共有化されるキャラクター

 すごい久々のブログ更新。理由は・・・もう言うまいw四月中にそこそこのところまでネームは進みそうです。やったぜ。

 さてまずは昨夜のはなしを。私のお勧め映画『オーケストラ!』をへいむさんがわざわざ借りて観てくださって、鑑賞後にスカイプの音声チャットでこの映画についていろいろ語ろうとしたんですけど、これがまた言葉が出てこない。

 「いい映画でしたね」「はい。よかったですよね!」「・・・・・・。」完。

 もう、あまりに映画として完成され過ぎていて今更あれこれ語りようがないのだ。当時書いた『オーケストラ!』のブログ記事も「殿堂入り」とか言いながら、文章の量は『サマーウォーズ』の半分以下だし、欠点が無い映画の方が語れないって情けない。それって普段ケチ付けているだけってことだからね。あ~やだやだ。
 で、挙句の果てに良いセリフをトレースしている始末。でもさ、こんないい映画に何を言っても結局は蛇足になるわけでしょ。私なんかがいろいろ言ったって汚れるだけなんだ。とにかく本編を見てくれよ、と。

 で、ここからが本題。映画に比べてアニメファンの馴れ馴れしさはなんだ!って話w
 彼らアニメファンって映画ファン以上に作品そのものに自分を投影していて、もうハイコンテクストなネタにしちゃうんですよね。私も前からそんなような事は薄々感じてはいたんだけどツイッターをはじめて、アニメファンの凄まじさが具体的に分かった。

 もう「魔法少女まどか☆マギカ」のほむらの愛されよう、そしてマミさんのバカにされようったら半端無いw
 ああいうことができるのも、彼らが様々な魔法少女アニメを見てその文脈を前提事項として理解しているからなんだろうな。

 かつて必殺技の名前を叫び悪と戦ったヒーローを見て育ったくせに、「ティロ・フィナーレ」を連呼するマミさん(連呼はしねえよ)をバカにするって言うのが、また痛々しくて泣けてくるんだけど、あの必殺技の名前さえいっときゃいいだろ的発想は、夏目房之介さんがいうには白土三平の忍者漫画かららしい。

 確かに漫画って動きを描くのに制限があるから、抽象的な忍術を分かりやすく見せるのはかなり難しいわけで、その点必殺技に名前をつけてそれを術者に叫ばせれば、少なくともそいつが必殺技を発動していることは分かる。
 漫画を原作にしていないウルトラマンが必殺技を決める時「スぺシウムこ~せん!」って叫ばないのに対し、漫画が原作の仮面ライダーが「ライダーキック!」ってめっちゃ叫ぶのを考えてみれば、夏目さんの指摘は的を射ていると思う。あの手法は漫画が生んだ苦肉の策なんだ。

 しかしこういったアニメや漫画のキャラは二次創作されるのに、映画ではなかなかそれが無いというのはどういうことなんだろう?私は『ジュラシック・パーク』のキャラにキャラ萌しているもののそれは稀だろうし。
 本当によくできた話なら、私は『オーケストラ!』だって「魔法少女まどか☆マギカ」ばりにあれこれ語れるような気もするけど、両者の違いのひとつとしてすぐに思い浮かぶのは「魔法少女まどか☆マギカ」が当時はまだ完結していなかったってこと。だからあのアニメの本当の勝負(作品そのものの評価)はこれからなのかもしれない。

 ただアニメのファンはやっぱり世界観や設定や物語よりも、まずもってキャラに感情移入する気はする。それは漫画やアニメのキャラクターがどこか記号的で普遍的に使いまわせるからというのもあるのだろう。まさにテンプレートというか。
 確かに「まどか☆マギカ」のキャラは(私もかつて指摘したように)記号的だ。古典的ヒーロー像のマミさんから始まって、みんなどこかで一度は見たことのありそうなキャラクターばかり。
 だからアニメファンは彼女たちを共有化できるし愛せるわけだ。作中では明確化されていない細かい部分はファンがそれぞれ勝手に補完する余地があるってことだから。
 そういう意味でやっぱりあれは萌えアニメだろうし、その楽しみ方(=萌え)はなにも美少女が出てくる漫画やアニメだけに限ったことでもないのだと思う。

 では映画は?映画のキャラはどうなのか?おそらく映画は、漫画やアニメとは作り方の手法が違う。映画はプロットから作っていって最後にキャラを決めているような感じがするし、キャラの優先順位は相対的に低いのではなかろうか。
 それに人間の心理なんて記号化(=共有化)できるほど単純なものであるわけはないし、率直に言ってブラックボックスだ。
 リアルに描こうとすれば描こうとするほど描けないものがキャラクターなんじゃないかな(口調がQさまに!)。

 でもハリウッドスターに関しては、ほむら(ほむほむとはあえて呼ばない。なんか気持ち悪いから)やQさま、マミさんのようにハイコンテクストに弄ばれている気もする(笑)。シュワとか、セガールとか。
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