読書感想文と評論文と研究論文の違い

 評論・・・物事の価値・善悪・優劣などを批評し論じること。

 感想・・・物事について、心に感じたことや思ったこと。


 う~ん、違いが分からない・・・物事について「よかった」「面白かった」って感じるのは、物事に価値を見出しているわけで、評論ではないのか?小学生の読書感想文はなぜ評論文たりえないのか??

 ・・・おそらく小学生の読書感想文は「価値の絶対化」である場合が多いけど(読書感想文を買うのに何冊も関連書籍や参考資料を読まないだろうし)、評論文は「価値の相対化」をしている気もする。つまり比較検証をしていると。
 だから映画評論家の人はやたら映画をたくさん見ていて詳しい。それが評論家として必須のように。

 批評・・・物事の是非・善悪・正邪などを指摘して、自分の評価を述べること。

 そして評論と批評も言葉としてあまり違いは無い。

 ただ感想文にしろ評論文にしろ、それはあくまでも個人的見解だということ。有識者の集団による評論もまれにあるような気もするけど、基本的に個人的な主観。
 そして論文も個人で書く場合が多い(いや科学論文はそんなことない??)。私は大学で教育学の論文を書くとき、指導教官の先生にいつもこの問題を嘆いていた。
 私の言い分はこんな感じ。

 教育学は科学ではない。色々な点で科学的アプローチができないことが多い。だから真に客観的な論文は書けないのではないか(本当は科学も真に客観足り得ないんだけど)。

 でも先生は常に「論文は主観的なただの評論文になってはいけません」と私に注意していた。「いろいろな文献を比較し分析し、できる限り客観的、普遍的な論理に近づけなければならない。でなければ学会で相手にされない」と。
 しかしこれは科学じゃない人文系の論文ではなかなか難しい。とくに文学作品(シェイクスピアの作品『から騒ぎ』など)に関する論文などは。これは限りなく評論(=主観)にちかい論文と言える。

 では芸術文化の論文において客観的アプローチは不可能なのか?と言えばそうでもない。進化論のように、芸術史を体系づけたり、分類することもできる。
 そしてその研究は「この絵は素晴らしい、これは稚拙だ」というただの評論と一線を画することができる。優劣関係を論じてはいないから。これはけっこう科学的なアプローチだと思う。

 強いて優劣関係があるとすれば、その研究者の説自体の正誤。
 研究者はそういう意味でメタ的立場に立って研究しながらも、評論家のような自分が作品を作りもしないで、偉そうにくさす卑怯なメタ的立場には立たない。
 研究者は学会と言う戦場で、大いにふるいにかけられる。そういう意味では研究者も作家なのだと思う。

 そしてプロの評論家も実は作家。面白い評論(作品)を書いて飯を食ってるわけで、その評論が読者にとってつまらなかったら、雑誌等の連載を切られちゃったりする。
 でも研究者との違いは、研究者は学説を基準に戦うのに対して、評論家は漫画家と同じく面白主義を基準に戦っている。
 だからそれが個人的主観でも、ただの感想でも、もっといえば週刊誌レベルの誹謗中傷でも、読者が読んでくれさえすれば何でもいい。
 漫画だってひどい落書きでも人気があれば「ヒット漫画」だし、絵が巧くてもつまらなければ「駄作」打ち切りになる。

 しかしこの評論家のスタンスは最近ネットやブログの普及でやばいことになりそう。いまや素人でも批評活動はできるから。
 となれば、プロの評論家は今こそ「研究者」にステップアップするべきではないか?評論対象の価値判断「面白い」「つまらない」と言った主観的行為から、もう少し客観的な学説に移行することはできないのだろうか??

 ・・・と小難しく書いてきたけど、感想文と評論文は同じものだと思う。大した違いは無い。なのになぜ小学生の読書感想文を評論文と言わないのかと言えば、論の説得力の度合いだと思う。
 だから小学生でも、その作品を評論するにあたって関連書籍をあたり先行研究をした上で説得力ある作品論を論じていれば、それは評論文。さらに学会のコンセンサスすら得られたら、それはもはや研究論文。
 逆にいくら評論家でも「これはつまらない!ゴミ!」と言う“だけ”の根拠のない中傷なら、それは評論ではない。感想でもない。THEネット掲示板。

 私も『アリス・イン・ワンダーランド』や『告白』に悪態ついたことがあるから「お前が言うな」だけど、一応その根拠も説明したつもり。でも所詮はただの感想。

 こうやって屁理屈言って無責任に逃げるのがTHE素人
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