イエローストーン国立公園。
火山地帯で暮らしている怪獣アーストロン。
MRFが怪獣の生態を調査している。
双眼鏡を構えるリサ「いました。アーストロンです。地震計の数値は?」
計器を見るクラウス「問題なし。当分住処を失うことないだろ。」
ジャック「なら、人間の居住区に移動することもない。
性質もおとなしいし、保護しましょう。」
すると、ソニックブレイドに似た巨大ロボットが現れ、いきなりアーストロンと戦闘を始める。
クラウス「なんだあれは!」
リサ「ソニックブレイド・・・!」
ジャック「いや・・・アメリカが量産したグリッドブレイドです!」
一方的にアーストロンをいたぶり、グリッドビームで息の根を止めると、死骸を火口に落とす。
クラウス「地震計が反応したぞ・・・」
リサ「な・・・なんてことするのよ!動物虐待!」
ジャック「よしましょう・・・!」
すると、MRFのジープを踏み潰して立ち去るグリッドブレイド。
リサ「二度と帰ってくるな~!!」
帰ってきた超音速ソニックブレイド
2013年――
国連によってソニックブレイドの人工知能データは世界中に公開され、オープンソースとなった。
これにより、世界各国が怪獣に対処することができ、つかの間の平和が訪れると思われた。
しかし、ソニックブレイドを開発し配置できたのは、経済的に豊かなわずかな国だけだった。
そこで躍進したのが、アメリカの世界的ITベンチャー企業のグリッドライン社(GL)だった。GL社はソニックブレイドの量産化とコストダウンに成功、安価な兵器「グリッドブレイド」として世界中に売りつけた。GL社はアメリカにとって代わり世界の警察、救世主となろうとしていた・・・
グリッドブレイドの背中に石を投げつけるリサ。
・
日本 東京
芹沢高校
黒板を使って授業をする教師マルス
「万物は流転するとはヘラクレイトスの言葉だが、その変化に限界はあるのか・・・
歩留まりはあるのだろうか?
ここ数世紀で人類の科学技術は飛躍的に進歩した。ワクチン、核兵器、遺伝子工学、インターネット、そして・・・人工知能・・・
とうとう人類は自発的に進化する新たな生命体を手に入れた。それは我々旧来の生命体よりも急速に進化する・・・
誰もが、その進化が人類を凌駕すると危惧しているが・・・
問題はその進化に終着地点はあるのか、あるとしたらそれはどういったものなのかということだ。」
しかしみんな授業中にスマホをいじっており聞いていない。
マルス「・・・私は独り言をしゃべっているのか?」
男子生徒「なんで授業を聞く必要があるんですか?」
女子生徒「スマホが全部教えてくれるもん。」
マルス「そのスマホの人工知能を開発したのは誰か知っているのか?」
女子「そんなの興味ないも~ん。あ!ビーリアルだ!」
マルス「・・・。」
職員室で帰り支度をするマルス
同僚教師「マルス先生、また娘さんが校門で待ってますよ。」
マルス「・・・どうも。」
職員室を出ていくマルス
別の教師「おい、その子、マルス先生のフィアンセだぞ・・・」
同僚教師「・・・え?どう見ても十代・・・ロロ・・・ロリコン・・・」
別の教師「見えないよな・・・」
校門
マルス「学生も変わったもんだ・・・」
笑顔のえる「おつかれさま、ライちゃん・・・」
マルス「夜風が冷えるだろ・・・ごめんな。待たせて。」
える「どんぐり集めてたからあっという間だったよ。」
マルス「きみは一体いくつだ・・・あ、俺と一緒だから28なのか・・・」
える「松ぼっくりもあるよ。」
微笑むマルス「君だけは何も変わらないな・・・」
どんぐりをポシェットに入れて、手を差し出すえる「一緒に帰りましょう。」
マルス「生徒見てるから・・・」
える「何がダメなの?」
季節は冬で並木道は枯葉が落ちる。
マルス「高校の頃・・・担任の寺島先生がコンピュータをいじる俺を見て当惑していたのがわかったよ・・・どいつもこいつもスマートフォンにご執着だ。」
える「でも学校に通ってるだけましじゃないですか。
ライちゃんあんまり学校に来なかったし。さみしかったな。」
マルス「・・・そうだっけ?」
咳をするえる「けほけほ・・・」
マルス「ほら・・・風邪をひいたんじゃないか?
