エキゾチックアニマルについて

 私は生態系が変わっていってしまうのは仕方がないことで、むしろ自然なことだと思っています。「生物多様性のために全ての生物を守ろう!」という極論も、人間ごときが生物のリーダー気取りで偉そうです。

 問題は日本の原風景を守るという上で、現在の日本の原風景が日本人にとって住みよい環境ならばそれは保全しなければいけないし、住みにくかったらある程度開発しなければならないということです。
 
 ニホンオオカミは家畜を襲っていたので、「オオカミがいる環境」と言うのは人間にとって住みにくかった。だからニホンオオカミを絶滅させてしまった。
 まあこれは仕方がないことだろうと思う。オオカミがうろついている環境なんて怖くていやだもん。
 でもそれによってシカを食べる生物がいなくなり、増えたシカが森の木の皮を食いちぎって木を倒してしまうことにもなった。
 
 もし今の日本の環境が住みよいならば、予防原則として外来種を持ち込むのは禁止した方がいい。オオカミが減ってシカが新たな問題を起こしたというように何が起きるか予測ができないから。
 一回外来種によって生態系が変わってしまうと、再びかつての生態系に戻すことはとても難しいのは言うまでもない。絶滅なんてしちゃったらもう不可能。

 さてここからが本題ですが、「エキゾチックアニマル」と言う外国の珍妙な動物をペットショップで売るのは、私は法的に規制した方がいいと思う。

 基本的に私はペット規制論者です。なにしろネコですら外来生物ですから。少なくともペットを飼う時にライセンスを取得させるくらいのことはした方がいい。動物についてちゃんと勉強してから飼え。

 たとえば東京などは都市気候でかなり温暖で、「昆虫王者ムシキング」ブームにより海外から輸入された奇妙な甲虫が、ぶっちゃけ帰化してしまう恐れがあります。
 日本のカブトムシが数を減らし、森でヘラクレスオオカブトが取れるというのも風流かもしれませんが、それで環境にどんな影響が出るかは分からない。
 少なくとも今言えることは、日本のカブトムシは現在の日本の環境にうまく適合しているということ。だったら日本のカブトムシでいいじゃんということ。
 
 そもそも海外のカブトムシなんかは図鑑か動物園かなんかで見ればいいんだよ。なんで欲をかいて自分で所有しようとするんだ。
 こういう奴っておそらくバイオテクノロジーで恐竜が復活したら『ジュラシック・パーク』まで観に行かずに、ペットショップで恐竜買っちゃうんだよ。
 ・・・で恐竜のことなんてろくに知らないから「スーパーサウルスがここまで成長するとは知りませんでした」って言って飼いきれなくなって逃がしちゃう。んでアーバンダイナソーが増えちゃうんだ。冗談じゃないぜ。

 もっと言えば「金になれば生態系なんてどうでもいいや」とカブトムシを輸入する業者が悪い。
 おそらく業者はこういい返す。「それはエキゾチックアニマルを飼育しきれずに野に放つ飼い主の責任だ」と。
 しかし本気で生態系を守るならそうやって個人単位の責任にするんじゃない。飼い主に無責任な人がいるのは自明なんだから、はなからみんなに売らなきゃいいんだ。
 地球温暖化も「ひとりひとりの小さなエコ意識で地球は変えられる。だからエアコン28℃設定」とか言うけど、そんなんで地球が救えたらそれこそ奇跡だ。そして私は夏は冷房つけたい。断じてつける。冷房がそこにあるから。

 まあそう考えると、エキゾチックアニマルの輸入に対して法的緩和をした政府が一番悪いということ。日本の生態系を生かすも殺すも日本の政府次第。
 日本はとにかくミーハーで海外のものをすぐ欲しくなっちゃう。動物園の数も半端無い。でも日本の原風景が本当に素晴らしいと思うなら、ちょっと我慢した方がいい。

 価値観の多様化って言ったってなにも変な動物を飼わなくたっていいじゃない(みつを)。図鑑で見ているくらいの方が心がときめいたりするもんなんだよ。
 確かにコーカサスオオカブトなんてトリケラトプスみたくてカッコいいけどさ。
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