなくゼネコンもやっているからな・・・
ガリア軍も我社の製品を発注しているはず・・・」
作業員に激を飛ばすマサノブ
「ホンダ組、気合入れろよ!朝までには堀を完成させるんだ!!」
黒神「ん~っふっふ・・・時間がかかる堀は中止しましょう。
そんなもの作らなくてもカタパルトは無効化できます。」
イエヤス「なんだって?」
黒神「この車輪を脱輪できるような深さの溝だけ掘りましょう。
この一帯にできるだけたくさん・・・
一度車輪がはまったら、このシャフトの強度的に持ち直すのは不可能だ・・・」
イエヤス「溝に鉄の板を敷かれてしまいますぞ。」
黒神「落とし穴にするんです。」
イエヤス「なるほど・・・マサノブ!計画変更だ!」
・
城の外の森で、ローランドに銃の撃ち方を教わる街の男たち。
ローランド「落ち着け・・・一度外すとチャンスは二度と来ない。
ライフルは台尻を必ず肩に当てろ。さもなければ腕がへしおれるからな。
狙いは、ここと、ここ(照準)がぴたりとあった場所だ。」
ライフルを撃つ、街の男。
的が破壊される。
ローランド「筋がいいぞ・・・」
ヴィンツァー「すごい破壊力だ。僕が着ている甲冑はいずれ不要になりますね・・・」
ライフルを渡すローランド「あなたもやってみるか勇者。」
ヴィンツァー「昔・・・ローランドさんのような銃の名手が仲間にいましてね・・・
彼にこう言われたんです。
お前は下手すぎる。もう銃は撃つな、こうやって掴んで、棍棒のように振り回せって・・・」
ローランド「ははは・・・」
微笑むヴィンツァー。
ローランド「で、御仁の仲間たちは今は?」
ヴィンツァー「みんな亡くなりました・・・生き延びたのはぼくだけ・・・」
ローランド「それが戦争だ。仕方がない。」
ヴィンツァー「今度は・・・誰も死なせたくないんです・・・」
ローランド「君は武人なのに甘いな。」
ヴィンツァー「わかってるんです・・・そんなことは不可能だって・・・でも・・・」
ローランド「名前は忘れたが、ある男が酸素なしでエベレストを登頂し瀕死の状態で戻ってきた。
そんな男に不可能だと思わなかったのかと尋ねたら・・・その時はそれでいいと思ったそうだ。」
ライフルを抱えて歩いていくローランド。
ヴィンツァー「・・・・・・。」
・
オブライエンモンスター強制収容所
魔物「いたぞ!ぶち殺せ!!」
魔物たちに追いかけられて必死で逃げ出すゼリーマン。
壁に追い詰められて両手を上げるゼリーマン
「こっちは丸腰だぜ、少しは話を聞いたっていいだろ。」
サイクロプス「人間に寝返り、うちのカジノを崩壊させといてよくそんなこと言えるな・・・」
ゼリーマン「そこが俺のすごいところだと思わないか?」
ミノタウロス「黙れゾウリムシ・・・姐さんには見つけ次第殺せと命令されてるんだ・・・」
ゼリーマン「で、俺を殺して、こんなところで全員終身刑か?」
ミノタウロス「なんだと?」
ゼリーマン「教えてくれ・・・てめえらの人生ってなんだったんだ?
人間に住処を奪われ、人間を憎み、でも敵わなくて、きたねえ地下に押し込まれ、ケチな賭博をやってただけだろ・・・お前らが社会を何か一つでも良くしようと努力したことってあんのか?
そりゃあ、疎まれ嫌われるわけだぜ。
見た目が恐ろしくとも、所詮は人間様のやられ役だもんな!」
サイクロプス「こいつ・・・!兄弟、塩漬けにしちまいましょう・・・!」
ミノタウロス「待て・・・きさま・・・何が言いたい?」
ゼリーマン「俺はお前らとは違うってことだ・・・必死に人間の言葉を覚えたし・・・人間の社会に溶け込もうとした・・・」
サイクロプス「モンスターを裏切っただけだろ・・・!」
ゼリーマン「人間と敵対して俺たちモンスターに未来はあったのかよ!!
地下でただ現実逃避して遊んでたてめえらにはわかるまい・・・
俺が人間社会でどれほどの差別を受けてきたか・・・
だがな・・・人間だろうが魔物だろうが・・・いいやつだっているんだ・・・」
ゼリーマンの脳裏にヨシヒコやウィンロード、サキュバスのセレスの姿がよぎる。
魔物たちのあいだを近づいてくる女性「人間たちと手を組め・・・と?」
ミノタウルス「あ・・・姐さん・・・」
ゼリーマン「チョーカー・・・可愛いじゃねえか、メド・・・」
メド「まだ完全に首がくっついてなくてね・・・
で、人間に手を貸してわたしたちに何のメリットがあるのかしら?」
ゼリーマン「ここから出してやる・・・それだけじゃねえ・・・俺たちの住処を取り戻す。」
サイクロプス「姐さん!絶対にコイツの罠です・・・!!」
メド「・・・あたしたちがカタギになれると?」
ゼリーマン「お前ら次第だ・・・今、ブリジッドの人間どもは恐怖に怯えている・・・
ここで俺たちが加勢して連中を救えば、忌み嫌われていたおれたち魔物は・・・
神として崇められるだろう・・・」
サイクロプス「は~はは!バカを言うな!人間が俺たちを拝むわけがない!!」
メド「私の親は海の神なんだけど・・・」
サイクロプス「・・・え?」
メド「あなたの両親だって、ウラヌスとガイアでしょう?
(ミノタウロスに)あなたの親はミノス王よ・・・普通に人間だからね・・・」
ミノタウロス「じ・・・自分でも忘れてました・・・」
メド「あたしもよ・・・神の子なのに・・・どうして、こうなっちゃったのかな・・・」
ゼリーマン「お前らはいいよ・・・オレは普通にスライムだからな・・・」
メド「ゼリー・・・あたしたち・・・まだ間に合うと思う?」
ゼリーマン「あんたはもとから女神だろ。」
微笑むメド。
すると、メドの髪の毛が伸びる。美しいロングヘアーになるメド。
メド「離れて・・・あんたの手引きがなくてもね・・・
・・・こんなところは脱獄できるの・・・いつだってね。」
すると、強力な石化光線を分厚い壁に発射し、もろい岩石に変えてしまう。
それを長大なしっぽで殴り、粉々に粉砕してしまう。
外の光が差し込む。
メド「場所を教えなさい。エゼルバルド城を守るわ。」
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