『帰ってきたソニックブレイド』脚本⑤

グリッドライン本社ビル
マルスを出迎えるメトロン「グリッドライン社へようこそミスターマルス・・・!
歓迎いたします。わたくし会長のメトロン・ゲティスバーグ・・・」
メトロンを思い切り殴るマルス
倒れかけるメトロンを支えるモートン「会長・・・!」
笑顔のメトロン「ははは・・・いい、いい」
マルス「俺の国をめちゃくちゃにしやがって・・・」
メトロン「日本については哀悼の意を示すよ。」
マルス「お前らがソニックブレイドを倒すために開発した生物兵器だろ・・・!」
モートン「あれはただの新種の野生動物。言いがかりよ。」
メトロン「そうだ。あの怪獣を倒せるロボット兵器を新たに開発して欲しい。」
マルス「おれはえるの命を救うためにわざわざ来たんだ。
そのえるがお前らの怪獣に倒された。協力する目的がない。」
モートン「さらに多くの日本人がエレキングに殺されるけど?」
マルス「知るか。こんなもんいたちごっこだ。
世界一の金持ちを殴れただけでアメリカに来た意味はあったな。俺はもう帰る。」
会長室を出ていくマルス。

モートン「どういたしますか。」
怒り狂うメトロン「あのやろう・・・この俺を殴りやがった・・・
この地球に俺に逆らう人間はあいつだけだ!なんとか協力させろ!
失敗したら全員クビだ!」
モートン「ソニックブレイドが敗れた以上、新型ロボットの開発は不必要では?」
睨みつけるメトロン「なんだと?」
モートン「・・・口が過ぎました。」
メトロン「日本での我社のイメージは最悪じゃねえか。
あのマルスだけじゃねえ、どんなバカでも、あの怪獣はオレたちの仕業だってわかるだろ!
こんな状況で安定統治できるか!GHQですらもっとうまくやったぞ!」
デスクのものを荒々しくひっくり返すメトロン。
メトロン「ザラやバルタは賢かった。お前の脳みそでは理解に乏しいようだな、ゼッター。」
うつむくモートン「・・・申し訳ありません。」
メトロン「我社の信頼を取り戻すには、あのエレキングを我社のロボットで倒すしかないんだよ。そのためには、あのいけすかねえガキに頭を下げなきゃいけねえんだ!
覚えとけ!!」

会社の屋上
マルス「・・・向こうでは一緒に静かに暮らそうな。」
手すりを乗り越え飛び降りようとする。
フェイ「・・・にげるの?」
マルス「・・・フェイ・・・?」
フェイ「ソニックブレイドで一番激しかった戦闘は、この前のエレキングかしら?
違うわ。チンジャオ・ゴーゴリの乱よ。核兵器をぶつけられても、あの子はやけどで済んだ。」
マルス「生きてるっていうのか・・・?あの頃よりも衰弱してたのに?」
フェイ「確認してからでもいいでしょう?
でないと・・・私はなんで身を引いたのよバカ。」
マルス「・・・。」
フェイ「それに・・・愛する女が死んだら、男がすることはあとを追うことじゃない。
生き続けるの。花を手向けるために。」
涙を流すマルス。
マルスの手を取るフェイ「聞き分けのいい子。ほら立って。
ロスアラモス時代のスタッフはみんなここにいるわよ。」
マルス「カレル博士・・・ロイドさんも?」
フェイ「みんな、あなたに会えるの楽しみにしてたんだから。」



グリッドライン社の私設格納庫
改造されたグリッドブレイドのフレームが並んでいる。
至る場所で溶接のスパークが火花を散らす。
モートンと並んで歩く工学者のエディ・ロイド
ロイド「一週間でソニックブレイドをしのぐ巨大ロボットなんか作れるわけないだろ!
プラモデルじゃねえんだ。」
モートン「人も資金も惜しまない。エレキングのせいで時間がないの。」
ロイド「当初の計画では2年の話だっただろ、それでも突貫工事だ。
ソニックブレイドの完成には10年かかってんだぞ。」
数学者エバリスト・カレル「善処するザンス。」
ロイド「おい、カレル!」
カレル「グリッドブレイドの戦闘データはすべて回収済み。これを新たな電子頭脳に学習させれば、わけはないザンス。」
ロイド「ソニックブレイドに負けたデータじゃねえか。」
カレル「負けないと勝てないでしょ?」
ロイド「それは教育役がいる場合だ。」
モートン「ソニックブレイドの時のようにパイロットがいる・・・?」
ロイド「それも、百戦錬磨の戦闘者が。」
カレル「かよわい女の子でも、あそこまで強くなったザンスからね。」
モートン「わかった。見繕う。」
カレル「それよりもゼッターちゃん。新ソニックブレイドが納期内に完成したら、約束通りデートしてくれるんだよね?」
モートンの腰に手を回すカレル。
赤くなるモートン「か・・・考えておくわ。」
カレル「ゼッターちゃん大好き!ちゅっちゅ」
モートン「あんた、女の趣味悪いんじゃない?
軍隊あがりの私のどこがいいんだ?」
カレル「その鍛え上げられた肉体・・・ベッドで堪能したいザンスよ~」
カレルの腕を決めるモートン「最低。」
カレル「あたたたた!」
モートン「一週間よ。」
歩き去るモートン。

