キング・コング

 「面白い度☆ 好き度☆」

 長いし悪趣味。

 これ(2005年版)、なぜかDVD持ってるんだけど、あまり好きじゃない。むしろ嫌い。しかも上映時間がとにかく長い!三時間近くある。大きいゴリラの話でそこまで大風呂敷広げる必要あるか?

 『キング・コング』は誰もが知っている子ども向け名作冒険小説で、ピーター・ジャクソン監督も子どもの頃好きだったんでしょう。『ジュラシック・パーク』のスピルバーグ監督もこの映画のファンで、それが足を引っ張り『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』のラストはドチャメチャに・・・

 まあとにかく『キング・コング』は題材がレトロ。かつてゴリラは人間の女性をレイプするという噂が実しやかに囁かれた時代があって、そんなゴリラに対する当時の偏見丸出しの設定の映画が『キングコング』。
 実際のゴリラはけっしてむやみに暴力をふるうような動物ではなく、とっても優しく穏やか。それが本当の強さって言うもんだぜダロウさん。
 人間を殺して食ってしまうほど凶暴なのは実はチンパンジーだったりする・・・

 これほど時代を感じさせる古臭い題材(どくろ島って・・・w)の映画なら、それにあった恐竜を出してほしかった。つまり前にも書いたけどレトロ復元。中盤出てくるブロントサウルス(アパトサウルスの体にカマラサウルスの頭部をつけた恐竜。当時アパトサウルスの頭が見つかっていなかったので、適当にカマラサウルスのものをつけていた)はレトロ恐竜の代表格でとてもうれしかった。
 でもその後、ブロントサウルスを恐竜温血説で有名なドロマエオサウルスの仲間が群で追いかけるのがなんとも『ジュラシック・パーク』でげんなり・・・
 ポスト『ジュラシック・パーク』の恐竜像はこの映画にはミスマッチ!ステゴザウルス(あえてサウルスではなくザウルス)VSキングコングをやってほしかったなあ・・・(アン・ダロウを救うため巨大な肉食恐竜を叩き潰すシーンはちょっとカッコ良かったけどさ)
 あとテラノドンのシーンがなんで気持ち悪い巨大コウモリに・・・?この人(監督)の感覚はブロントサウルス以外私にあまり合わないなあ・・・

 一番腹が立つのが「コングを殺さないで~」ってほざくアン・ダロウ。ぶっちゃけてめえのせいで大勢の人間がコングに殺されているのに、それでもコングの味方をするならてめえは島に残ってコングと籍入れちまえ。なのにみんなとアメリカに帰るって・・・こいつの脳内どうなってるの?悪趣味な島で孤立したから錯乱したのか?
 ダロウのコングへの感情って決して純粋な愛じゃないよね。愛玩動物とか言う場合の「愛」だよね。『ザ・コーブ』(ポスターが無駄にかっこいいw)を見て「イルカが可哀想」とか言っている感情だよ。
 コングの為に自己犠牲的なことをするわけでもないのに、ただ情が移っただけで動物愛護を叫ぶ自分勝手な女・・・それがアン・ダロウ。
 そしてコングは知能が足りず彼女の薄っぺらな愛を理解できないから、必死に恐竜からダロウを救ってやっている。コングよ・・・こんな女命を懸ける価値すらないぜ。
 つまり『キング・コング』は馬鹿な女と馬鹿な男によるけったくそ悪い「愛は盲目」的な恋愛バカ映画。本物のゴリラ・ゴリラさんに謝れ。
 
 この映画の救いは、ジャック・ブラック演じる映画監督「カール・デナム」がかなり面白かったこと。どんな状況でもカメラ片手に映画を撮影する監督魂は本物。
 この映画って脇役はなかなかキャラ立ちしていて、デナムや、デナムに翻弄される映画の主演俳優、動物捕獲のエキスパートの船長とかはかなり魅力的。
 でも肝心のダロウとコングが私は最悪にダメでした。鑑賞後は『世界の中心で愛を叫ぶ』とかを見た感じ(見たことないけど)。

 結論:レトロな恐竜が出て、アン・ダロウが嫌いじゃなかったらこの映画も評価が変わったかもしれない。ちなみに「人間による自然界への干渉」とかそういう深いテーマ性はおそらくないと思う。これは中学生が妄想するような自己中心的な恋愛映画。
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