Let's Go to Prison

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆」

 『告白』の100倍面白い復讐劇!※人気ドラマ『プリズンブレイク』のパロディ作品ではありません。

 2006年のアメリカのコメディ映画。なぜか日本未公開。やれよ!本当この国って笑いに冷たいな。

 主人公のジョンは小さなころからイタズラ好き。バラエティ番組とかで出てくる小切手のパネルをバンごと強奪し、銀行で換金しようとした小学生のジョンは「私の使命は子どもたちの幸せと未来を守ることだ。お前のようなクズからな。」と吐き捨てた冷酷判事「ビーダーマン三世」の判決によって重い懲役刑を受けることに。これがジョンとビーダーマンとの因縁の戦いの始まりだった・・・
 ただのイタズラ好きの子どもはビーダーマンの教育によって一人前の悪党に変わり、その後も現金輸送車の強奪、パトカーの盗難と合計三度ビーダーマンによって刑務所にぶちこまれた。

 ジョンは三度目の出所のあと、冷酷判事ビーダーマンに復讐しようと企むが、出所三日前にビーダーマンが亡くなっていたことを知る。
 復讐相手の死によって打ちひしがれるジョンだったが、彼には息子「ネルソン・ビーダーマン四世」がいることを知ると、「じゃあ息子に復讐をしよう」と計画を変更する。
 ジョンがネルソンを尾行をしていると、喘息の薬が切れている事を知ったネルソンが、慌てて薬局に駆け込み、それを中国人?の店員に強盗だと勘違いされてしまう。
 「そのチャンスを逃すまい」とリークしたジョンによって警察に逮捕されてしまったネルソンだったが、財団のトップである彼は金で解決できるとタカをくくっていた。
 しかしあまりに態度が横柄で部下の役員たちにも嫌われていたネルソンは、役員会と顧問弁護士の裏切りにあい、裁判で「ジュラシックパークでジェフ・ゴールドブラムはティラノサウルスにかまれたが、あれが本当でないことは誰だって知っている」と適当な弁護をわざとされて有罪判決が下ってしまう(ただあの映画で悪徳弁護士は喰われたぞw)。

 ネルソンが刑務所にぶちこまれるだけじゃ気がすまなかったジョンは、わざと覆面警官に麻薬を売り逮捕される事で、自分もネルソンと同じ刑務所に入る。看守と顔見知りのジョンは、看守にわいろを渡しネルソンと同じ檻で同居することに成功。
 「さあネルソンをいびり倒すぞ!」とジョンはネルソンの親友のフリをし、自らの手を汚さないように知り合いの囚人に彼をいじめさせる。
 ネルソンはジョンの復讐計画によって隣の囚人からは殴られ、黒人の囚人のリーダーでホモセクシャルなバリーにはケツの穴をねらわれ、ネオナチの冷酷な殺し屋リナードにはとうとう命をねらわれる。
 こんな毎日なら死んだ方がましだと、洗剤を注射器に入れて自殺を試みるネルソンだったが、彼を殺しにやってきたリナードをその注射器で自滅させてしまい、皆が恐れるレナードを倒した彼は一躍刑務所の囚人たちのリーダーに昇りつめ、ジョンの計画は大きく狂いだすことに・・・

 いや~面白い。本来敵同士であるジョンとネルソンとが最終的に友だちになってしまうというのはなんとも説話的。イソップ童話を読んでいる感じでした。
 ネルソンはオヤジの血を引く金に汚くて嫌な御坊ちゃんだったのですが(ちょっとアズマックスさんっぽい。すいません)、シャバではできなかった刑務所の囚人との友情(・・・とバリーの愛w。このキャラ最高!)によって逞しく成長していくんですよね。
 この映画って囚人が悪いのは当たり前でしょうけど、社会的に責任のある高い立場にいる人たち、判事や弁護士、役員、刑務所長がまあ(ギャグ調とは言え)悪いんですよ。
 このようなエスタブリッシュメントのノブレス・オブリージュ(特権階級における責任ある高貴な振る舞いのこと。日本だと武士道?)の欠如を暗に皮肉っていて、そこも映画の見所の一つになっています。

 言ってしまえばくだらないコメディですがw、人間ドラマとしてもなかなか楽しめると思います。ちょっと笑いたい方、お勧めです。
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