『ラストパーティ』脚本㉖

夕方
暗視ゴーグルをつけて付近の空をパトロールするハル。
何かに気づく。

作戦会議室
部屋に入ってくるヨシヒコ「・・・スパルタン、仕事だ。」
草薙「いよいよか、待ちかねたぜ。」
ヨシヒコ「付近に偵察兵が3人来たらしい・・・ローランド」
壁に寄りかかっていたが、呼ばれて立ち上がるローランド
「生け捕りだな。敵の野営地を吐かせよう・・・」
帽子をかぶり部屋から出ていく2人。
ヨシヒコ「ヴィンツァー卿。念のため、城内の警備をお願いできますか。」
ヴィンツァー「もちろん・・・いこうシルビア。」
シルビア「ええ・・・」



茂みに隠れる草薙とローランド。
ローランド「お前・・・一撃で相手をのせるか?」
草薙「任せてください・・・」

ガリア軍の偵察兵「どうだ?」
双眼鏡を除く偵察兵「・・・おかしい・・・やけに静かだ・・・
王立騎士団が逃げ出したら今頃はパニックになっているはず・・・」
兵士「・・・空城の計か?」
兵士「馬に乗って突撃しかできないバカなベオウルフがそんな策略はできんだろう・・・」
兵士「しかし、先日の鉄のドラゴンのこともある・・・油断しないほうがいいだろう・・・」
その時、兵士たちに草薙が近づく。
剣に手をかける兵士「なんだ、あの男は?」
胸を叩く草薙「うっほうっほ・・・」
兵士「なんだ・・・ただの野生のゴリラか・・・」
その瞬間、兜ごと敵兵をぶん殴る草薙。
一瞬で二人をノックアウトさせてしまう。

しかし、一人が馬に乗って逃げてしまう。
草薙「すまねえ一人逃がした・・・!」
馬に向かって銃をかまえるローランド「静かにしろ!」
狙いを合わせて引き金を引く。
馬から落ちる兵士。
草薙「すげえ・・・」
ローランド「失敗した。全員生け捕りのはずが、一人殺しちまったぜ・・・
お前はゴリラの真似が下手だな。」
草薙「え・・・師匠に教えてもらったようにやったんですが・・・」
ローランド「ドラミングは手は開くんだ。」
草薙「押忍、勉強になります・・・」



エゼルバルド城
作戦会議室
ローランド「連中の野営地が分かったぞ・・・」
ヨシヒコ「さすがだ・・・」
ローランド「部隊を500人ずつに分けて6箇所の村で野営している・・・」
ルナ「すでに6つの村は虐殺されてしまったのね・・・ひどい・・・」
ローランド「最後のひとつは、これから皆殺しにされるところだった・・・」
ヨシヒコ「・・・・・・。」
草薙「なので、壊滅させてきた。カタパルトってやつも燃やしてきたぞ。」
ローランド「このバカの無謀な行動を許して欲しい。
だが天候が不安だったんでな・・・雨が降る前に火をつけさせてもらった・・・」
草薙「村民は全員救助して城に連れてきたぜ。今、シルビアが手当をしている。」
ローランド「この男・・・実力は本物だ。格闘戦になれば一騎当千・・・適う者はいまい・・・」
草薙「し・・・師匠・・・嬉しいっす!」
地図にバツを付けるヨシヒコ「これで残るは2500人・・・黒神警部補。」
黒神「ん~っふっふ・・・ずいぶん派手にやりましたね・・・
これでこちらの戦力が相手に伝わった・・・
相手は警戒し、戦力をひとつにまとめるはずだ・・・」
ヨシヒコ「どの村かわかりますか?」
黒神「地理的にハッピーハッピー村でしょう。
すべての村の中央にありハブになっている・・・
まあ、私ならば高台のヒナガタ村に集めますが・・・
崖の上にカタパルトは引き上げられないでしょう・・・」
ヨシヒコ「なぜヒナガタ村なんですか・・・?」
黒神「ん~っふっふっふ・・・」



