ヤンキーを社会生物学的に考える

 昨日タレントの木下優樹菜さんが「ぷっすま」かなんかに出ていたけれど、ヤンキー経験もいい点があるなと感じました(非行に走るのを奨励はしてないですが)
 それはチーマーや暴力団って絶対的な上下関係があるので、かなり体育会系。街を歩く単体のチンピラよりも、ずっと礼儀をわきまえるんじゃないかと思うわけです。
 私が木下さんを見ていて偉いなあと思ったのが、木下さんのヤンキー時代は対立勢力とのタイマンを主にしていたということ。つまり悪は悪とやりあっていた。これなら別にいい。
 んで、彼女らの思いを無視して干渉してくる大人に、ふてくされるのも別にいい。なにもちょっかいだしていない堅気の人に、カツアゲとか暴力をふるわなければ。
 というのも人には様々な気質があって、大体の場合自分の気質にあったコミュニティに落ち着くので、自分の居場所がそういうヤンキーの世界しかない人もいるんだと思う。学校があまりに閉塞的で。木下さんは「学校で教わったこと、ユキナには全くないです」と断言していて、教育を学んだものとしてちょっと凹むものの仕方がない。ろくな先生がいなかったのでしょう。

 ただし成人式で暴れるヤンキーを見て思うのは「ヤンキーをするなら人さまと同じ人権を主張するな」ってこと。多少は権利を制限されてしかるべきです。
 だいたいなんで成人式の会場にヤンキーを入れるのかが分からない。あれは「ドレスコード」を設けたり、少年の補導歴とか調べて暴れそうな子は会場には入れないようにすればいいだけでしょう。
 あと格好悪いのがヤンキーという堅気からはずれた道にいってるのに、なおもメジャリティにかかわろうとすること。普通のカッコいいヤンキー?なら「成人式だあ!?そんなくだらねえところ行ってられるかバカ野郎」って言うはず。
 なのに堅気の人が大勢いる成人式会場で、迷惑をかけるヤンキー達。かっこ悪いです。これでドレスコードで入場禁止になったら、「それって人権侵害なんじゃねえのかよ?」とか言う馬鹿もいそうだけど、ヤンキーが人権を語るな。散々カツアゲや暴走で人の人権踏みにじっといてそれは無いだろ。
 警察が成人式会場の受付で「キミはダメ」ってやってくれれば、成人式もあそこまで荒れない。だからあれは子どもが悪いというか・・・そんな子どもに権利を与える大人も悪い。
 ヤンキーはヤンキーで集まって(集会)「ヤンキー成人式」を独自に開催すればいいわけで、なぜ堅気のところに行くのか分からない。どうしてもいきたいなら、ヤンキーをやめるなり、身なりをその日だけはちゃんとするなりすればいい。
 
 茶髪なだけで白い目で見る大人がムカつくのは私にもわかる。小学校の観察実習かなんかで「お前髪染めてるんじゃねえ」ってキレられたことあるけど、私ってもともと地毛が茶色で、こいつぶっ飛ばしてやろうかと思った。
 でも髪くらいどうでもいいし、中学時代服装検査で、私の人となりをちゃんと知ってる担任の先生は、私の髪の色を観て「田代は・・・う~ん・・・まあいいか。」って言ってくれた。
 ダーウィン進化論に傾倒する私がそんな非行やるはずないって知ってたから。つまり日常の様子を見ていれば、こいつが成人式で暴れるかどうかはすぐ分かるので、ヤバそうな奴を成人式入場禁止にすることくらいたやすいのにやらない。
 これはもうやらない大人の方が悪い。大人が動けば、こんなの起きないんだから。

 ESS(進化における安定的な戦略)やゲーム理論で有名な生物学者ジョン・メイナード・スミスは、まあすっごい難しい数理モデルの本を書くのですが、そこでヤンキーやチンピラ、やくざといった「タカ派」は、社会の大多数が喧嘩をしない「ハト派」だからこそ存在できると言っています(これは佐倉統さんの『進化論の挑戦』74ページでの紹介)。
 そりゃ当たり前なんだけど、世の中みんなヤンキーだとケンカばかりして、まともな生活が出来なくなってしまう(一日に80件殺人が起こる南アフリカみたいに)。だからみんながハト派の社会の方がずっと住みやすい。安全だし。
 でもハト派だけの社会だと、そのハトを食い物にして生きていけるんじゃねえか?と一部の卑怯者が考え「タカ派」戦略を取る。
 メイナード・スミスによれば、社会集団でハト派とタカ派の割合が決まった数字で均衡状態になることを発見。これがESSだという。
 これ以上タカ派は増えると社会は安定しないし、これ以上タカ派が減るともう少しタカ派が食って行ける余裕があるというわけです。
 だからタカ派はハト派に言わば養ってもらっているんだから、堅気に迷惑をかけちゃいけねえ。そんなことを先輩ヤンキーは新入り構成員に教えてほしいと思います。
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