『帰ってきたソニックブレイド』脚本④

回想
千代田区
豪華な邸宅に暮らす中学生のえる
国連の職員たちが今日子の荷物をまとめている。
今日子「じゃあ・・・いい子にしているのよ。」
える「はい。」
今日子「本当に一緒に来ないの?日本の学校なんか行かなくてもいいのよ?」
える「・・・友達もいるから。」
今日子「何かあったら連絡して。」
える「お父さんは?」
今日子「よしなさい。」

練馬区
ボロボロの家の前で待っているえる。
毒蝮三太夫似の汚い作業着姿の男「・・・よう、えるじゃねえか。」
える「お父さん。」

狭い部屋
日本酒の一升瓶を注ぐ父「母さん元気か。」
える「今度はアメリカに行っちゃった。」
酒を飲む父「忙しいやつだな。」
える「3人で暮らしたかった。なんで離婚しちゃったの?」
父「とうちゃんが浮気したからだ。」
える「なんで?」
父「仕事を辞めろってうるせえんだよ、あいつ。」
える「怪獣の解体?」
父「お前の父親としてふさわしい仕事をしろってさ。
それでとうちゃん頭に来てな。」
える「お母さんが悪い。」
父「えるは優しいな。かあちゃんの前だととうちゃんが悪いって言うんだろ?」
苦笑いするえる「・・・・・・。」
父「・・・とうちゃんは、この仕事に誇りを持っている。
あいつが倒し、俺がかたす。
昔は今日子もわかってくれたんだけどな。
お前ができて・・・変わっちまった。」
える「あたしのせい・・・」
父「わりいわりい!そういう意味じゃねえよ。とうちゃんもかあちゃんもお前のことが好きなんだ。ほら、惣菜食えよ。冷めちまうぞ。」
える「うん・・・」

それから、父親と暮らし出すえる。
ご飯を作って父親の帰りを待っているえる。
扉が開く音がする。
笑顔になるえる。
父「よお・・・ごほごほ・・・」
える「お父さんだいじょうぶ?」
父「年には勝てねえな。最近疲れやすくなった。ほら惣菜。
あっためて食え。俺は飯はいいや。」
える「・・・お父さん・・・
少しは休みとったら?」
父「オレの仕事は人手不足なんだ。父ちゃんが休んだら迷惑がかかる。」
える「でも・・・怪獣の死骸って毒ガスや放射能を出すのもあるんでしょう?
お父さんの体が心配だよ・・・」
父「おめえまで今日子みたいなこと言うのか。」
える「せめて病院に・・・」
父「かあちゃんのとこに帰れ!俺の生きがいを奪うな!」



マルス(君の体を心配しているんだ!俺はお前に家にいて欲しいんだよ・・・!)




アパートのダイニングで目を覚ますえる。
える「・・・ライちゃん・・・」

チャイムが鳴る。
飛び起きて扉を開けるえる。
える「・・・あなた・・・誰ですか?」
バルタ「あなたが深未えるさん?
わたくしグリッドライン社のリクルーター、バルタ・シカーダと言います。」
える「英会話教材とかならうち貧乏ですから・・・」
バルタ「マルスくんが言うとおり、色気のない子ね。」
える「ライちゃんを知ってるんですか??」
バルタ「ええ。この度、マルスくんは我が社のエンジニアに転職しましてね。
急遽アメリカに行くことになりました。」
える「うそですよね?」
バルタ「彼からあなたに伝言を預かっておりますわ。」
手紙を受け取るえる
(俺は君の体を心配するあまり、君の気持ちを無視し続けてしまった。
本当にすまない。君には君の人生があり・・・君のやりたいことがあるはずだ。
・・・別れよう)
頭が真っ白になるえる「うそよ・・・」
バルタ「では私はこれで。」
える「だって・・・約束したもん。これからはずっと一緒にいるって・・・!」
バルタ「学生時代の恋人なんて大体数年続けばいいほうなのだから、持ったほうじゃない?」
号泣するえる「約束したんだも~ん・・・!」
慌てるバルタ「ちょっと、あなた・・・」
える「ライちゃん、あたしがバカだった・・・捨てないで~・・・!」
バルタ(・・・こんなやつがザラを撃破したって言うの・・・?)
過呼吸になるえる「はあはあ・・・」
バルタ「・・・成田空港113便。」
える「・・・え?」
バルタ「まだ間に合う。大切なことは会って直接言いなさい。
ソニックブレイドには二度と乗らないと。」
える「うぐうぐ・・・タクシー代がない~・・・」
バルタ「あなたは本当に一人じゃ生きてけないのね!ほら3万円!」
える「ありがとう、訪問販売のお姉さん・・・」
バルタ「いいから行きなさい・・・」
える「美人なお姉さん・・・」
バルタ「はやく!」
駆けていくえる。
バルタ「・・・計画完了。」