雨雲が発達し、とうとうにわか雨が降ってくる。
強い雨が地面を叩きつける。

ハッピーハッピー村
雨を払ってテントにかけてくるジルドレイ
「くそが!もう少し早く雨が降れば、第6師団は焼き討ちされずにすんだのに!
ついてねえ・・・!」
軍曹「すべての部隊は、我が第1師団に合流させました・・・!!」
ジルドレイ「ごくろう・・・軍曹・・・おめえはどう思う?」
軍曹「500人の一個師団が何者かによって壊滅させられたのですから、ここは兵を集め大勢を立て直すのは正しい判断かと。さもなければ、ひとつずつ師団を失います。」
葉巻に火をつけるジルドレイ「・・・だが、嫌な予感がする・・・こういうのは結局は運なのだ。
わかるだろう、軍曹。昨日までは連戦連勝・・・しかしここに来て500の兵を失った。
今、俺たちはツキがない・・・」
空を見上げるジルドレイ。
軍曹「隊長は天空の神を信じておられるので。」
ジルドレイ「・・・まあな。」
そう言うと椅子に座り、机に肘をついて考え込むジルドレイ。
軍曹「・・・隊長・・・考えすぎでは・・・」
ジルドレイ「大切な兵の命を預かっているんだ・・・考えすぎることはなかろう。座りない。」
椅子に座る軍曹「はい・・・」
ジルドレイ「我々の弱点はなんだと思う?」
軍曹「・・・う~ん・・・」
ジルドレイ「考えるんだ・・・なぜ、第6師団は敗れた?」
軍曹「・・・王立騎士団はまだエゼルバルドに駐留している・・・?」
ジルドレイ「・・・かもしれん・・・」
軍曹(まだ納得してないな・・・どうしよう・・・隊長の慎重さにも困ったもんだ)
ジルドレイ「しかし、この雨では進軍は困難だ・・・
ブリジッドではこの時期にこんな大雨が降るのかい・・・」
軍曹「ガリア大陸と気候が違いますからね・・・」
ジルドレイ「それだ。」
軍曹「え?」



デスフラッド川
河川がせき止められている。
どんどん増水していく河川。
濡れながら叫ぶ魔物たち。

エゼルバルド城内の広場
黒神「ん~ふっふ・・・いい時間だ・・・」
黒神に頷くヨシヒコ。テスタメントの方を向いて叫ぶ。
「合図を!」
テスタメントが杖を振り上げる。

エゼルバルド上空に豪音が鳴り稲妻が光る。
ゼリーマン「今だ!決壊させろ!!」
ミノタウロスやサイクロプス、サイコゴーレムらが力づくで堰を切ってしまう。
鉄砲水が発生し、下流の村に襲いかかる。



ハッピーハッピー村
ジルドレイ「地図をよこせ。」
机に地図を広げるジルドレイ。
自分のいる村の近くに河川があることに気づく。
ジルドレイ「・・・やられた!!すぐに各師団引き返させろ!!」
軍曹「全軍撤退!!」



びしょびしょになって高台へ逃げていくガリア軍。
高台の上にはすでにモンスターが待ち構えている。
ゼリーマン「デスフラッド川が氾濫したらここに逃げるしかねえよな?」
ガリア軍兵士「ま・・・魔物だ!!」
ゼリーマン「降参するか?それとも痛い目にあいたいか?」
剣を抜く兵士「おのれ!成敗してくれる・・・!」
高台に向かって襲ってくるガリア軍の残党。
ゼリーマン「生粋のドMのようだ・・・やってくれ。」
すると、ミノタウロスたちが岩石を高台から落下させる。
岩石は斜面を転がり兵士たちを襲う。
兵士「うあわああ!!」
しかし、斜面を下りて逃げようにも、低地は濁流となっており行き場がない。
ある者は岩石にぶつかり、ある者は川に落ちていく。
兵士「ぎゃあああ!」

森を逃げ惑う兵士「助けてくれ・・・!」
その兵士の肩を弓矢で射るメド。
倒れる兵士「ひいい!石化はやめてくれ・・・!」
兵士にささやくメド「ボスに伝えなさい・・・
今度わたしたちの住処を戦場にしたら、全員セメントにしてやるって・・・」
兵士「わ・・・わかった・・・!」
恐怖の雄たけびをあげて一目散に逃げていくガリア軍。
サイクロプス「モンスターの勝利だ!」
歓声をあげる魔物たち。
遠くで見つめあうゼリーマンとメド。



