『帰ってきたソニックブレイド』脚本⑥

港区
グリッドライン社日本支社のビルを破壊するソニックブレイド
崩れ落ちる自社ビル



練馬区仮説避難所
えると勘兵衛が炊き出しの列をぬって歩く。
支援物資を運ぶ寺島「なんでここにいるとわかったの?」
える「・・・この避難所は一度も大きなトラブルがないと聞いて。」
寺島「きて。」
勘兵衛の方を向くえる「待っててくれますか?」
勘兵衛「うむ。」

簡易的な事務所
寺島「お茶しか出せないけど。」
える「ありがとうございます。」
寺島「顔つきが変わったね。」
える「・・・お願いがあるの。」
寺島「うん。」
える「グリッドライン社に代わって日本を統治してほしいんです。」
寺島「ははは。」
える「先生は思いやりがあって、仕事が丁寧。きっといい政治をする。」
寺島「あたしは、ただの公務員よ?」
える「日本のリーダーになって。私には政治のことなんかわからないから。」
寺島「もう、世界の支配者のつもりなんだね。」
える「つもりじゃない。そうなの。」
寺島「・・・マルスくんは、あなたにこんなことをやってほしくなかったから、アメリカに行ったんじゃない?」
える「やめて。」
寺島「アメリカに行った理由を聞いた?あなたの体を治すために・・・」
える「・・・やめて!」
寺島「・・・えるちゃん・・・」
える「・・・この体じゃ愛せないってことでしょう?」
寺島「それは・・・」
える「また来ます。考えておいてください。」
事務所を出る。

避難所
勘兵衛「おい。よくわかんない奴がお前に会いたがっているぞ。」
える「え?」
須藤「えるの姉貴・・・!」
える「・・・須藤くん?」
須藤「覚えていてくれたんすね!嬉しいっす!」
える「忘れるわけないよ。ちょっと痩せました?」
須藤「あのころから10kg太ったっす。やっぱり忘れてるっすね。」
久しぶりに笑顔になるえる「あはは・・・」
勘兵衛「知り合いか。」
える「学生時代の。今は何をしてるの?」
須藤「在日米軍でドローン兵器のパイロットをやってるっす。
エレキングを一度撃退したのは、何を隠そうこの俺っす。」
える「ごめんね・・・あのときは負けちゃった。」
須藤「姉貴・・・オレを雇ってくれないっすか?」
える「え?」
須藤「姉貴の世界征服に協力したいっす。ドローンの操縦に関してオレの右に出るやつはいないっす。どうか・・・」
勘兵衛「戦力になりそうじゃな。いいんじゃないか。」
える「須藤くん・・・ごめんね。」
須藤「そうっすよね・・・え?」
える「須藤くんには、私みたいになってほしくない。」
須藤「いまさら何言ってるんすか。」
える「決めたんだ。悪いことは今後はすべて私がやるって。」
須藤「オレにも背負わせてください・・・!」
える「須藤くんは、あと何年生きるつもり?」
須藤「糖尿病に気をつければ、まだまだ生きていけるんじゃないっすかね。」
える「わたしにはもう寿命がない。」
須藤「・・・え?」
える「だから、世界中のみんなの憎しみをすべて受けて死んじゃえば・・・
今度こそ・・・きっと世界は平和になる。
須藤くんが活躍するのはその時。」
須藤の肩に手を置いて微笑むと、行ってしまうえる。
須藤「姉貴・・・」

勘兵衛「わしは老い先短いからな。」
える「そういうわけでは・・・」



アメリカ
グリッドライン社 役員会議
帰国したダリア「日本はソニックブレイドに掌握されました・・・」
メトロン「・・・。」
ダリア「お許しを・・・」
笑顔のメトロン「きみが無事に戻ってきてくれただけで嬉しいよ。」
ダリア「ありがたき幸せ・・・このダリア、会長のために命がけで・・・」
真顔に戻るメトロン「・・・新型の進捗は?」
モートン「マルス。」
マルス「ジャスティスブレイドはほとんど完成。
装甲の強度も、リアクターの出力も、武器の威力もソニックブレイドの三倍。
あとはパイロットだ。」
メトロン「マルスくん、きみは天才だ。」
マルス「約束してくれ。
ソニックブレイドを破壊しても、えるの命は助けると。」
メトロン「神に誓おう。」