家で待ってればいいのに。」
える「早く会いたいんだもの。」
マルス「・・・・・・。」
・
回想
撤収するロスアラモスの実験施設
えるが乗り捨てたソニックブレイドが荒野に転がっている。
エディ・ロイド「やれることはやった。そうだろ。」
マルス「ええ・・・」
エバリスト・カレル「どうするざんすか、これは。」
マルス「えるが爆破したいそうです。嫌な思い出しかないから。」
ロイド「残念だが、これを破壊できる爆弾がこの世にはねえ。」
カレル「少なくとも、あんたの恋人が乗り込まない限り、このロボットは安全ざんすよ。」
マルス「えるは絶対乗りませんよ・・・ぼくが乗らせない。」
近づくフェイ・ヤーメイ「ボス・・・ちょっといいかな・・・」
マルス「ん?」
二人に気を使って離れるカレルとロイド。
フェイ「・・・あの子を大切にしてあげてね。」
マルス「なんだよ。」
フェイ「それだけ。」
気付くマルス「・・・長生きできないのか。」
頷くフェイ
マルス「それでもぼくはあいつと結婚する。」
フェイ「彼女を手術した人間を探し出せば・・・延命手術ができるかも。」
マルス「アメリカ陸軍の人間かな。」
フェイ「あなたならハッキングできるでしょう。
結婚式の招待状楽しみにしてるわ。行かないけどね。」
・
安アパート
布団で眠るえるに毛布をかけてやるマルス。
マルス(えるを改造した人間はどうやっても探し出せなかった。
おそらく軍の重要な情報は電子化されていなかったのだ。
それに、失敗した実験の証拠隠滅は早いものだ・・・
失敗作か・・・)
眠るえるの顔に優しく手を当てるマルス「今日は怖い夢を見なければいいな・・・」
・
学校
マルスの授業
やっぱりほとんどがスマホをいじっている。
その中でスマホを持たず、真剣に授業を聞いている利発そうなロングヘアの女の子。
チャイムが鳴る。
マルス「君はスマホをいじらないんだな。」
女子「私持ってないんです。」
マルス「今時の若い子で珍しい・・・」
女子「それに、先生の授業楽しいですし。」
マルス「ありがとう・・・ええと・・・」
女子「愛野。愛野沙良です。」
中庭で話す二人
沙良「実は、先生の授業を受けたくて転校してきたの。」
マルス「わたしの?」
沙良「現在の人工知能の原型となった適応プログラムを開発したのは先生なんですよね?」
マルス「ま・・・まあ・・・」
沙良「なんで特許を取らなかったんですか?そうすれば今ごろ、グリッドライン社の会長になっていたのは先生だったのに。」
マルス「商売として開発してなかったからな。」
沙良「ロスアラモス?」
マルス「きみ、詳しいな。」
沙良「先生の大ファンですから。」
夜
校門
える「今日はずいぶん遅かったですね。どんぐり取り尽くしちゃった。」
マルス「える・・・風邪ひいてるんだから家にいろって言ったじゃないか。」
える「だって・・・会いたいんだもん。残業?」
マルス「補習が長引いて・・・」
沙良「先生の彼女さんですか?」
マルス「え?ああ・・・」
沙良「すごい若い・・・ふ~ん。先生はそういうタイプが好きなんですね。」
マルス「いや・・・」
マルスに微笑む沙良「バイバイ、先生。」
帰っていく沙良。
える「生徒さんですか?」
マルス「いい子なんだよ。」
える「賢そう。」
マルス「学年トップだ。」
える「私はバカだけど捨てないでね。」
マルス「お前は本当にバカだな・・・あの子は教え子だぞ?」
ムッとするえる「だって・・・はっくしょん!」
手を差し出すマルス「ほら帰るぞ。」
える「生徒が見てますよ。」
手をつなぐマルス「構うもんか。」
手を繋いで帰る二人
える「私も働きに出たいな。」
マルス「・・・え?」
える「家にいてもつまらないし。家計も助かるでしょ。」
マルス「そうだけど・・・できるのか?」
える「また子ども扱いして~バイトくらいしたことあります。」
マルス「大損害を与えて、すぐクビになってただろ。」
える「私もライちゃんを助けたいの。
守ってもらうだけは嫌。」
・
コンビニエンスストア
えるの履歴書を見る店長
「高校卒業後、陸上自衛隊入隊、国際連合に転職し、アメリカ陸軍に出向・・・
第五次中東戦争に参加・・・」
