38.進化は仮説にすぎない?

 さて進化論は科学的な理論かどうか?という話がある。なぜ科学的じゃないかと言うと、進化は実験や観察が出来ないからだという。だから立証された理論ではなく、進化は仮説にすぎない・・・と。

 化学反応や重力などは確かに実験や観察によって確かめられる。そしてその実験を繰り返しても常に同じ結果が出れば、その理論は正しいとされる。これを「客観的再現性」と言う。さて進化は本当に実験や観察ができないのだろうか?

 ・・・実はできる。しかも観察に至っては、私たちもすでにやっている。
 それが抗生物質にやたら強い細菌やインフルエンザウィルスの突然変異体だ。彼らはまぎれもなく進化の法則「突然変異」と「自然選択」に従っているし、またペットブームで様々なイヌやネコの品種があることも知っている。彼らは人間が人工的に行った人為淘汰によって生み出された。それに野菜、花、競走馬・・・挙げればきりがない。

 また環境によって自然選択が本当に起きるかどうか、進化の実験も試みられている。それはバクテリアを使ったリチャード・レンスキーの実験がやはり素晴らしい。
 この実験はブログの方で詳しく取り上げたので「進化を実験する」と言う記事を参照して欲しいが、バクテリアたちに適度な淘汰圧を与えながら20年間!世代交代を繰り返すと、バクテリアの形質が徐々に変化していったというものだ。
 その変化とはバクテリアの大型化で、30億年前のバクテリアの進化と方向性が同じなのだ。

 このように進化は観察も実験もできる。しかしそれでもどうやっても人類には観察も実験も出来ないのがある。おそらく進化など仮説にすぎないとか言っている人の根拠はここだろう。

 何万、何億年もかかる大進化だけは、寿命が短すぎる人間には観察も実験もできない・・・
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