会長室
メトロン「マルスは深未えるが生きていると分かったとたん従順になったな。」
モートン「ジャスティスブレイドでソニックブレイドを撃破したのち、殺します。」
メトロン「そこまでするか?」
モートン「偉大なる会長を殴った。」
メトロン「本当に従順だな、きみは。」
モートン「会長のためなら、わたくしはなんでも・・・」
メトロン「その言葉に嘘はないか。」
頷くモートン。
メトロン「ジャスティスブレイドにはパイロットがいない。」
モートン「・・・。」
メトロン「乗ってくれないか。きみは軍隊経験があり戦場を知っている。」
モートン「わたくしが・・・」
メトロン「幹部はほとんどが死んだ。もはや信頼できるのはきみしかいない。」
モートン「・・・・・・。」
メトロン「改造手術が怖いか?」
モートン「いいえ・・・」
メトロン「いい子だ。」
モートン「あの・・・サイボーグになる前に私を抱いてくれませんか?」



格納庫
ジャスティスブレイドを見つめるダリア
「・・・あの悪魔が二体になった・・・」
マルス「あんたなんだろ?」
ダリア「・・・え?」
マルス「えるをサイボーグにした科学者は。」
ダリア「なぜそれを・・・」
マルス「よかったな。そうじゃなかったら、あんたはここにはいなかった。」
ダリア「あんな手術するんじゃなかった・・・
彼女はモンスターよ。」
ブチ切れるマルス「お前がモンスターにしたんだろ!」
ダリア「ひいい・・・許して・・・!」
マルス「・・・あんたにチャンスをやる。」
ダリア「・・・なにをすればいいの?」
マルス「ジャスティスブレイドが出撃する前に、ソニックブレイドを無力化するんだ。」
ダリア「なんで・・・」
マルス「あのメトロンが約束を守るわけないだろ。
ソニックブレイドからえるを救い出して、人間に戻せ。」
ダリア「・・・いやよ、会長に逆らうことになる・・・」
マルス「一度も二度も同じさ。
あの冷徹な男がお前のことを完全に信用していると思うのか?
それに幹部のモートンの最後の障害は誰だ?」
ダリア「・・・死にたくない・・・」
マルス「オレが守ってやる。それは愛とか信頼とか不確かなものじゃない。
利害関係だ。えるを手術できるのは、お前しかいないからな。」
ダリア「日本のラボに、ソニックブレイドのスペックを付与した改造怪獣がいます・・・」
マルス「よし。人的被害の少ない場所で暴れさせろ。」

ジャスティスブレイド開発室
部屋に入ってくるマルス
カレル「どうだったザンスか?」
マルス「あんたは天才だ。」
カレル「女の操り方は任せるザンス。」
フェイ「最低。」
ロイド「男の方はどうすんだ。」
マルス「あのモートンを引き離さないと。」



手術台の上に横たわるモートン
「やってくれ。」
百戦錬磨のモートンの体は傷だらけ。
ダリア「・・・本当にいいの?
他の人だっているじゃない・・・」
モートン「お前を信用しているからな。」
ダリア「会長の玉の輿はいいの?」
モートン「くだらん。わたしは金に興味はない。
あの人の役に立てればいいんだ。」
ダリア「私が玉の輿になったら消すの?」
微笑むモートン「バーカ。友人の幸せを祝福するさ。」
そう言って目をつむるモートン。
メスを握るダリア。
「ごめんなさい、私の最後の友だち・・・」



一週間後・・・
日本
奥多摩山中の変電所に現れる、裂刀怪獣バギラ。
両腕にはソニックブレイドに似た巨大な刃がグロテスクについている。

ソニックブレイドで現場に向かうえる
「まだ怪獣の残党がいた・・・私が生きているうちに絶滅させないと・・・」
無線で勘兵衛「接近せず、レールガンで即死させろ。
幸い、周辺に人気はない。存分にやれ。」
える「オーケイ。」