作戦会議室
ヴィンツァー「ハッピーハッピー村の野営地は壊滅!作戦成功です!!」
ヨシヒコ「よし・・・」
シルビア「カタパルトのほとんどは土石流で破壊。兵の半分も流されたそうよ。」
ヨシヒコ「よし・・・」
草薙「この機を逃しちゃならねえ・・・!全員で打って出て、ガリア軍を全滅させようぜ!」
ルナ「危険ですよ・・・!クレイモア―も飛べないこの嵐じゃ、いっしょに流されちゃいますよ!!」
草薙「こんなもんただのシャワーだ。」
ローランド「自然を甘く見るな。」
草薙「はい。」
ヴィンツァー「ガリア軍も甘く見ない方がいい・・・」
草薙「・・・おう・・・」
ヨシヒコ「・・・ヴィンツァー卿、これで敵は引き上げると思いますか?」
ヴィンツァー「軍の指揮系統が崩れ空中分解してくれれば・・・
しかし・・・ガリア軍を指揮しているのは名将ジルドレイ将軍です・・・
もし、兵士の士気が維持されたなら・・・背水の陣で襲い掛かってくるでしょう・・・」
ローランド「なぜわかる?」
ヴィンツァー「ここエゼルバルド城で略奪できなければ、兵のほとんどが飢え死にするからです・・・指揮官としてそれだけは避けなければならない・・・」
シルビア「王立騎士団の誰かみたいに、みんなを見捨てて逃げてくれればいいのにね。」
ヴィンツァー「逃げて部下が助かるのなら・・・ジルドレイ将軍も兵を引くはず・・・
しかし、その退路はこの豪雨で絶たれた・・・」
ヨシヒコ「激突は避けられない・・・?」
ヴィンツァー「残念ながら。
・・・ヨシヒコさん・・・ご指示を。」
ヨシヒコ「・・・スパルタン・・・ゲリラ戦の極意はロビンフッド老に教わったな。」
草薙「ああ・・・」
ヨシヒコ「雨が上がったら、敵陣を偵察してこい。ただし深追いはするな。」
草薙「任せろ。」
ヨシヒコ「黒神警部補。トラップの方は?」
黒神「完了しております。しかし・・・この豪雨で落とし穴がいくつか心配です。」
ヨシヒコ「ではその補修を。ローランド、銃が使える人員は?」
ローランド「30人は戦力になりそうだ。」
ヨシヒコ「落とし穴が少ない西側を守ってくれませんか。」
ローランド「心得た。」
ヨシヒコ「マイヤース、避難の方は?」
ルナ「雨が降る前に終わらせました。」
ヨシヒコ「この世界の人間は飛行機を知らない。
もし、戦況が苦しくなったら低空飛行でガリア軍を脅かしてくれ。核爆弾は無しだ。」
ルナ「分かりました。」
シルビア「あたしたちは?」
ヨシヒコ「トラップを突破した兵士が城内に入らないように、テスタメントさんと一緒に攻撃魔法で防いでほしい。そして・・・考えたくはないが、城壁を突破されたら・・・」
剣をかざすヴィンツァー「市民はわたしが守ります。」



夜が明けて、雨が上がる。
満身創痍のガリア軍。
ジルドレイ「戦える者は?」
軍曹「は・・・800名とカタパルトが2基のみ・・・!」
ジルドレイ「・・・・・・。」

士気が低下する軍隊
兵士「この戦はもう終わりだ・・・!逃げようぜ・・・!」
兵士「ああ、ジルドレイの運も終わった・・・!落ち目の軍にいつまでもいることはねえ!」
兵士「村で奪ったお宝持って逃げるなら今のうちだぜ!」
兵士「そうだ、逃げよう!」

逃げようとした兵士の頭に弩を撃つジルドレイ。
弩を軍曹に返す。
ジルドレイ「たかが雨に濡れただけで家に帰りてえだと・・・!?
そんな腰抜けは、この俺が全員ぶち抜いてやる!
それと、軍の規律を乱すやつも許さん!
目標のエゼルバルド城はすぐそこだ!てめえら、死んだ仲間のカタキを取りたくねえのか!
オレは絶対に許さん・・・!全員皆殺しにする!
金玉のついている奴は全員俺についてこい!!!」
雄たけびを上げるガリア軍。

茂みの中で偵察する草薙。
草薙「・・・むしろ殺気が上がりやがった・・・どうすんだこれ・・・」
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