『ニュートン別冊 「次」にひかえる M9超巨大地震』

 塾の近くのコンビニって漫画と週刊誌、エロ本と本当にゲスな本しか売ってなくて、時間つぶしにもならなかったんですけど、なんと初めて科学雑誌のニュートンを置くようになった!不謹慎覚悟であえて言うよ。これ絶対地震のおかげだ。
 東日本大地震によって科学に興味もなかった大衆が科学雑誌を手に取るようになった。だからこんなゲスなコンビニにもニュートンが仕入れられるようになったのだ。
 これは一過性であることは確実だけどいい傾向だとは思う。ネットで適当に玉石混交な情報の上澄みをさらって「知った気」になるよりは、科学雑誌で調べた方がずっといいからね。
 
 しかしこのニュートン別冊水谷編集長のまえがきがとにかくアツい。このまえがきを読んで感動のあまり衝動買いしてしまったんですよね。
 ちょっと引用させてください(4ページ「別冊刊行によせて」より抜粋)。

 さる2011年3月11日、日本がこれまでこうむったことのないような大地震、大津波が発生した。この歴史的自然現象に襲われた国土と人々の姿を映しだすテレビ画面に、私は胸をしめつけられた。自然の力に圧倒された。いささかなりとも地球科学を学んだ私は、このような大きな災害をもたらした自然現象の発生をなぜ、あらかじめ人々に伝えられなかったのか、なぜ必要な防災組織をつくりあげられなかったのか、深い悔恨の思いにとらえられている。

(中略)

 この地震や津波は、「想定外だった」といわれる。しかし私は、この想定外という言葉が発せられるたびに、長い物理学の歴史の中から生まれた有名な格言を思いだす。それは「理論的にありえるものは、必ず自然界に存在する」というものであり、実験物理学では同様な意味で「理論的にありえる失敗は、必ず起こる」というものである。
 その昔、ブラックホールが理論的にありえるといわれたときに、当時の大多数の天文学者はそんな不可思議なものが実在するはずはないと考えたという。科学者でさえ、それまでの不十分な観測にとらえられて、新しい理論を取り入れることには困難があったのである。それでも今、ブラックホールの実在を疑う人はほとんどいない。


(中略)

 最後に一つ。テレビや新聞の報道で、いかに専門家という人たちがたよりにならないかということを感じられた方もあるだろう。また、これらのメディアで報道される内容についても、世界の報道とくらべると、むしろ外国の報道の方がくわしく正確な場合があることに気付かれた方も多いにちがいない。これはある意味で、科学する力が、まだ日本人ひとりひとりの血となり肉となっていないことを示しているように私には思われる。結局は、われわれ自身もわれわれの国土も、国民ひとりひとりの力で守るしかないということを、あらためて感じさせられている。ひとりひとりが正しい科学的能力を涵養することこそ、将来の日本にはとても大切なのだ。報道される内容を正しく判断できる力も、国民に求められている。
 
 あ・・・アツい・・・!

 ちなみに内容は地震のメカニズムや放射線の基礎知識、再びM9クラスの巨大地震(東海、東南海、南海、首都直下型地震)がやってきたら日本はどうなるかというシミューレーションなど。

 ただ地震のメカニズムや放射線の話はこれまでもニュートンはずっと取り上げてきたわけだし、震災以降ニュートンの内容が急によくなったわけでは決してない。
 震災前もニュートンは科学雑誌として究極的に解りやすく面白かったのだから、ニュートン現編集長の水谷さんを責める人はいないだろう。

 そういえば明日7月から東京電力は電力制限をするらしいけど、なんかここ数日の猛暑ものりきれたし55000kwとも言われる電力供給量も実はもっとあるらしい。
 なんか腹立ってくるよね。東京電力って性懲りもなくまだいろんな情報を隠していて企業として何とかこの窮地を乗り切ろうとしているんだよ。
 そりゃあっさりつぶれちゃ困るけど、このエスタブリッシュメントの論理(≒保身)を未だにやっているって言うのがたくましいというか・・・他に優先することはないのかというか・・・
 現在放射能で死んだ人はいないけど熱中症で死んだ人は4人もいるんだからね。その人の遺族の悲しみはどうなるんだ。人数か?死んだ人数だけが問題なのか?
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