スペシウムレールガンを構えるソニックブレイド。
無心で引き金を引く。
哀れな改造怪獣に発射される砲弾。
しかし・・・
ソニックブレイドのレールガンを頑丈な装甲で跳ね返してしまう怪獣バギラ。
える「・・・え?」
するとバギラが顎を開いて、強力な破壊光線を発射する。
とっさに身をかわすソニックブレイド、しかしその時には怪獣は機体のすぐそばまで迫っていた。
お互いの腕のブレードで斬りあうロボットと怪獣。激しい火花が散る。
しばらく硬直状態に陥るが、ソニックブレイドのブレードがポキっと折れてしまう。
える「こいつ・・・強い!」

ソニックブレイドを押し倒そうとする怪獣。
怪獣の腹部にけりを入れて距離を取ろうともがくえる。
しかし、その脚をブレードで切断してしまう怪獣。
える「そんな・・・!」
地面にひっくりかえって、両腕を振り回すソニックブレイド。
その両腕も切断してしまう改造怪獣。
える「いや・・・いや・・・
やだ・・・負けない・・・やだあああ!!」
慟哭をあげるえる。



動力部をすべて破壊され、地面に転がるソニックブレイドの胴体。
怪獣が鉤爪で器用にコックピットをこじ開ける。
血まみれでぼろぼろなえるが気絶している。

そこへワゴン車が接近してくる。
怪獣は攻撃をやめておとなしくなる。
ワゴン車を飛び降りて、後部のラゲッジルームを開けるダリア。
ダリア「パイロットは・・・」
ソニックブレイドのコックピットにかけていくダリア。
えるの脈を確認するダリア。
ダリア「よかった・・・生きてる。これで、この子は」
その直後、ダリアの頭が吹き飛び、体も木っ端微塵に銃撃される。
返り血を浴びるえる。

上空には膨大な数のドローン兵器が飛行し、バギラに一斉射撃を開始する。
飼い主を失ったバギラは両目を潰されると、ドローンに反撃できず、頑丈な装甲のつなぎ目から血が噴き出す。
ほどなくして、とうとう爆発四散するバギラ。



どこかのネットカフェにいる須藤
キーボードを叩く。
「あぶね~・・・姉貴がさらわれるところだったっす。
姉貴だけ死なせはしないっすよ・・・」



アメリカ
グリッドライン社
会長室
メトロン「ダリアのやつ、勝手な真似を・・・!
モートン!」
サイボーグのモートン「・・・は。」
メトロン「きっとマルスの差金だ!
マルスを殺したいといったな?許す。今すぐやれ!」
モートン「・・・・・・。」
メトロン「聞こえなかったか!早く行け!」
モートン「私の機械の体に爆弾が埋め込まれているのは本当なのですか?」
メトロン「・・・なんだと?」
モートン「あなたはダリアを玉の輿に決めた。
だから、わたしが不要になったんだ・・・」
メトロン「何を言ってるんだ!どうでもいい!マルスを殺せ!」
涙目になるモートン「私は今まであなたに忠誠を誓ってきた・・・
その結果がこれなんですか・・・?」
メトロン「・・・マルスのやつ・・・離間の計をはかりやがった・・・」
モートン「愛するダリアだけ先に日本に逃がしたのが証拠。」
メトロン「・・・お前はもっと賢い奴だと思ってたがな。
こんな子供だましの策略に騙されるとは、お前を側近にしたのが俺の最大の失敗だ!」
モートン「では、証明してください。」
そう言うと、メトロンにスマホを渡す。
モートン「あなたが世界征服のために作った最初のスマートフォンです。
あなたは、これで人類の知能を低下させ、従順な奴隷にするとわたしに野望を語った・・・
あれから10年・・・私はあなたとずっと一緒だった・・・」
メトロン「・・・待て。」
スマートホンの画面には爆弾の起爆スイッチが写っている。
モートン「嘘ではないなら、スイッチを押せますよね・・・?」
汗がにじむメトロン「・・・落ち着け!金ならいくらでもやる!
だから、冷静になるんだ・・・」
モートン「私は冷静よ。
それに私は金のためにあなたについてきたんじゃない・・・
あなたはずっとそう思っていたの?」
メトロン「俺の全資産は37兆だ・・・!37兆ドルやる!」
モートン「・・・あなたの言うとおりよ。
私は本当に愚か。あんたは一緒に死ぬ価値のある男じゃなかった。」
軍服の日本刀を抜き、メトロンを股から真っ二つにしてしまうモートン。
バラバラの死体がプールに落ちて、水を赤く染める。
モートン「まだカレルの方が愛してくれたわ。」
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