奥多摩の湖
ダリア「あなた本気・・・?」
ピット「これじゃあ、会長の玉の輿はあのおっぱいになるのよ!」
ダリア「それはムカつくけど。」
ピット「なら、バルタの計画をめちゃくちゃにしないと。」
ダリア「モートンにバレたら、ただじゃすまないわよ。」
ピット「なら、私とあんたであいつを消せばいい。」
ダリア「あんたが一番怖いわ・・・だから組んだんだけど。」
ピット「懸命な判断よ。さあ、よこしなさい。」
試験管を渡すダリア「エレクトロファルス・レックス。
実験段階だから、うまくいくかは保証できないわよ。」
試験管の中身を湖に入れるピット「だいじょうぶ。失敗したらあんたのせいにする。」

しばらくすると湖に入れた小さなウナギのような生物がみるみる巨大化し、怪獣エレキングとなる。
ピット「よく税関に通ったね。」
ダリア「裏技があるのよ。」
ピット「さあ行きなさい。」
都心へ歩いていくエレキング。
ダリア「ソニックブレイドは電気で動くのよね。」
ピット「ロボットだからそうなんじゃない?」
ダリア「ならば絶対勝てるわ。
この生物は50万ボルトもの電気ショックを相手に与える。
ソニックブレイドの電気回路はすべて焼き焦げるわ。」



成田空港
腕時計に目をやるマルス
「えるは一緒にいけないのか。」
アメリカからの黒服「日本政府が手放さないだろ。」



永田町 国会
政府高官「いやいや、参りましたよ・・・
先日、ソニックブレイドがロボットたちの暴走を止めたことで霞ヶ関は大混乱です。
あのロボットはアメリカから東京都と文科省が出資して買い上げましたが、もはや科学館のモニュメントじゃない。日本を守った兵器だ。
所管を防衛省に移すべきという声も上がっていて・・・となると特別立法を可決させる必要がある。そんな矢先に奥多摩での怪獣出現だ。」
今日子「議員さんは大切なことを忘れているわ。」
政府高官「ええ。だから急遽あなたを呼んだんです。
あのロボットはあなたの娘さんしか動かせない。
つまり深未えるさんの同意がなければ、戦力・・・いや失敬、実力にはならんのです。」
今日子「あの子を説得しろと?」
政府高官「でなければ、あの怪獣によって東京は今度こそ壊滅です。」



空港に急行するタクシー
える「運転手さん急いでください・・・!」
運転手「青春だねえ・・・」
える「ライちゃんと別れたら・・・あたしはもう生きてけない・・・」
運転手「大丈夫。俺に任せろ。間に合うから。
・・・ん?あれ?」
える「どうしたんですか?」
運転手「事故かな・・・渋滞しやがった・・・」
える「そんな・・・!」
えるのケータイが鳴る。



国会
政府高官「よかったつながった・・・!」
ケータイを切る今日子
政府高官「娘さんはなんて?」
今日子「今はそんな場合じゃないって。」
政府高官「・・・え?」



渋滞中の高速道路
警察「この先は通行止めです!」
運転手「ひと組のカップルの未来がかかってんだぞ!」
警察「怪獣が暴れてるんですよ!」
運転手「それがどうした!もう慣れたわ!
埒があかねえな・・・つかまってろお嬢ちゃん!」
ギアを入れ替えて、バリケードを破壊し強引に下道に出るタクシー。
える「ありがとう、運転手さん・・・でもどうして・・・」
運転手「俺はこれでも、十年前は一部上場の会社の経営者だったんだ。
それがテレスドンの野郎に、自社ビル、従業員全てぶち殺されて、倒産。
俺の金目当てで結婚した妻は出て行った。負債は1000億だ。死ぬまで払えねえ。」
える「・・・・・・。」
運転手「あんたらみたいな若い子には幸せになってもらいたいのさ。」



小学生時代のえる。
寝室のベッドの中でうずくまっている。
壁越しに夫婦喧嘩が聞こえる。
今日子「あなたが汚い格好で働いているせいで、あの子が学校でいじめを受けてるのよ!」
父「そんなバカほうっておけ!オレがやらなかったら、誰が町を守るんだ!」



