『アリス・イン・ワンダーランド』の脚本⑦

「第七章 チェックメイト」

空に巨大な飛行船が浮いている。
アリス「なんなのあれ!?」
白の騎士「最新鋭の蒸気式飛行船だ・・・!あんなものを隠れて開発していたのか!あいつら、あれに乗って直接白の女王の玉座を襲うつもりだ・・・!!」

赤の女王の飛行船
船員「先遣隊はジャバウォックに押されています・・・!陛下どうしますか!?」
赤の女王「ほうっておきなさい。あの怪物の気をそらしているのなら、捨て駒としては十分よ。さあ遊びはここまで。「あれ」を投入しなさい」

白の騎士「空に浮かれちゃ打つ手なしだ・・・!」
アリス「見て!」
地平線から赤の兵士を乗せた見たこともない怪物の群れが猛進してくる。
アリス「こっちに突っ込んでくる・・・!」
白の騎士「物陰に隠れるんだ!」
アリス「なんなのあれ・・・!」
ユニコーン「動物園でおなじみのバンダ―スナッチだよ!」
アリス「一角獣さん!」
ユニコーン「きみをずっと探してたんだよ。ここにいたとはな」
ライオン「ずいぶん盛り上がってるじゃないか。いっちょやったるか!」
ユニコーン「おうよ!騎士殿、乗るかい?」
ユニコーンにまたがる白の騎士「かたじけない!いくぞ!」
剣を高らかに挙げ、バンダ―スナッチの群れに突っ込んでいくライオンと白の騎士。
白の王国の柵をぶち壊し、突っ込んでくるバンダ―スナッチ。
分の悪い騎馬戦が始まる。
ジャバウォックはバンダ―スナッチを咥えあげほうりなげるが、数が多く、敵に足をつつかれ唸る。
アリス「だめ・・・いくらなんでも数が足りない・・・!」
アリスの背後で物音がする。
傷だらけの赤の騎士「やあ、アリス・・・殺してやる・・・」

不思議の国のアリス邸には国を捨てた白の王国の国民が多数押しかけ、玄関で不思議の国の住人と白の国民が言い合いをしている
マウス「おいおい・・・ここは我々の最後の砦だぞ・・・!」
ドードー「諸君らの行為は不法である・・・裁判所からの書類を見せたまえ。」
モックタートル「そうよ・・・出てってちょうだい!」
グリフォン「さあ帰った帰った!この屋敷はあんたら全てを泊められるほど広くはねえ!」
白の国民「まだいくつも部屋が空いているじゃないか!俺たち難民はどうなってもいいってのか!」
白の国民「大体こういう家は人間が住むものよ!あなたたち動物は外にいきなさい!」
マウス「なんだと・・・!おいトランプ軍曹!彼らを丁重に送り返せ!」
トランプ兵「イエッサー!失礼します!」
白の国民を押しのけるトランプ兵たち
国民「ずいぶん乱暴じゃないか!!」
わいわい揉め出す
マウス「いてて足で踏むな!」

屋敷にかけてくる白ウサギ「はあはあ・・・一体全体なんだこりゃ・・・!」
マウス「あ!白ウサギ!そっちはどうなった!?」
白ウサギ「きみらは一体何をやっているんだ・・・アリスが今大変なことになっていると言うのに・・・!」
モックタートル「この人たちがわたしたちを屋敷から追い出そうとするのよ!」
白の国民「動物は出ていけ~!!」
マウス「トランプ兵!もうぶってもいいから!追い払え!」

キャタピラー「あんたたちいい加減にしなさい!!!」
大声に驚き、静かになる玄関。
キャタピラー「白ウサギちゃん・・・詳しく話してちょうだい・・・」
白ウサギ「赤の軍隊が今白の王国に総攻撃を仕掛けています・・・!白の王国にはアリスがたった一人残って白の女王様を守ろうと・・・!」
キャタピラー「・・・あなたたち聞いた?
自分たちは国を捨ててこんなところでつまらない争いをして、白の女王を守っているのはたった一人の少女だけ?まったく笑わせないで頂戴・・・あんたたちの国でしょうが。」
白の国民「・・・・・・。」
マウス「そうだ!とっとと自分の国に帰りやがれ!」
キャタピラー「私たちも同じ!」
マウス「う・・・」
キャタピラー「アリスだけにこの戦争を押し付けて何とかしようとしている点はね・・・さて、この中で今から何をすればいいか分かる者はいるかしら?」
おびえる一同「・・・・・・。」
ため息をつくキャタピラー「は~・・・」
白ウサギ「みなさん、アリスの力になってやってください・・・!ぼくらに加勢してください!」
小鹿「ぼく・・・闘う!」
白ウサギ「ありがとう・・・!」
小鹿「ぼくは勇敢な馬だ!ウマは勇敢な騎士を乗せて戦場で戦う・・・!」
キャタピラー「情けないわね・・・こんなにたくさんの人間と動物がいて立ち上がるのは、こんな可愛い小鹿ちゃんだけ?」
小鹿「え?ぼく小鹿なの?」
白ウサギ「い・・・いや・・・う、馬だよ。」
マウス「小鹿が戦うんじゃ俺たちが戦わねえわけにはいかねえな・・・」
小鹿「ええええ!?」
マウス「みんな!ここはいっちょアリスの為・・・いや、この世界の為に赤の女王に一発くらわせてやろうぜ!」
一同「オー!!!」

炎が上がる白の王国
多勢に無勢で、膨大な兵力に押されていく白の騎士、ユニコーン、ライオン。
ライオン「はあはあ・・・くそ!倒しても倒してもきりがねえ!」
ライオンの背後の兵士を蹴とばすユニコーン「あぶない!うかつだぞ!」
ライオン「すまねえ・・・」
白の騎士「・・・アリスはどこだ!?」

赤の騎士から逃げ出すアリス「はあはあ・・・」
赤の騎士「くくく・・・待ちな、かわいいアリス・・・」
オールドシープショップの中に隠れるアリス。
赤の騎士「どこに隠れたのかな~?アリス・・・」
棚をひっかき回すアリス「ケーキ・・・どこかにケーキがあるはず・・・」
店内に入ってくる赤の騎士
ケーキを見つけるアリス、ケーキをつかみ口に入れようとした刹那、腕をつかまれる
赤の騎士「・・・みつけた。」

店から引きずり出されるアリス「くっつ・・・離して!」
赤の騎士「ただお前を殺すのでは私の気はすまない・・・お前が最も愛するものをお前の眼の前で殺してやろう・・・さあ、誰がいい?お前は誰を愛している・・・??」
目をそらすアリス「・・・・・・。」

白の王宮最上階
眼下に広がる戦の様子を悲しげに見つめる白の女王「・・・・・・。」
白の王宮に赤の女王の飛行船の銛が突き刺さる。最上階にもやわれる飛行船。
白の女王の間に赤の兵士が突入してくる
白の女王「・・・ついに来たのね・・・」

飛行船の赤の女王「・・・チェックメイト。」
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