履歴書の内容と見た目がまったくつながらず困惑する店長。
店長「・・・なぜコンビニでバイトを・・・?」」
える「もういやになったんです。人殺しが。」
店長「・・・面接でふざけないでくれるかな?」
える「・・・へ?」
コンビニを出るえる。
える「これで十社全滅だ・・・」
寺島「あれ・・・?もしかしてえるちゃん?」
える「・・・せ・・・先生・・・」
ファミレス
寺島「さあ、なんでも頼んでちょうだい。」
える「ありがとうございます。」
寺島「ちゃんと食べてる?やせたんじゃない?」
える「先生は変わりませんね・・・」
寺島「あなたも。マルスくん元気?うまくやれてる?」
える「授業誰も聞いてないって。」
寺島「ははは。きっと授業が難しいのよ。だから大学教員の方がいいって言ったのに。」
える「先生に憧れたって言ってました。」
寺島「あのマルスくんが高校教師か・・・えるちゃんはなにを?」
える「やることがなくて・・・主に木の実を拾ってます。」
寺島「そ・・・そっか・・・」
える「先生はまだ教育委員会ですか?」
寺島「うん。都庁で働いてる。
日本政府が移民受け入れを解禁したじゃない。
それで、移民の子のいじめが問題になってて・・・」
える「かわいそう。」
寺島「ねえ・・・仕事に困っているなら、あなたにうってつけの仕事があるけど、どうかな?」
アパート
ネクタイを外すマルス「生涯学習センター?あの科学館にくっついてるところか。」
える「学校でいじめを受けた子がそこで勉強するんですって。
あたしは勉強は教えられないけど・・・いじめの辛さはわかるから。」
マルス「たしかに君なら世界の誰よりもいじめられてるし。」
える「下には下がいるんだって教えてあげます。」
マルス「本来は学校で対処しなきゃいけないことなんだけどな・・・」
・
高校
屋上でいじめられる転校生の沙良
女子「先生の前でいい子演じるんじゃないわよ、この外人。」
沙良「・・・。」
女子「なによ、その目。文句あるの?」
沙良「悪いことは言わない。スマートフォンは捨てた方がいいわ。」
女子「余計なお世話よ。」
沙良「標的が自ら発信機をつけてくれるのだから世話はない。」
女子「何言ってんだ、こいつ。」
屋上に入ってくるマルス「おいおい、屋上で青春か?」
女子たち「いこう。」
マルス「だいじょうぶか、愛野。」
微笑む沙良「ただおしゃべりしてただけです。」
マルス「きみも周囲となじんだ方がいいんじゃないか。」
沙良「先生の授業を聞く子が誰もいなくなっちゃいますよ。」
マルス「別にいいよ。」
沙良「私は勉強をするために学校に通ってるんです。
それに・・・先生のこと、もっと知りたい。
適応プログラムのこと、量子コンピュータのこと、BMIのこと・・・そして・・・
ソニックブレイドのこと・・・」
マルス「きみはいったい・・・」
・
アメリカ
グリッドライン本社
ヘリポートにヘリコプターが着陸する。
それを出迎える女性幹部たち。
ヘリから降りるメトロン・ゲティスバーグCEO
「地球は小さいねえ。」
幹部たち「おかえりなさいませ。」
メトロン「世界は今日も平和かい。」
軍服のモートン「は。グリッドブレイドは全世界に配置完了。」
メトロン「医療。」
白衣のダリア「DNAワクチンを全人類に強制接種させておりますわ。」
メトロン「環境。」
あどけないピット「超光合成植物マンモスフラワーを世界中に植えてます。」
メトロン「移民。」
セクシーなバルタ「各国の排外主義者が課題ですわ。」
メトロン「・・・情報。」
モートン「ラブクラフトが会長の反乱分子を解析中。特に日本の保守勢力が厄介で・・・」
メトロン「人口減少に歯止めがかからないというのに、移民を拒むのか。」
モートン「会長の御命令さえあれば、いつでも実行可能とのこと。」
メトロン「粛清はやぶさかではないが・・・世界平和を阻むものには消えてもらうか。」
『帰ってきたソニックブレイド』脚本①
2025-11-13 18:29:03 (75 days ago)
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