メキシコ湾の原油流出事故。石油採掘施設が爆発して亡くなられた方もいるのだから、私はあまりこの事故を責められません。
だいたい彼らが命がけで毎日働いているから、エネルギーは安定供給されているわけだし。
とはいえ、私たちができる小さなことからコツコツとエコライフをしていこう!というモットーが吹き飛ぶほど、あの事故が環境に与えた影響は甚大。
私たちがエアコンを28度設定にしても、アレをやられちゃ貯金残高はゼロ。むしろ借金です。で、オバマさんも現地視察したりして「ダメじゃないか」と会社を非難しているのですが、もう起きてしまったものはしょうがない。
あとは何年かかろうとも海に流出した原油を回収すると共に、事故の原因究明をして次に起こらないようにするだけ。
この流出した原油を何とかするアイディアを、様々な機関から募っているのが結構面白いです。国家が「国民の皆さん!オラに知恵を貸してくれ!」ってw。こういう逆境の時こそ科学技術のイノベーションのチャンスかもしれない。
南アフリカ沿岸部に生息するケープペンギンも、原油流出事故により一度に三万羽が死に、この10年で総頭数は半分以下に減少したといいます(現在七万羽)。今回のメキシコ湾でもペリカンがまずいことになりそう。
こういうデータをもとに、現在の絶滅スピードは・・・って話になるんだけど、もうお説教臭くていや。
生物ピラミッドの頂点にいる哺乳類や鳥類の相当数はもともとも少ないし(少産少死のK選択動物)、環境破壊の影響を受けて数が減るのはとてもわかりやすいけど、地球の主役はやっぱり節足動物。こいつらが頑張っていてくれれば私は生態系は何とかなるとも思う。
逆に言うと、生態系の縁の下の力持ちである、生産者(植物)、分解者(菌類、細菌類)、低次消費者をもっと研究して欲しいとか、部外者の私は思うけど、なにせ昆虫や微生物は数が多すぎてなかなか大変そう。
ペリカンやペンギンは人の同情をかいやすいけど、動物愛護団体は、それと同じ、いやそれ以上に、グロテスクな虫けらに愛情を持ってほしい。
地球の生物多様性が大切なら、一番いいのは人間の数を減らすことですよ(絶滅すればなおよし)。私はこの問題の根本原因は単純で、人口があまりに多いだけだと思っている。
だから少子化の日本は本当に偉い。最高のモデル国家だと思います。暮らしに余裕のある先進国の人は、地球の為に子どもは一人か二人にするべき。
一番嫌いなのが、「生物多様性は美しい地球を維持するために・・・」とか奇麗事を言って、結局はまだまだ地球の資源を人間が使い倒したいってだけだろ!ってやつ。
地球は人間の為にあるわけじゃないんだから。「美しい地球がいいなら、お前らもう滅んでくれよ!」ってケープペンギンとか人間以外の動物は心の中で叫んでいますよ。絶対。
あと本当に下らないのが「環境goo」ってサイト。http://eco.goo.ne.jp/topics/biodiversity/
地球温暖化の関心は高くてみんな(=80%)知ってるのに、生物多様性について知っている人はあまりに少ない(3%)、だから生物多様性の正しい知識を伝えていこう!・・・ってお前が間違ってる。
生物多様性の説明で耳にタコなのが、機械のアナロジー。
便利な乗り物である車も「様々な部品」が組み合わさって動力をなしているのは言うまでもない。しかし、その部品の1つであるシャフトが外れたりでもしたらどうだろう。当然ながら動力をなすはずの車は動かなくなってしまう。
ちょっと極端なたとえではあるが、このように生物独自で生きることができるわけではなく、個々の役割がつながり、生物として存在することができている。これが「生態系」と言われるものである。先ほどの車のようにここに1つでも欠けることがあれば、そのつながりが成立しないのだ。
・・・成立します。もし一部の生物種が滅んで、生態系全体が機能停止していたら、おそらくシアノバクテリアが酸素を作ったあたり(27億年前)で生物の歴史はジ・エンドだった。生態系はそんな単純な構造ではない。
生物同士が相互作用しているのは全く持って正しい。しかし生態系は機械とイコールではない。もっと、いやかなり柔軟にできています。
ある地域の動物がメタメタに滅んでいなくなったら、何かのきっかけでそこに来た外来種が「い~とこめ~っけ♪」とちゃんとニッチを占めてくれる。モーリシャスのドードー然り、ガラパゴス島の固有種然り・・・
こういうサイトを作っている人達って地球の歴史と、複雑系をちゃんと理解しているのだろうか?しててわざと割愛してるな。きっと。
あと、地球に生物がいなくなっちゃう日・・・って馬鹿馬鹿しい。その日がかりに数10億年後に来ても、人類はとっくに滅びさってます。人類ごときが地球の生物全てを滅ぼせるなんて思いあがるな~!こちとら地球様は地殻変動で全生物90%を一気に大量虐殺じゃ~!
複雑系については、すっごい簡単で入門的なところだけど、けっこう面白くて大切な「初期値鋭敏性」あたりは機会があったらいずれ記事で取り上げようと思います。
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