ため息をつくロイド「何考えてんだお前は・・・」
真顔になるカレル「敵からは信用されないと。」



日本
廃病院のようなグリッドライン社のラボ
スマホをとるダリア「はいはい。ああ、モートンさん。
ピットは出かけてます。」
モートン「ちょうどいい。エレキングの東京襲撃で会長は怒り狂ってるぞ。」
ダリア「ソニックブレイドの撃破を我々に命令したのは、あなたではなくて?」
モートン「バルタの計画を台無しにしろとは言ってない。
会長はバルタを可愛がっておられた。お前たちの処分は私に任されたぞ。」
表情が変わるダリア「私はソニックブレイドを倒したのよ・・・!
なんでそういうことになるのよ!」
モートン「この状況で日本を支配できると思うか?」
ダリア「・・・ピットが勝手に私の実験体を盗んだのよ。」
モートン「ああ、そうだよな。すべてはあいつの暴走だ。」
ダリア「会長に直接釈明できる機会を与えてくれますか?」
モートン「考えておこう。」
ダリア「ありがとう・・・」
モートン「あのエレキングはわが社の新型ロボットで制圧する。
それまでは湖に沈めておけ。」
自信なさげなダリア「あの怪獣はもうピットのものなの。止められるかしら・・・」
モートン「ならふん縛れ。」
ダリア「私には無理です・・・ただの科学者だもの・・・
それに、あの子は怖い・・・バルタもためらいなく殺してしまった。
次はわたしよ・・・」
モートン「情けない奴め。ならばピットは私がやる。
お前はソニックブレイドだ。」
ダリア「・・・?倒したけど。」
モートン「確認したのか?」
ダリア「・・・え?」
モートン「パイロットの生死を。」



神社
ソニックブレイドが移動されている。
える「どうやって運んだんですか?」
勘兵衛「土建屋をやっている男がおっての。
年を取ると知り合いが多いんじゃ。」
える「動くの?」
勘兵衛「・・・電気系統はすべて直した。」
える「山根さんが・・・??すごい!」
表情が暗くなる勘兵衛「ガダルカナルの軍神と言っただろ。」
える「・・・?」
勘兵衛「これを設計したエンジニアは優秀じゃな。よくできとる・・・
日本は結局アメリカには敵わない。」
目に涙を浮かべる勘兵衛。
える「・・・山根さん・・・」
勘兵衛「年寄りの戦争の話を聞いてくれるか。」
頷くえる。
勘兵衛「わしは大東亜戦争で整備士だったんじゃ。
ミッドウェー海戦で敗北し、日本軍の絶対防衛ラインは崩壊。
わしのいたガダルカナル島も米軍に攻略された。
捕虜になったわしは何をしていたと思うね。」
える「・・・。」
勘兵衛「東京を爆撃するためのB29を整備していたんだ。
それがガダルカナルの軍神の正体だ。人殺しなんだよ。
・・・どうせ人を殺すなら・・・今度は日本のために戦って死にたい。」
ボロボロ涙を流すえる「おじいさん・・・」
勘兵衛「泣いてくれるのか。」
える「わたしも同じだから。人殺ししかできないの。」




奥多摩
ダリア「ピット・・・モートンが私たちを処分するって。」
ビキニを着て湖で泳ぐピット「ただの脅しよ。
だいたいその話・・・会長から直接聞いたの?」
ダリア「いいえ。」
湖から上がるピット「あいつも追い込まれてるのよ。ざまあみろだわ。
私についていれば大丈夫。
私は会長の玉の輿。あなたは最高幹部。いいでしょう?」
タオルを差し出すダリア「そうね・・・」
髪の毛を拭くピット「日本国民が反抗的なら従うまで、この子で蹂躙すればいいじゃない。」
ダリア「日本人は蜂のような連中よ。総玉砕したら・・・」
無垢にほほ笑むピット「美しい自然が帰ってくる。素敵じゃない。」
ダリア(この子は人間が嫌いなんだ・・・)




