動的平衡って代謝のこと?

 『生物と無生物のあいだ』の記事があまりに長くなったので、やっぱり二つにしますw。今回は『生物と無生物のあいだ』のキーワードとなっている「動的平衡」という概念について。

 シュレーディンガーの提唱した「ネゲントロピー(=エントロピーの逆。秩序化。概念自体は知ってたけど、この言葉はこの前知った。それも『構造と力』で)」に対して、福岡さんがそのメカニズムの観点から紹介した、シェーンハイマーの「動的平衡」という言葉。本書のメインだけあって、なかなか面白い考えです。

 「秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない・・・(166ページ)」

 つまりブログで例えるならば、更新率の低いブログは誰も見なくなり、どんどん廃れてコメント欄にアダルトサイトへのリンクが張られ、無秩序化(エントロピーが増大)していきます。
 生物はこの対策に、ブログをずっと更新しなくても荒らされないような、超強固なセキュリティを考えたりはしません。生物の取った手段はもっと柔軟で手軽なものです。そう、めちゃくちゃ更新率を上げるのです。

 これは哲学のよくある問題「テセウスの舟」。船の板を一枚ずつ外して新しい板と交換した時、一体何枚目まで「もとの船」と言えるだろうか?そして外した板で再び船を作った時、それは「もとの船」と言えるのだろうか?

 「生物は自身の秩序(ホメオスタシス)を絶えず維持するために積極的に外部からエネルギーを取り換え、自身の形を更新している」・・・これが福岡さんの言う「動的平衡状態」です(多分)。しかし「生物の定義とは、動的平衡である。」はちょっと大袈裟感が。

 思ったんですけど、実は福岡さんの「動的平衡」って・・・生物の大きな要素「代謝」(生物学の基礎中の基礎)なのでは?
 
 つまり福岡さんは、かつてハミルトンの「包括適応度」という難しい概念を、一般の人にも解り易く「利己的な遺伝子」というモデルで説明したリチャード・ドーキンスに似ているのかもしれませんね。

 追記:福岡さんがドーキンスと似ているという文は不当かもしれない・・・ここでは「解り易く言葉を変えて、世間にはなじみの薄い生物学の考え方を一般に広めている」という意味で書きました。
 しかしダーウィニズムの正当な継承者ドーキンスと、ラマルク説に傾倒する福岡さんを似た者同士と言ってしまうのは、いくらなんでもドーキンスに失礼だ・・・
 調べたところ福岡さんの進化に対する考え方はちょとおかしい。しかしハーバード大学で働いた福岡さんがこのような生物学をかじったことがある人なら誰でも解る初歩的な誤りを犯すだろうか・・・?
 本気で福岡さんが「獲得形質の遺伝」を再び復活させようとしているのなら、それは「コタツから出てトイレに行くのが面倒な人のおちんちんは長く進化します」と言っているようなものでとても残念だし、世間の注目を集めるために“わざと”反証された説を言っているのだとしてもそれも哀しい。
 ベストセラー作家となった福岡さんはとても影響力のある科学者なのだから、正しい知識を世間に広めてほしいな。
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