ジャスティスブレイド開発室
黒服が入ってくる「ゼッター・モートンがメトロン・ゲティスバーグを殺害し、ジャスティスブレイドを奪って逃亡した。」
マルス「・・・知ってる。」
黒服「あんたが手引きしたのか?」
マルス「さあね。なんでそう思うんだ?」
アタッシュケースを机に置く黒服
「死んだダリアと、ゼッターが保有していた株式がすべてお前に譲渡されている。
グリッドライン社はマルス・ライ、お前のものだ。
会社乗っ取りおめでとう。」
口角が上がるマルス。
・
グリッドライン社
役員会議室
会長の席に座るマルス「オレでいいのか?」
ロイド「若い奴が遠慮するな。ロスアラモスの時もボスだっただろ。」
書類の束を置くフェイ「・・・アンダーソン博士の研究データです。」
書類に目をやるマルス「・・・非人道的な人体実験ばかりだ。
あの女狂ってやがる・・・」
フェイ「言っておくけど、私たちも無関係ではないからね。」
マルス「・・・軍に実験を強要されてたっていうのか?」
フェイ「わからないけど。えるちゃんの改造手術についてはここ。」
マルス「図面が読めますか?」
ロイド「任せろ・・・フェイルセーフ・・・これが信管でこっちが爆弾だな。」
マルス「・・・ゼッターが俺の話をすぐに信じたのも当然だな。
自分たちがやってたんだから。」
フェイ「脳髄に近い場所に爆弾が埋め込まれている。無理に取り出すのは危険ね。
人工知能が完成したら、アメリカ政府はこの爆弾でえるちゃんを始末する予定だった・・・
でも、人工知能を積んだソニックブレイドごと、ロスアラモスに逃亡したから・・・」
マルス「・・・爆破したくてもできなかったのか。」
小さな紙を渡すロイド「起爆コードがこれだ。」
フェイ「このコードを知る人間はもう私たちだけ。処分しましょう。」
マルス「ジャスティスブレイドの方はどうする?」
フェイ「起爆しないという約束で、モートンには寝返ってもらったんじゃないの?」
ロイド「そういや、寝返らせた男がいねえな。」
マルス「・・・これはジャスティスブレイドの手綱だ。
もし、これを手離したら・・・地球上にあのロボットを止めるものはいなくなる。」
・
湖畔
見晴らしのいい丘に腰を下ろすモートン
「私はこれからどう生きれば・・・」
カレル「あんたはもう自由ザンス。」
モートン「カレル・・・」
花束を渡すカレル「別れのキスもなしにいなくなるのは、ひどいザンスよ。」
モートン「私に近づかない方がいいぞ。いつ爆発するか分からん。」
カレル「これがほんとのダイナマイトボディざんすね。」
力なく笑うモートン「ははは・・・
ソニックブレイドのパイロットの気持ちがわかったよ。
このロボットに乗り込んでしまったら、最後・・・自由なんてないんだ。
あの会社でさんざん悪事を重ねたんだ。当然の報いだな。」
カレル「・・・あんたは自分のやったことを悔いることができる。
それだけで善良な人間ザンスよ。」
モートン「戦場で戦うことしかできない哀れな女さ。
もう行ってくれ。どんどんみじめになる。」
カレル「・・・もし、起爆装置を解除出来たら?」
モートン「・・・え?」
カレル「そしたら、あんたはどうする?」
モートン「・・・どうもしないな。
静かに・・・穏やかに暮らしたい。もし・・・お前さえよければ・・・一緒に。」
起爆ボタンのあるスマホを取り出すカレル「押してみるザンス。」
モートン「・・・え?」
カレル「さあ。」
モートン「わたしなんかと一緒に死んでくれるのか・・・?」
微笑むカレル。
ためらうモートン「・・・でも・・・」
カレル「さあ。」
モートン「ありがとう。」
震える指で意を決してスマホのスイッチを押すモートン。
しかし、モートンの爆弾は爆発しなかった。
モートン「・・・え?」
カレル「ダリアは、あんたを大切な友人だと思ってたってことザンス。」
涙を流すモートン。
・
グリッドライン社
受話器を握るマルス「なんてことを・・・!」
電話越しのカレル「つーことで、オレは消えるザンス。
マルちゃん、あとはよろしく。」
マルス「ジャスティスブレイドは・・・!」
カレル「オレたちの愛を引き裂かない限り起動はせんよ。」
マルス「あんた女好きでしょ!