横浜の夜景を破壊するエレキング
逃げ惑う群衆。
蛍のいる野原で、都市で暴れるエレキングを見つめるピット。
ピット「夜景は嫌い。月明かりが気の毒だもの。」

神社
ソニックブレイドに乗り込むえる。
勘兵衛「市街戦の場合、民間人の犠牲を一人も出さずに戦うのはムリじゃ。
この前の二の舞になるぞ。多少の犠牲を恐れずに、最大火力で短期決戦に持ち込むんじゃ。
それが結果的に最も多くのものの命を救うことになる。」
える「わかってます。もうためらわない。」



ラボ
ピットに電話をかけるダリア
ダリア「やめなよピット・・・!エレキングをとめて・・・!」
ピット「怖気づいたの?」
ダリア「もし、その子がやられたら・・・
私たちには切り札がなくなるのよ・・・!」
ピット「あのソニックブレイドを倒したのよ。やられるわけない。」
ダリア「あの時は、たまたまソニックブレイドが接近してきたから勝てたのよ・・・!」
ピット「たまたま?・・・なんで接近したかわからないの?」
ダリア「それは・・・」
ピット「民間人の犠牲が出るからよ。」
ダリア「え・・・」
ピット「だからこんなビル街を壊してるんじゃない。」

今度はモートンに電話をするダリア
「ピットがまたエレキングを・・・」
モートン「ソニックブレイドはだいじょうぶなんだろうな。」
ダリア「深未えるが見つからなくて・・・」
モートン「くっくっく・・・ピットにつくなら勝手にしろ。」
ダリア「ちがうわ・・・!」
電話が切れる。
頭を抱えるダリア「どうすればいいの・・・」



着陸するソニックブレイド。
スペシウムレールガンを構える。
える「お前は母さんを殺した。許さない。」
ためらわず引き金を引く。
横浜のみなとみらいごとエレキングを吹き飛ばす。



ラボ
ダリア「ソニックブレイドが・・・民間人を殺した・・・」
スマホが鳴る。モートンからの着信。
恐ろしくてスマホに出れないダリア。



山中
息を切らせてかけていくピット
「はあはあ・・・あのロボット・・・狂ってる・・・
エレキングごと都市を吹き飛ばすなんて・・・」

ダリアのラボに入るピット
部屋は暗い。
叫ぶピット「ダリア!エレキングがやられた!ずらかるわよ・・・!」
涙を流すダリア「ピット・・・ごめん・・・」
ピット「次がある、逃げるのよ・・・!」
震えるダリア「次はないよ・・・」
すると、地面が振動する。
ラボの天井が突然破壊され、ちぎれたエレキングの首が落ちてくる。
エレキングの体液でびしょびしょになるピット。

暗がりから、パイロットスーツを着たえるが現れる。
える「・・・この怪獣はあなたの?」
ピット「・・・深未える・・・」
える「人間の死体を見たことはある?」
ピット「ないわよ・・・怖いもの。」
える「ふうん・・・だからこんな虐殺ができるんだね・・・」
えるの冷たい表情に、怯えて土下座をするピット
「許して・・・すべてあの会社に命令されてやったのよ・・・!
私だってこんなことはやりたくなかった・・・!」
える「バルタさんを突き落としたのも?」
ぎょっとしてダリアを見るピット「・・・ダリア!」
ダリアは目を合わせない。
ビデオのメモリーカードを取り出すピット「ちょっとまって・・・!
はあはあ・・・あの女はあんたの彼氏を寝取ったのよ!ウソじゃないわ!
こ・・・これが証拠よ・・・は・・・ははは・・・
あなたにあげる・・・」
える「いらないよ。」
恐怖でとうとう失禁してしまうピット。
ピット「お願いします・・・会社も辞める。なんでもしますから・・・
命だけは・・・」
える「さようなら。」

ラボをあとにするえる。
勘兵衛「すんだか?」
える「すんだ。」



ラボ
モートンに電話をかけるダリア。手は震えている。
ダリア「言われた通りにしました・・・」
モートン「そうか。ご苦労だったな。本社に帰って来い。
ソニックブレイドの対策を考えよう。」
スマホを切る。
ダリア「あんな化け物に勝てるわけがない・・・」
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