タクシーの中のえる
「・・・止めて。」
運転手「え?」
える「引き返してください。」
運転手「彼氏はいいのか?」
える「私がやらなかったら誰が町を守るの・・・!」




高級ホテルのスイート。
テレビには「怪獣出現 都内全域に緊急事態宣言」の文字。
バスローブ姿でスマホを握っているバルタ。
バルタ「会長を出しなさいモートン!
一体どういうことなの!あの怪獣のせいでわたしの計画が台無しよ!
深未えるはソニックブレイドに乗らなかったし、マルス・ライがうちに来ればソニックブレイドより強大なロボット兵器が開発できた!」
モートン「会長は留守だ。」
バルタ「あんた・・・私をハメたわね・・・」
モートン「私は何も知らん。怪獣がそっちに行ったそうだぞ。直ちに撤退しろ。」
バルタ「覚えておきなさい・・・」
カーテンを開けると、すぐそばでエレキングが暴れている。
涙を浮かべるバルタ「うちの会社は馬鹿よ・・・
あの子の体を元に戻すだけで勝てた戦いなのに・・・」
エレキングがバルタのスイートを攻撃しようとする刹那、ソニックブレイドが飛び出し、宇宙怪獣と格闘を始める。
バルタ「・・・えるちゃん・・・」

ソニックブレイドのコックピット
える「ここで重火器は被害が拡大する・・・
肉弾戦で無力化しないと・・・」
その時、エレキングの体が青白く光る。
える「・・・なに?」



国会
テレビ中継を見る議員たち。
政府高官「あれはなんていう怪獣なんですか?」
今日子「・・・知らない。見たこともないわ。
もしかして・・・人工的に造られたのかも・・・」



次の瞬間、エレキングが強力な電気ショックをソニックブレイドに浴びせる。
悲鳴を上げるえる「があああああ!」
崩れ落ちるソニックブレイド。

ホテルのスイート
バルタ「うそでしょ・・・ソニックブレイドが負けた・・・」
ピット「あんたは一体どっちを応援してるのよ。」
ぎょっとして振り返るバルタ「ピット・・・!」
小型銃で両膝を撃たれるバルタ
ピット「痛いでしょう?いつも薄着だからよ。」
うつ伏せのバルタ「このぶりっこ野郎・・・
あれはエレキング・・・ダリアを抱き込んだわね・・・」
バルタのブラジャーからメモリーカードを奪うピット
「このエロビデオは彼を脅迫するのに使えるわね。」
バルタ「待って・・・私はまだ利用価値があるわよ・・・」
ピット「ないと思うよ。」
窓ガラスが割れて、ホテルのスイートから外へ落下していくバルタ。
部屋に入ってくるダリア「あんた、やりすぎよ・・・」
ピット「勝手に飛び降り自殺しちゃった。」



太平洋を飛行する旅客機
日本のニュースを機内で知るマルス
黒服「ソニックブレイドが負けて東京は壊滅した。いいタイミングで国外脱出できたな。」
絶句するマルス「・・・・・・。」



明け方
ボロボロのソニックブレイド
コックピットで目を覚ますえる。
ぐえっと吐いてしまう。
コックピットを降りると、バルタの飛び降り死体が転がっているのに気づく。
ショックを受けるえる「はあはあ・・・」
周囲を見渡すと都市が壊滅しており、死体の山が転がっている。
える「・・・またここに戻ってきたのね。」



とぼとぼとガレキと化した東京都を歩くえる。
自分たちのアパートにたどり着く。
当然だがマルスはいない。

ドアを叩く音。
ドアを開けると暗い表情で寺島が立っている。
える「先生・・・」
寺島「・・・あなただったのね・・・」
える「・・・・・・。」
寺島「国会が吹き飛んだのは知ってる?」
える「気絶してたから。」
涙目になる寺島「気をしっかり持ってね・・・あなたのお母さんもいたの。」
ショックで涙も出ないえる「・・・・・・。」
寺島「ロボットの暴走も結局仕組まれていたそうよ。
でも、日本だけえるちゃんが撃退したから、一時的にしらを切ったのよ。
グリッドライン社はとうとう全世界を統治したわ・・・
教えて・・・これから、どうやって生きていけばいいんだろう・・・?」



神社
える「山根さん・・・」
勘兵衛「お前か。」
える「力を貸して・・・」
勘兵衛「覚悟は出来たか。なにをする?」
える「あいつらを皆殺しにする。」
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