モートンがあんたの浮気に激怒して、捨て鉢にでもなったら・・・!」
カレル「あんたらみたいに?」
マルス「オレは浮気なんかしてない!」
カレル「最初に言ったはずだ。オレは世界なんてどうでもいい。うまい酒といい女さえあればハッピーなの。バイバイ。」
マルス「カレル!」
電話が切れる。
マルス「切れた・・・」
フェイ「これで、ジャスティスブレイドを止めるものは、なにもなくなったわね。」
ロイド「どうすんだ・・・」
マルス「いや・・・一人いる。」
・
日本
千代田区の邸宅
寝室
暖かな木漏れ日。
ベッドで目を覚ますえる。
パイプをふかし肘掛け椅子に座って新聞を読む勘兵衛「起きたか。」
える「・・・最近・・・怖い夢を見なくなったの。
子どもの頃の・・・楽しかった夢ばかり・・・」
勘兵衛「それはよかった。」
える「・・・日本は平和?」
勘兵衛「みんなお前さんが怖くておとなしくしておる。
治安は改善、都市の復興も進んでいる。安心しなさい。」
える「寺島先生が日本の大統領になってくれたおかげだ・・・」
立ち上がろうとするえるを支えてやる勘兵衛「おっと」
える「ありがとう・・・」
勘兵衛「せっかく悪夢を見なくなったんだ。もっと寝ていればいい。」
える「・・・わたし・・・あと何回ソニックブレイドに乗れるかな・・・」
勘兵衛「もうやめておけ。
世界各国のグリッドブレイドは成敗したじゃろう」
える「アメリカが残ってる。」
勘兵衛「向こうにはマルスがいる。ジャスティスブレイドはなんとかするじゃろ。」
える「悪夢を見なくなった理由をずっと考えていた・・・」
勘兵衛「・・・。」
える「この現実が悪夢そのものだからよ。」
・
共同墓地
マルスの家の墓
線香をあげる喪服のろな
ろな「来る墓、間違ってるんじゃない?」
える「・・・・・・。」
ろな「・・・あなたのしたことは間違ってないわ。
民間人を気にしていたら戦えないもの。
でも私はぜったいに許さないから。」
える「・・・。」
ろな「私は私と私の大切な人さえ生きていればいいの。
あなたのように、人間の生死を数字で考えるようになったらおしまいよ。」
そう言うと、えるを残して立ち去るろな。
ひどいことを言ってしまったといった表情で涙を拭うろな。
対照的に一粒も涙を流さないえる。
そこへ歩いてくるマルス「妹を許してくれ。」
える「・・・いまさら何の用?・・・ライちゃん・・・」
・
高級ホテル「鴻門之会」のスイート
窓の外を見るマルス「東京の夜景もずいぶん変わったな。」
える「あなたがいない間に、いろいろあったのよ。」
マルス「酒は飲めるようになったのか。」
える「医者に止められてるの。用件は何?」
マルス「グリッドライン社の連中を皆殺しにするんだって?」
える「・・・うん。」
マルス「それはつまり・・・オレも含まれるのか。」
える「・・・どうかな。」
マルス「ジャスティスブレイドが消えた。」
える「らしいね。」
マルス「・・・きみに倒してもらいたい。」
える「・・・あんなに私にロボットに乗るなって言ってたのに。」
マルス「もう君しかいないんだ。」
える「約束したじゃない。もうどこにもいかない。ずっとそばにいるって。」
マルス「・・・すまない。」
える「あと浮気したでしょ。」
マルス「・・・それは・・・した。ごめん。」
える「・・・もう、感情がぐちゃぐちゃでわかんないよ・・・」
マルス「ジャスティスブレイドさえいなくなれば・・・地球から脅威がなくなるんだ。
今度こそ地球は平和になる。」
える「うそよ。」
マルス「・・・。」
える「だって、まだ私が残ってる。」
マルス「・・・フェイに頼めば治してもらえる・・・」
える「・・・いまさら人間に戻れって?じゃあ、今すぐ治してよ。」
マルス「・・・え?」
える「私のことを今でも愛しているなら、今すぐできるはず。
・・・そうでしょ?」
マルス「・・・・・・。」
える「・・・そうだよね。
うん・・・知ってた。
もう・・・わたしたちは変わっちゃったんだよ。
お互い、背負うものがあまりに増えてしまったから・・・」
マルス「・・・最後の戦いをしてくれるか。」
服を脱ぐえる「私の体は見ての通り。
・・・これを見ても、あなたは同じことを言える?」
裸のえるを抱きしめるマルス「言える。」
涙を流すえる「ずるいよ・・・」
抱きしめあう二人。
・
えるの邸宅
勘兵衛「マルスを殺すんじゃなかったのか?」
える「・・・誰がそんなこと言ったの?」
勘兵衛「お前はもう戦える体じゃないんだぞ!」
える「知ってる。」
勘兵衛「昔の男にいいように使われているだけだとなぜわからん!」
える「ジャスティスブレイドを倒したら、世界で一番の婚約指輪をくれるんだって。」
あきれる勘兵衛「な・・・なんて愚かなんじゃ・・・」
える「おじいちゃんには分からないのよ。女の子の気持ちが。」
勘兵衛「地球を支配できる力を持つものが・・・まだ学生気分が抜けておらんとは・・・」
える「もう、出て行って。」
勘兵衛「言われずとも出ていく!もう会うこともないじゃろう。」
える「もう年なんだから、怒っちゃだめだよ。」
部屋から出ていく勘兵衛「ふん!」
勘兵衛(・・・あの子の死にざまなど見たくない・・・)
える(・・・私が死ぬところを見せたくない。)
・
格納庫
ソニックブレイドを強化改造するロイド
マルス「どうですか?」
ロイド「・・・さすがに結構がたが来てるな。」
マルス「一から作り直す時間がない。」
ロイド「わかってる。」
マルス「えるの寿命が尽きる前に、決着をつけないと。」
フェイ「男ってなんでみんなこうなのかしら。」
マルス「何か言ったか。」
フェイ「いえ。」
・
スイスの山小屋
食料の入った紙袋を抱えるカレル「ゼッターちゃんただいま~♪」
「今日はあんたが好きなシチューを・・・あれ?」
小屋にはだれもいない。
ベッドに置手紙が置いてある。
手紙「親愛なるカレル博士へ
ありがとう。あなたのおかげで少しの間幸せを感じられた。
しかし、グリッドライン社は裏切者を決して許さない。
私といると、きっとあなたにも危害が及ぶ。
バカな私を許してくれ。」
カレル「・・・また振られちまったな。」
・
ニューヨーク
世界危機管理局WEMA本部
?「・・・何の御用?」
ゼッター「もう誰も頼れる人がいないの・・・お願い・・・
わたしをかくまって・・・あの子を説得してほしい・・・」
?「そんな生き方はあなたには似合わないんじゃないかしら。」
ゼッター「・・・私はもう足を洗いたい。」
?「あなたは生粋の戦士よ。戦場で華々しく死にたいとは思わないの?」
ゼッター「・・・相手はあなたの娘なのよ。」
生きていた今日子「ふふ・・・あの子は強いわよ。」
ゼッター「みんな狂ってる・・・」
『帰ってきたソニックブレイド』脚本⑦
2025-11-19 18:21:10 (69 days ago)
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